
【サマリーとは】サマリーを作るポイント、レジュメやアジェンダとの違い
ビジネスの現場で良く聞く用語の一つに「サマリー」があります。今回はサマリーの意味とサマリーを作るポイント、レジュメやアジェンダなどサマリーと似た意味の言葉との違いについて解説します。
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1.サマリーとは
サマリー(Summary)とは「まとめ」「要約」のことです。
ビジネスの現場で「サマリーを作成してください」と依頼された時は、会議、視察などの報告書に添付するために、内容を短時間で理解できる要約の作成が求められています。
Excelにデータの合計を計算するSUM関数がありますが、これは合計を意味するサム(Sum)からきていますが、SummaryもSumも同じラテン語のsumma(要約)を語源にしています。
サマリーという言葉には、レジュメ、アジェンダなど似た言葉があるため、違いを理解し、適切に使い分けられるようにすることが大切です。
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2.サマリーを作るポイント
サマリーの作り方にはいくつかのポイントがあります。
目的は報告の内容を要約し、短時間で概要が理解できるようにすることです。
そのため、報告書の1ページ目に添付をするのが一般的です。
2.1.1ページに内容をまとめる
報告書やレポートの先頭に添付をすることが多いため、1ページに納めるのが原則です。
そのため、枝葉末節の情報は可能な限り省きます。筆者の意見や考察などは入れません。客観的資料となるように留意します。
筆者の意見を述べる必要があるときは、サマリーとは別に意見書などを作成し、添付をします。
2.2.グラフを意識的に使う
数値データは言葉で説明するより、グラフで見せた方が多くの情報を伝えられます。
そのため、数値データを言葉で説明する、表を掲載するのではなく、グラフで表現するのが一般的です。
グラフも可能な限り、省略、抽象化を行い、詳細データよりも、概要や傾向がわかるものにします。
2.3.箇条書きを基本にする
サマリーの目的は、「短時間で概要が理解できる」ということなので、通常の文章よりも箇条書きの方が適しています。
ただし、箇条書きを羅列する形式では理解がしづらくなるため、並べる順序、箇条書きのグループ分けなどに気を配ります。
2.4.過去のフォーマットを参考にする
サマリーの最大の目的は、読む人の理解に必要な時間を最小化することです。
そのため、企業などで伝統となっているサマリーの型式があるのであれば、それが仮に合理的な型式でなくても、読む人はその形式に慣れているため、理解のための時間を最小化することができます。
従って、「自分はこの方が優れていると考える」と言って、自分がいいと思う形式を押し付けるのではなく、過去のサマリー例を参考にしてまとめることが重要です。
改善をしたい時は、過去の形式を基本にし、部分的な改善にとどめます。
【関連記事】「【クロス集計とは】クロス集計の方法と具体例、メリット・デメリットを解説」
3.サマリーと似た言葉との使い分け
サマリーには似た言葉がいくつもあるため、他の言葉と混同せずに使うことが大切です。
3.1.レジュメ
レジュメも「要約」の意味を持った言葉ですが、使う目的がサマリーとは大きく違っています。
例えば、会議のレジュメは、これから行われる会議でどのような内容が議論されるかをまとめたもので、会議が始まる前に、参加者に配布をします。
会議での論点整理をしたもので、会議の参加者が建設的な議論ができるようにすることが目的です。
一方で、会議のサマリーは、会議が終わった後に、どのような議論がされたかをまとめたものです。会議後に参加者と関係者に配布をします。
会議の議事録をすべて読むのは時間がかかるので、議事録を要約して短時間で理解できるようにしたものが会議サマリーです。
【関連記事】「【レジュメとは】場面ごとに異なる使われ方、アジェンダなどとの違いを解説」
3.2.アジェンダ
アジェンダは、「議題」「式次第」「行動指針」などの意味で、会議のアジェンダは、レジュメと同じように会議が始まる前に参加者に配布をします。
しかし、内容については詳しく触れずに、開始時間や予定されている議題、終了時間などを記載します。
また、会議で決定された内容の効力などについて触れることもあります。
その会議が、どのような進行で進み、どのような効力を持つのかという外形的な概要を示したものです。
重要な会議では、開始前に参加者にアジェンダとレジュメを配布し、終了後に議事録を作成し、サマリーつきの報告書を参加者と関係者に配布することになります。
【関連記事】「【アジェンダとは】レジュメとの違い、仕事での使い方や作成するポイント」
3.3.アブストラクト
アブストラクトも要約の意味ですが、使われるのは学術論文の領域です。
論文の冒頭に全体を要約した短い文章=「要旨」をつけるのが一般的です。学術分野以外ではあまり使われない表現です。
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4.自動要約ツールを活用する
長い文章を数行の箇条書きにまとめてくれる自動要約ツールが存在し、多くの場合、無料で利用することができます。
自動要約ツールの原理は、使われている単語、単語の組み合わせなどから、文ごとの類似度を割り出し、多くの文と類似する文を重要だと考えて抽出するというものが主になっています。
自動要約ツールが出力する結果は、サマリーを制作する時の参考にすることができます。
ここでは、主要な日本語対応の自動要約ツールで、第207回国会での岸田文雄内閣総理大臣の所信表明演説を自動要約した結果をご紹介します。
4.1.User Local自動要約ツール
【画像出典】User Local「自動要約ツール」
3行から10行のサマリーにまとめてくれるだけでなく、重要な文にマーカーをつけた表示や、重要な単語の一覧も表示してくれます。
SNSに投稿する時に、ハッシュタグを決めるのにも役立ちます。
4.2.IMAKITA Document Squeezer
何行にまとめるか、また1行の分の数をどうするかなど、細かい設定が可能な自動要約ツールです。
また、Buzzwordとしてハッシュタグの候補も表示してくれます。
【画像出典】「IMAKITA Document Squeezer」
4.3.ELYZA DIGEST
【画像出典】「ELYZA DIGEST」
AIが要約をしてくれるサービスで、自然な文章の要約をつくってくれます。サンプルテキストやフリートライアルで試す限りでは、非常に精度も高く感じられます。
サマリーをつくる時の参考にするだけでなく、大量の報告書などの要約を自動生成したい場合などに活用することができます。
5.まとめ
サマリーとは「まとめ」「要約」のことです。
レジュメ、アジェンダなど似た言葉があるため、違いを理解し、適切に使い分けられるようにすることが大切です。
また、自動で要約をつくってくれるサービスもネットに存在するので、サマリーをつくる時に活用できるだけでなく、大量の報告書のサマリーを自動生成させるなどの作業も行えるようになっています。

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