近年、自社の広報を1人で担っている「ひとり広報」の注目が高まっています。今回は、日本パブリックリレーションズ協会が実施した調査から、ひとり広報の意識や実態などを見ていきます。
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「"ひとり広報"実態調査」は2023年2月、自社の広報業務を1人で担っている人(エージェンシー等を除く)を対象に調査票にて行われ、138人から有効回答を得ました。
1.今後実施したい業務、1位「危機管理関連」
まず、現在の実施業務を尋ねると、「マスメディアへの発信・対応」が53.0%で最多。次いで「会社案内・Webサイトの制作」が43.2%、「広報効果測定」が42.6%となりました。
今後実施したい業務については、「危機管理関連」が18.6%でトップ。以降、「メディアトレーニング」が15.8%、「マーケティング調査」が15.3%と続きました。
(【画像出典】プレスリリース)
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2.5割弱が「経営トップは広報を理解し、支援してくれている」
次に、経営トップは広報活動を理解し、支援しているか聞くと、「広報をよく理解しており、担当者を支援してくれている」49.2%、「わからない」が25.7%、「広報に対する理解が不足しており、担当者に対する支援もない」が25.1%との結果に。
詳細を見ると、創業「5年以内」のひとり広報の約7割が「理解・支援してくれている」と感じているのに対し、「21年目以上」では約4割にとどまることがわかりました。
(【画像出典】日本パブリックリレーションズ協会プレスリリース)
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3.ひとり広報の良さ、1位「良い結果が出たときに強い達成感がある」
ひとり広報の良さ、メリットを聞くと(項目毎に「そう思うか」を5段階評価)、1位「良い結果が出たときに強い達成感がある」(82.5%)、2位「自分で意思決定ができ、自由に動ける」(80.3%)、3位「会社を背負う使命感、責任感を持てる」(75.4%)との順に。
また、「あまり思わない+思わない」のほうが高かった項目は「社内で高い評価を得られる」(44.8%)で、同調査では「仕事の充実が自身の評価に必ずしもつながらない、と感じている様子がうかがわれる」と推察しています。
(【画像出典】日本パブリックリレーションズ協会プレスリリース)
一方、ひとり広報の悩み、デメリットについては、1位「成果を数値化しにくい」(69.3%)、2位「自分の判断が正しいかどうか不安」(63.3%)、3位「担当範囲が広すぎる」(61.8%)と続き、トップの広報への「理解・支援が不足している」と思う人ほど、悩みや不満を指摘する傾向がみられたそうです。
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4.まとめ
今回の調査では、経営トップとの関係がひとり広報に様々な影響を及ぼしていることがわかりました。企業側が担当者のモチベーションを向上させて成果をひき出すには、ひとり広報の業務内容への理解度を高め、適切な支援を行うことが求められているのではないでしょうか。
(【記事出典】日本パブリックリレーションズ協会「"ひとり広報"実態調査」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)