スマホ投資やポイント投資など、投資や金融商品が身近になっている昨今、悪徳商法や投資詐欺の被害もあとを絶ちません。自分の資産を守るために、お金にかかわる、金融や経済に関する知識や判断力「金融リテラシー」を身に付けおくことが大切です。
1.社会人が身につけておきたい金融リテラシーとは?
金融リテラシーとは「お金の知識や判断力」のこと。生きていくうえで必要な日々の家計管理・資産形成・金利やローンの知識など、人生を通じてお金とうまく付き合うための知識やスキルです。金融庁では「生活スキルとして最低限身につけるべき金融リテラシー」を公表しており、4つの分野を挙げています。
(1)家計管理:適切な収支管理。赤字を解消し黒字確保の習慣化
(2)生活設計:ライフプランの明確化及びライフプランを踏まえた資金の確保の必要性の理解
(3)金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択:金融取引の基本知識、ローン・クレジットのデメリットの理解、資産形成商品の効果とリスクについての理解など
(4)外部の知見の適切な活用:金融商品を利用する際、外部のアドバイスを元に自分で理解、判断できる
さらに以上の内容を具体化し、年齢層別に対応づけをした、「金融リテラシー・マップ」も公表しています。こちらは年代ごとにそれぞれの4つの分野に対し、どのような対応をとるべきなのか具体的に記載されています。
参考URLはこちら。
2.キャッシュレス化が進む中、知っておきたいローン・クレジットの基礎知識
「生活スキルとして最低限身につけるべき金融リテラシー」で挙げた4つの分野のうち、(1)の家計管理や、(2)の生活設計については、自分の働いて稼いだ給与で生活をしている人ならごく基本的な知識といえます。
(3)の金融知識及び金融経済事情の理解と適切な金融商品の利用選択と、(4)外部の知見の適切な活用については、金融関係の仕事に就いている人以外は、意外と身についていないという人も多いのではないでしょうか。
最も身近な金融知識として、知っておきたい知識は、ローン、クレジットです。キャッシュレス化が進み、日常的に利用する機会もグンと増えているからこそ、計画的に使用することが求められます。
また注意すべきはその支払方法です。クレジットカードでの支払い方法にはいくつか種類があり、利用者が選ぶことができます。でもその方法によっては、金利手数料が発生し、商品の代金以上の金額を払うことになる場合もあります。
【クレジットカード支払い方法】
■利息がかからない支払い方法
- 一括払い:商品の代金の全額を一回で支払う方法。購入した翌月の支払い設定日に引き落とされるのが一般的。
- 2回払い:2回に分けて代金を支払う方法。購入月の翌月と翌々月に分けて引き落とされる。カード会社によっては対応していなこともある。
- ボーナス一括払い:直近のボーナス時に一括して支払う。
■利息がかかる支払い方法
- リボ払い:クレジットカードの利用金額や利用件数に関わらず、あらかじめ設定した一定の金額を月々支払う方式。支払い残高の大きさに関係なく毎月一定額を支払う「定額方式」と支払い残高の大きさに応じて、毎月の支払額が段階的に増減する「残高スライド方式」がある。
- 分割払い:代金を複数回に分けて支払う方法。カード会社が設定した支払い回数から利用者が回数を選んで、毎月支払いをします。一般的に支払い回数が多いほど利息の総額は高くなります。
リボ払いや分割払いは、手元のお金が足りない場合でも、月々負担の少ない金額を支払うことで欲しい物やサービスを手にすることができる、一見便利なシステムとも思いますが、どちらも利息がかかることを忘れてはいけません。
特に支払い回数が決まっていないリボ払いの場合、高額な商品を購入すると支払い期間も長くなり、その分金利負担も大きくなります。またカード契約時に、ポイントがつくからと、よく理解しないまま支払い方法がリボ払いに設定されてしまっていることも。カードを契約する際は、契約内容やカード規約をきちんと確認することが必要です。
3.外部の知見は活用したいけれど無料のセミナーは選別を!
昨今の投資ブームから、マネーセミナーや不動産投資セミナーなど頻繁に行われています。金融知識に自信がないのであれば、プロの意見はぜひ聞いてみたいものですが、「無料」や「お土産つき」などという言葉に惹かれ、内容を確認せずに参加するのは注意が必要です。
一見お得にみえても、セミナー後に金融商品や不動産などを販売することが目的だったり、個人情報の提供だけが目的だったり、という場合もあります。セミナーに参加する時は、主催者や主催テーマなどを事前に確認しておきましょう。
4.まとめ
若い層にも投資ブームが広がり、同時に詐欺も増えています。お金においしい話などないことを肝に銘じ、不確定な情報には振り回されないことが大切です。頑張って働いて築いた資産、自分の手でしっかりと守りましょう。