日々仕事をしている中で「アジェンダ」という言葉を聞く機会が増えたと感じる方は少なくないのではないでしょうか。しかし、何となくわかっている気がするものの、いざ何かと聞かれると、「実はちゃんと意味を答えられない」という方も少なくないと思います。
今回は、アジェンダの意味や、混同されやすい「レジュメ」との違い、アジェンダ作成のポイントなどをできるだけわかりやすく簡単に解説していきます。
(※もしかしたら仕事頑張りすぎ!? ... そんな方におすすめ『仕事どうする!? 診断』)
【関連記事】「【ビジネス用語一覧】よく使う用語集100選|意味を例文付きで紹介」
1.アジェンダの意味
アジェンダとは、実施計画、議事日程、行動計画、予定表、協議事項などを指しますが、会議の場では予定表という意味で使われ、アジェンダに記載された内容に沿って会議やミーティングが実施されます。
ビジネスシーンでここ数年急速に広まった印象で、会議やミーティング前に「アジェンダを用意してください」「アジェンダを配布します」といった文脈で用いられることが多いです。
【関連記事】「【WEB会議の質が問題】マイクやカメラより重要な「ファシリテーション」」
キャリアアップを考えている方は、無料で相談できる転職エージェント「マイナビエージェント」がおすすめです。
2.ビジネスにおいてアジェンダはなぜ重要なのか
アジェンダとは、会議やミーティングにおける「5W1H」を明示する役割を担います。「5W1H」とは以下のような内容です。
- いつおこなわれるのか(When)
- どこでおこなわれるのか(Where)
- 誰が参加するのか(Who)
- 何を行うのか(What)
- 何のためにおこなわれるのか(Why)
- どのような方針で実施されるのか(How)
アジェンダは、参加者や参加者以外で把握が必要な人に対して、会議やミーティングの実施予定内容を簡潔に共有できます。またアジェンダを作成することにより主催者の意図を提示でき、参加者も目的意識を持って会議やミーティングに臨めるため、有意義な時間を創造することができます。
【関連記事】「あるある急増中! WEB会議や商談の失敗談と対策」
3.アジェンダを活用するメリット
「5W1H」の役割を担うアジェンダですが、アジェンダを活用することによるメリットは他にもあります。
以下の2つが、アジェンダを作成する代表的なメリットです。
3.1.会議の目的が明確化される
会議をすることで、組織としての方針が決まりますが、目的が明確化していないと、頻繁に会議を行うことになり、拘束時間が増えて他の業務が圧迫されるということがあります。
アジェンダは会議において話し合われる議題であり、会議を進めるにあたって指針となるものです。
会議が始まる前にアジェンダを示しておくことにより、会議の方向性が逸れることを防ぎ、会議のゴールへ向けて、集中的な話し合いを行うことができます。
3.2.会議の時間を予定通り進められる
アジェンダは会議の議題を示すだけのものでなく、議事日程や計画表としての側面もあります。
具体的な時間が記載され、どの議題の話し合いにどれだけの時間を割くのかといった、大まかな予定も記載されることが通常です。
そのため、アジェンダに沿って会議を進めていけば、時間通りに会議を進めることができ、会議が長引くことを防げます。
4.アジェンダとレジュメの違いは?
アジェンダと混同されやすいのが「レジュメ」という言葉です。
アジェンダはあくまでも概要を列挙したものに過ぎませんが、レジュメは実施内容の重要箇所をまとめ、会議やミーティングで発言する際に使用する資料となります。発表内容の要約でもあり、一種の「カンペ」的な役割も担います。
5.アジェンダの使い方
アジェンダという言葉はここ数年ビジネスシーンで多く使用されています。その具体的な使い方は以下の通りです。
- 上司より「来週の会議のアジェンダを明後日までに共有して」と依頼される
- 会議の参加者に「来週の会議のアジェンダを送付いたします」とメールで共有する
- 会議やミーティング開始時に、「本日は先日配布したアジェンダの内容で進行いたします」と伝える
実際の会議などで使われるアジェンダは、いわば「進行プログラム」のようなものです。アジェンダがあることで出席者には会議の意図を明確に伝えることができますし、発言の時間が与えられているような場合には、あらかじめ準備を整えておくこともできるようになるでしょう。
6.アジェンダの基本項目
アジェンダに絶対的な型はありませんが、会議名、日時、場所、目的、議題と所要時間、参加者、配布資料、備考欄などを記載するのが一般的です。
以下はアジェンダの作成例です。
・会議名:2021年上期中途採用実施計画
・日時:2021年4月15日(木)
・場所:東京支店第3会議室
・目的:2021年の採用計画の方向性を決定
・議題:
14時~14時10分 新規採用計画の概要説明
14時10分~14時30分 各部署の現状報告
14時30分~15時 採用プラン検討
15時~15時30分 選考プロセス検討
15時30分~15時50分 媒体選定
15時50分~16時 質疑応答
・参加者:鈴木人事部長、佐藤課長(営業企画部)、田中課長(開発部)、井上課長(海外事業部)、吉田
・配布資料:レジュメ、採用参考資料
・備考:本ミーティングに関するお問い合わせは、吉田までお願いいたします。
7.アジェンダを作るコツとポイント
アジェンダは、ただ形式上作成すればいいものではなく、誰が見てもわかりやすい内容を目指す必要があります。実際に作成する際には以下のポイントに気を配りましょう。
7.1.なぜ話し合いを行うのか「目的」を明確に
アジェンダには、なぜこの話し合いを行うのかを目的を明示しましょう。目指すべきゴール地点が曖昧だと、具体的に何を話せばいいのか、どのような状態になればこの話し合いは成功といえるのかが定まりません。
参加者全員で目的を認識し合えるだけで、会議やミーティングの成果は格段に向上します。アジェンダには目的を必ず記しましょう。
7.2.参加者へのアジェンダの事前共有の徹底
上記内容に伴い、アジェンダは参加者への事前共有を徹底しましょう。会議やミーティングに先立って配布すれば、参加者には事前準備を整える時間、精神的余裕が生まれ、万全な状態で望むことができます。参加者一人ひとりの姿勢が会議やミーティングの成功を左右することもあるため、事前共有は忘れずにおこないましょう。
7.3.議題の優先順位や時間配分を決めておく
アジェンダの作成時には、その会議やミーティングで達成すべき目的を意識し、優先順位の整理や、何の議題にどの程度の時間をかけるかを決定しておくようにしましょう。当日の状況や参加者の動向によって変動する可能性もありますが、目的を達成するために必ず話し合うべき議題を見定めておけば、「2時間も会議に費やしたのに何の成果もなかった」という事態を防ぐことができます。
7.4.最後の質疑応答の時間も考えておく
会議やミーティングは主催者が一方的に話すものではありません。参加者の意見を出し合い、認識をすり合わせ、方向性を調整するという、相互関係のうえで成立する場でもあります。
その意味でも、会議やミーティングの最後には質疑応答の時間を設けましょう。参加者の疑問や不満を解消することは、その会議やミーティングへの達成感や納得感を高め、その後のアクションのモチベーションにもなります。アジェンダにも忘れずに記載するようにしましょう。
8.まとめ
アジェンダとは、会議やミーティングの進行をスムーズにするためだけではありません。あらかじめ目的や内容を参加者に共有することで全員の足並みを揃え、より効率的で有意義な時間にする効果を持つものです。
効率的かつ生産性の高い会議やミーティングの実現のために、アジェンダの意味や使い方、作り方をしっかりとマスターしておきましょう。