【お薬手帳とは】薬代がお得に!? アプリもあって便利--万一の時の備えにも

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病院からもらった処方箋を調剤薬局に渡す際、一緒に提示を求められる「お薬手帳」。調剤薬局に持参すると薬代が約40円安くなったり、より確実に安全な医療を受けられたり、活用するメリットが複数あります。

また、紙だけでなくアプリのお薬手帳もリリースされており、利便性も上がってきています。この記事では、お薬手帳の詳細やメリットなどを紹介します。

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1.そもそもお薬手帳ってどんなもの?

お薬手帳の名前は知っているけれど、どのようなもので何に使われているのか実はよくわかっていないという人もいるのではないでしょうか。

まず、お薬手帳とは、過去から現在までに服用した(する)薬の情報や、過去の副作用・アレルギーの履歴情報などがまとめられたものです。調剤薬局で薬を処方してもらう際や、病院を受診する際などに、薬剤師や医師に提出します。

より具体的には、次のようなことなどが記載されています。

  • 調剤日=薬を処方してもらった日
  • 処方箋を出してもらった医療機関や医師の名前
  • 薬の名前
  • 薬の用法や用量
  • 必要に応じて薬の服用に際する注意事項など
  • 薬局の名称や連絡先
  • アレルギー歴
  • 副作用歴
  • 既往歴

調剤薬局で処方薬をもらう際に持参すれば、都度情報を追加してくれます。また、ドラッグストアなどで市販薬を購入・服用したときにその薬の説明書を貼っておいたり、体調の変化や気になったこと、薬剤師や医師に相談したいことなどを記入したりしておくと、よりよいでしょう。

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これらの情報は、医師や薬剤師の情報共有や安全な医療提供のためなどに活用されます。注意すべきなのは、お薬手帳は必ず1冊にまとめておくことです。1冊にまとめることで、複数医療機関から処方された薬が総覧でき、全ての時系列も把握することができます。

2.薬代が節約できる!? お薬手帳のメリット

平成28年度の薬剤服用歴管理指導料の改定で、調剤薬局へ処方箋と一緒にお薬手帳を持参し、一定の条件を満たした場合、薬剤服用歴管理指導料の点数が低くなりました。これは簡単に言えば、お薬手帳の持参で処方薬代が節約できる可能性があるということです。

さらに令和2年度の改定でその条件が変更され、2021年12月時点では次の2つの条件を満たせば薬代がお得になります。

  1. お薬手帳を持参
  2. 原則3ヶ月以内に同じ薬局に来局

節約額は人によって異なりますが、自己負担3割の場合は概ね40円程度と考えておくとよいでしょう。

また、お薬手帳にはもちろん節約以外のメリットもあります。例えば、複数の薬の間での飲み合わせの悪い組み合わせや重複を避けることができ、副作用のリスクを減らせます。

また、万が一の時でも服用中の薬の情報が共有できるため、適切な医療を受けられる可能性が高まります。

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3.お薬手帳アプリ、ここが便利!

お薬手帳の重要さやメリットがわかっても、つい持ち歩くのを忘れてしまうということはあるでしょう。とはいえ、万が一の時に備えるためには常に持ち歩くことが大切で、忘れた時に限って非常事態が起きてしまったらお薬手帳を活用することができません。

そのような人にオススメなのがお薬手帳アプリです。

現在、各薬局や日本薬剤師会などから、スマートフォンで使えるお薬手帳アプリがリリースされています。アプリのメリットとしては次のような点が挙げられます。

  • 持ち歩きやすいため、受診時に忘れにくく、継続的な管理がしやすい
  • アプリによっては、処方箋の情報を事前に薬局に送付することで、薬局での待ち時間を減らすことができる
  • アプリによっては、服薬アラームなど健康管理に役立つサービスが利用できる

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しかし、もちろんデメリットもあります。例えば次のような点には注意しておきましょう。

  • パスワードやIDの管理が必要になる
  • アプリと調剤薬局によっては、処方薬を受け取った後、明細書にあるQRコードなどで処方薬情報を忘れずに自分で取り込む必要がある
  • 現時点ではまだ全ての薬局が対応しているわけではなく、過去の薬の情報の共有が難しい場合がある

不安な場合は、紙のお薬手帳をメインで使用しつつ、事前に処方箋を薬局に送付したり、処方薬や市販の薬を電子管理したり、紙のお薬手帳を忘れた時に代わりに使ったり、補助的にアプリを活用することも可能です。

今はお薬手帳アプリのデメリットを減らせるよう改善が進められている最中のため、今後もっと使いやすく確実に薬の継続管理と共有ができるアプリが登場する可能性もあります。アップデート情報などに注意しつつ、自分に合ったお薬手帳の活用の仕方を選びましょう。

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4.まとめ

お薬手帳は、副作用のリスクを減らせたり、万が一の時も適切な医療を受けられる可能性が上がったり、自分の健康を守るために重要な役割を果たしてくれます。さらに、調剤薬局へお薬手帳を持参することにより、条件を満たせばお薬代の節約も可能です。

紙だけではなくアプリもあり、利便性は上がってきています。今まで使っていなかった人も、うまく活用できていなかったという人も、改めて自分に合ったお薬手帳の使い方を選び、活用していきましょう。

原稿:回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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