仕事の効率を上げるためには、適度に休憩を取ってリフレッシュすることが重要です。しかし、JTが実施した「職場の休憩に関する調査」によると、オフィスワーカーの過半数が周りの目が気になり休憩を控える「休憩忖度」の経験があることが分かりました。
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調査は2022年6月30日~7月4日、20代~50代の出社メインのオフィスワーカー(出社が8割以上)を対象にインターネット上で行われ、600人から有効回答を得ました。
1.8割超が「業務中のこまめな休憩」が必要と回答
業務中の休憩について尋ねたところ、81.3%が「業務中のこまめな休憩の必要性を感じる」と回答。
一方、約半数の49.0%は「職場で、業務中に休憩が取りにくいと感じる」と答え、うち82.6%はその状況についてストレスを感じていることがわかりました。
(【画像出典】JTプレスリリース)
理想の休憩回数は「3回」(26.0%)が最も多かったのに対し、実際は「1回」(29.7%)が最多に。
また、1回あたりの理想の休憩時間は、「15分未満」が59.8%となった一方、実際は「10分未満」が66.1%を占めました(昼休憩など、労働基準法上の休憩時間を除く)。
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2.個人の実感と周囲に対する考え方で意識にギャップ
他者の休憩に対する意識を調べたところ、81.4%が「周囲の人には適切な休憩を取ってほしい」と回答。「個人の実感と周囲に対する考えとの間で、業務中の休憩に対する意識に大きな差がある」(JT)ことが明らかになりました。
(【画像出典】JTプレスリリース)
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3.オフィスワーカーの過半数が「休憩忖度」状態
休憩を取りづらく感じる原因については、「周りの目が気になり休憩が取れなかった経験がある」が62.9%に上りました。
JTは「オフィスワーカーの過半数が、多くの場合思い込みだと考えられる『幻の周囲の目』を気にして休憩を控える『休憩忖度』状態にある」と推測しています。
さらに、「周りの目が気になり休憩が取れなかった経験がある」と答えた人を職種別にみると、全カテゴリーの中で女性中間管理職が37.3%と最も多く、うち76.7%はストレスを感じていることが判明。役職により「休憩忖度」の状況に格差がある実態が浮き彫りになりました。
(【画像出典】JTプレスリリース)
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4.まとめ
今回の調査結果を受けて、精神科医・早稲田大学スポーツ科学学術院 准教授の西多昌規氏は、休憩忖度を解消するために、下記の方法を勧めています。
■個人の自主性に頼るのではなく、部署などの単位でゆるやかな休憩の仕組みをつくる。
■作業の効率化や肉体的・精神的な面での健康を保つために、業務中たまに離席して散歩をする。
■うつや不安を抑える神経伝達物質であるセロトニンを活性化し、睡眠リズムを司るメラトニンの分泌を高める日光浴をする。
■周囲の人が休憩をとりやすい空気をつくり、科学的なエビデンスに則って「意識的・能動的・こまめ」な休憩を取って、"いいひといき"を得られる環境づくりを進める。
(【記事出典】JT「職場の休憩に関する調査」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)