【フェムテックとは?】女性の健康課題をテクノロジーで解決、背景と具体例

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さまざまなメディアで耳にする「フェムテック」。女性が抱える健康にまつわる課題をテクノロジーで解決する商品やサービスのことを指し、女性の活躍を後押しする概念として世界で注目されています。なぜ今フェムテックが注目されているのか?具体的にどんな商品やサービスが登場しているのかを紹介します。

1.世界で拡大するフェムテック市場、日本でもニーズが高まっている!

フェムテックとは「Female(女性)」と「Technology(テクノロジー)」を掛け合わせた造語です。女性のライフステージに起こるさまざまな症状や悩みを、テクノロジーで解決し、女性のQOL(生活の質)をあげていこうという概念のことを指しますが、そもそもこの言葉ができたのは、2012年、ドイツの月経管理アプリを開発したデンマーク人が作ったことが始まり。

世界でもフェムテック関連の企業が続々と誕生しており、2025年には世界全体で約5.3兆円に達する見込みだとか。日本では2020年フェムテック元年といわれ、フェムテック企業の数も増えるなど、拡大傾向にあります。

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なぜ今フェムテックに注目が集まっているのでしょう?その背景として、女性起業家が増え、これまでタブー視されてきた女性の生理や、妊娠、性に関する悩みや問題を「個人差」で片づけるのではなく、ビジネスとして解決しようという動きが高まったこと、また近年の#metoo運動により女性が声をあげやすくなっていることがあります。

それにITなどテクノロジーの発展も追い風になっています。女性の健康に関する悩みや問題をデータ化することで解決に結びつけることができる、新たなアプリや商品が誕生しています。

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2.女性の悩みを解決する具体的な商品とは?

具体的にフェムテック商品とはどんなものなのでしょう?例えば多くの女性が抱える生理に関する悩み。経血漏れやかぶれなどの問題を解決できるものとして、話題なのが経血カップ。ナプキン、タンポンに次ぐ第3の生理用品ともいわれる、シリコン製のカップで、繰り返し使えるという環境にも配慮したアイテムです。またナプキンが手に入りにくい災害時にも使えることで注目を集めています。

またナプキンのいらない生理用吸水ショーツ、デリケートゾーンをケアするソープなど、生理の不快感を解決するアイテムや骨盤底筋を鍛える膣トレアイテムや妊活アイテムなど、女性の悩みに寄り添う商品が続々と登場しています。

3.ますます使いやすく便利になったアプリやWEBサービス

フェムテック関連のアプリやインターネットサービスも増えています。

代表的なものとしてあげられるのは、生理の悩みを解決する月経管理アプリです。月経管理アプリはLINEで利用できるサービスなど、昨今ますます進化をしています。生理日の記録や予測はもちろん、パートナーと情報を共有できる機能を搭載してものも登場しています。

コロナ禍で病院に行きづらい状況が続く中、病院に行くまでもないのかも......と悩むような小さな不安も気軽に相談ができるオンライン診察など、IT技術の進化とともにサービスのバリエーションも広がっています。

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●月経管理アプリ

ペアケア

アプリのダウンロードは不要で、LINE公式アカウントを友だち登録するだけで利用開始できます。簡単にパートナーのLINEアカウントと情報連携できるので、自分の状況をLINEを通して共有できます。パートナー、家族や友達と一緒に使えるので、旅行などの予定が立てやすくなります。

ケアミー

会員登録なしで使える月経管理アプリ。生理日や症状を記録すれば、産婦人科医監修のアドバイスや記事が表示。LINEでパートナーに通知できるペアリング機能や不安なときに頼れる相談チャット機能もついています。

ルナルナ

フェムテックが話題になる前からサービスを提供している日本のパイオニア的存在。月経の管理から妊活用に基礎体温管理、記録をしたり、ダイエットにおすすめの時期や日々の体調など、女性が気になる情報を知ったりすることができます。

●オンライン診療

スマルナ

アプリをダウンロードして会員登録をすると、医師の診察や医療専門家を受け、ピルの処方が受けられるオンライン診療サービス。生理や避妊、ピルについて不安なことや疑問など、病院に行かなくても無料で相談ができます。ピルも最短で処方後翌日ポストに届きます。

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●ECサイト

fermata store

日本発のフェムテックに特化したオンラインストア。生理用品から下着やコスメなど、厳選された国内外のフェムテック関連の商品が揃います。

4.まとめ

ジェンダーレスな社会が進む中でも、女性特有の悩みは変わりません。これまで不快なのが当たり前、とあきらめていたことも新しい技術ですっきり解決できることフェムテック関連の商品やサービス。使うことで自分の体を見つめなおす良い機会になることでしょう。

原稿:回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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