【ディープフェイクとは】3つの見分け方と有効的な活用例を紹介

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近年、ディープフェイクで作られたフェイク動画は、個人を狙った詐欺から国家規模の情報操作まで幅広く使用されており、もちろん日本も例外ではありません。危険性が叫ばれる一方で、有効的な活用方法にも注目が集まっています。そこで、この記事ではディープフェイクにだまされないための方法や、有効的な活用事例について解説します。(Misa)

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1.ディープフェイクとは?

まずは、ディープフェイクとは何かについて説明します。どんな技術が使われていて、どういった問題点があるのかを確認しておきましょう。

1.1.ディープフェイクとはどんな技術?

ディープフェイク(Deep Fake)は、AIの機械学習アルゴリズムであるディープラーニング(深層学習)を用いて2つの画像や動画の一部を組み合わせ、実像とは異なる動画を作りだす技術です。

たとえば、政治家や経営者など著名人のインタビュー動画をディープフェイクの技術で加工すれば、まったく別の発言をしているかのように見せることができてしまいます。

最近は、作り方がわからない初心者でも、簡単にクオリティの高いディープフェイク動画が作れるアプリや作成ソフトが登場しており注目を集めています。

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1.2.国家規模で悪用による被害や損失が生じる可能性がある

フェイクニュースや犯罪被害の急増で、ディープフェイク=フェイク動画、もしくはそれを使って人をだます手法という認識が広がってしまいました。

海外では選挙戦で対立候補をおとしめるフェイクニュースや、企業の資金をだまし取るサイバー犯罪が報告されています。さらには、情報かく乱などの軍事利用や、リベンジポルノなどの悪用も起こりえます。

企業、個人レベルを超え、国家規模でディープフェイクの悪用による被害や損失が生じる可能性もあります。

1.2.AIをもってしても検出が難しい

ディープフェイクは、同じAIをもってしても検出が難しいとされています。世界中で動画の真贋判定を行う技術の開発が進むなか2022年4月、東京大学で開発したAIがディープフェイクの検出で世界最高性能を達成したと発表されました。

しかし、最新技術が一般に普及するにはある程度の時間がかかりますし、すでに起きているフェイクニュースや詐欺犯罪には自力で対処しなければなりません。

1.3.日本では

まだ認知度が低い

日本でも徐々に対策が進められていますが、総務省のプラットフォーム研究会が行った意識調査では、日本ではディープフェイクそのものや、偽情報を見破るためのファクトチェックなどの認知度が低く、情報の真偽を見分ける自信がないと答えた人の数が、調査対象6ヵ国の中でもっとも多くなっています。

【関連記事】「"フェイクニュース"見抜ける!? 日本は20-60代で"自信ない"が"自信ある"上回る」

2.ディープフェイクを見分ける3つの方法

ディープフェイクかそうでないかは、どのように判断したら良いのでしょうか。ここからは、ディープフェイクの見分け方を3つ紹介します。

2.1.情報源を確認する習慣をつける

ディープフェイクかそうでないかを見分けるためには、ひとつの情報源だけを信用しないことが重要です。友人や家族などの信頼のおける人からの情報でも、その人自身がだまされている可能性もあります。異なるアプローチを用いて真偽を確認する習慣をつけましょう。

【出典】ディープフェイクの検出で世界最高性能を達成~SBIsでディープフェイク動画の高精度判定を可能に~(東京大学情報理工学系研究科)

2.2.自己学習コンテンツで知識をつける

ディープフェイクを見破るためには、最低限の知識が必要です。Microsoft、ワシントン大学、USA Today、Sensityが共同開発した「Spot the Deepfake」という自己学習コンテンツでは、クイズ形式でディープフェイクを見破るポイントなどを紹介しています。

2.3.検知ツールを利用する

Microsoft、Sensity、Google、Metaなどがディープフェイク検出の技術開発に乗り出しており、すでに実用化されている検知ツールもあります。

ただし、ウイルスやマルウェアと同様、悪用する側と検出する側のイタチごっこでもありますので、検知ツールを使えば大丈夫と安心するのは早計です。検知ツールはあくまでも補助的な役割として活用し、ソースの確認や情報の精査を怠らないようにしましょう。

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3.ディープフェイクの有効的な活用例

危険性だけが注目されがちなディープフェイクですが、使い方によっては非常に便利な技術でもあります。ここでは、ディープフェイクの有効的な活用例を2つ紹介します。

3.1.医療現場における手術のシミュレーション

医療現場ではディープフェイク技術を用いることで、リアルな手術シミュレーションが可能になります。

例えば、患者のCTやMRI画像を元に、患者のディープフェイクモデルを作成し、手術中の臓器や組織の動きをリアルに再現します。こうすることで、医師は手術を行う前にリスクをより正確に評価できるため、安全性と効率性の向上が期待できます。

また、新しい手術法の開発や医療機器の研究、医学生の実習などにおいても、ディープフェイク技術を利用したシミュレーションが注目され始めています。

3.2.教育現場における偉人や遺跡の復元

教育現場でもディープフェイク技術の有効活用が可能です。

ディープフェイク技術を使えば、実際に見ることができない偉人や遺跡をリアルに再現することができます自分の顔を使用して歴史上の人物と対話したり、遺跡の中を歩いたりすることで、生徒は歴史的な出来事をより身近に感じられるでしょう。

そのほかにも、「ネイティブと英会話を楽しむ」「物理現象をシミュレーションする」といった使い方もできます。

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4.ディープフェイクの今後

良い面と悪い面を併せ持つディープフェイクですが、今後はどのような展開を見せるのでしょうか。ディープフェイクの未来について解説します。

4.1.さまざまな分野でイノベーションを起こす可能性も

先述したように、ディープフェイク技術は医療や教育現場で活用され始めています。それだけでなく、エンターテイメント、セキュリティ、広告マーケティングなど、さまざまな分野でイノベーションを起こす可能性があります。近い将来、ディープフェイク技術は私たちの生活に欠かせないものになるかもしれません。

だからこそ、ディープフェイクの悪用ばかりがクローズアップされるのは非常に残念なことです。

4.2.情報拡散に対する社会的責任を意識する必要性

悪意あるフェイク動画のほとんどは、悪意のない一般ユーザーによって拡散されます。しかし、たとえ悪意がなかったとしても、情報の拡散に肖像権やプライバシー権の侵害が認められれば、名誉毀損罪に問われる可能性もあります。

現在、日本にはディープフェイク自体を取り締まる法律はないものの、ソースの不確かな情報を安易に拡散することは大変危険な行為です。

私たちネットユーザーは、情報の真偽を意識すると同時に、情報拡散に対する社会的な責任を常に意識し、ディープフェイクの悪用を防止するよう努めなければなりません。

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原稿:Misa

ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、ビジネス系を中心に、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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