【ネットバンクとは】ネット銀行のメリット・デメリット、利用の際の注意点

【ネットバンクとは】ネット銀行のメリット・デメリット、利用の際の注意点

ATM手数料の相次ぐ値上げなどから、メガバンクからネットバンクに乗り換えを検討している人もいるのではないでしょうか。また、昨年にはヨーロッパで人気のデジタル銀行「レボリュート」が日本でのサービスを開始するなど、ネットバンクのサービスも多様化しています。ネットバンクのメリット、デメリット、利用する時の注意点などを紹介します。

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1.そもそもネットバンクって?

そもそもネットバンクとはどのような銀行のことなのでしょうか。

一般に、入金や送金などの各種サービスを主にインターネットを通じて利用できる銀行のことをネットバンクと呼びます。メガバンクなど実店舗を持つ銀行が提供するインターネットバンキングサービスを含むこともありますが、この記事では特に実店舗を持たないネットバンキング専業の銀行について詳しく紹介します。

専業のネットバンクには、「楽天銀行」、「ソニー銀行」、「PayPay銀行」、「auじぶん銀行」、「住信SBIネット銀行」、「イオン銀行」などがあります。ネット専業と聞くと身構えてしまう人もいることでしょう。しかし、ATMが使えたり、ペイオフの対象だったり、他の銀行と共通する点も多くあります。

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2.ネットバンクはここがオススメ!メリット3選

ネットバンクならではのメリットとして、大きく次の3つが挙げられます。

メリット(1)--スマートフォンやパソコンの操作で完結するから楽

営業時間内に銀行の実店舗に行くのは大変と感じている人は多いのではないでしょうか。

実店舗のないネットバンクは、インターネットを通じてほぼ全ての操作が完結します。例えば口座を開設する際も、スマートフォンやパソコンなどの端末とインターネット環境があれば、家で申込ができます。スマートフォン向けのアプリを用意しているネットバンクも多く、スマートフォンだけで残金確認や入金・送金、各種設定が完了できるのは、大きな魅力と言えるでしょう。

また、証券口座と連携すれば、オンライントレードがよりやりやすくなります。冒頭に挙げたレボリュートはイギリス発のネットバンク兼海外送金サービスですが、複数の通貨を一元管理し、複数の国を跨いで様々なサービスを利用できるのは、ネットバンクが得意とするところと言えます。

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メリット(2)--振込手数料やATM手数料が安くて安心

ネットバンクと、実店舗を持つ銀行の窓口やATMでは、ネットバンクの方が手数料が安い傾向にあります。例えば他行宛の振込の場合、振込金額に応じて、銀行窓口では600?900円程度、ATMでは300?600円程度の手数料がかかります。

これに対して、ネットバンクでは100~300円程度と格安です(手数料は全て2021年10月時点)。また、条件を満たすと手数料が一定回数無料になるなどの特典が充実している銀行も多く、手数料を大幅に節約することも可能です。

ATM手数料に関しても、メガバンクなどと比較して安く設定されているネットバンクが多く、急に現金が必要になったときなどにも安心です。

メリット(3)--預金金利が高めでお得

メガバンクの円定期預金の預金金利が0.002%程度(2021年10月時点)であるのに対して、ネットバンクの円定期預金では金利がより高く設定されていることが多いです。例えば楽天銀行では、通常の円定期預金金利が0.02%とメガバンクの10倍です。

さらに、同一人物名義の他行口座からの振込金額に対しては1ヶ月定期預金金利が0.1%、楽天の別サービスと連携することで優遇金利適用など、さらに高い金利で預金することもできます(楽天銀行の金利は全て2021年10月3日時点)。ネットバンクは貯金用の口座としても最適と言えるでしょう。

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3.ネットバンクのデメリットと注意点とは?

メリットの多いネットバンクですが、デメリットもあります。重大なリスクを避けるための注意点と併せて見ていきましょう。

デメリット(1)--ID・パスワード管理などセキュリティに注意する必要がある

ネットバンクの最も注意すべき点として、セキュリティの問題があります。

多くのネットバンクでは、ネットバンキングシステムへのログインや送金などのために1つ以上のID・パスワードが設定されています。忘れてしまうと、再発行のために煩雑な手続きが必要となり、場合によっては再発行までの期間にネットバンクを利用できなくなることもあります。とはいえ、忘れないようにしようとして、誕生日などを使った推測しやすいパスワードにしたり、メモ書きを残しておいたりすると、不正利用に繋がりかねません。

また、スマートフォンで操作できるからと、人の多いところで利用すると、IDとパスワードを盗み見られてしまう危険性もあります。ネットバンクに限らないことではありますが、多額の損害が出る可能性のあるサービスのため、ID・パスワード管理は徹底するようにしましょう。

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デメリット(2)--ネットワーク障害やメンテナンスの際は使えない

インターネットサービスである以上、ネットワーク障害が発生し、一時的にサービスが利用できなくなってしまう可能性は捨てきれません。不安な人は、突発的に利用できなくなった時に備えて、他の銀行と併用するなどのリスクヘッジをしておくとよいでしょう。

また、メンテナンス時もサービスが利用できなくなります。事前に銀行からのアナウンスがあるため、通知をこまめに確認し、使おうと思ったらメンテナンス中だったということのないよう計画的に利用しましょう。

デメリット(3)--引落口座に設定できない場合がある 

水道代やガス代などの口座振替設定をしている人は多いのではないでしょうか。サービスによっては、ネットバンクの一部または全てに対応しておらず、引落口座として設定できない場合があります。ネットバンクを引落口座として設定したい人は、現在口座振替を利用しているサービスやこれから利用したいサービスが対応している銀行を事前に確認しておくと安心です。

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4.まとめ

実店舗に営業時間内に行く必要がなく、スマートフォンやパソコンで操作が完結できたり、金利面で有利だったり、メリットの多いネットバンクはうまく活用したいところです。とりわけセキュリティ面など注意すべき点を把握した上で、賢く利用していきましょう。

原稿:回遊舎(かいゆうしゃ)
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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