【KPIマネジメントとは】普及した背景とメリット・デメリット、失敗例も紹介

【KPIマネジメントとは】普及した背景とメリット・デメリット、失敗例も紹介

KPIマネジメントはもう古いという声も聞かれるようになりました。しかし、最新の手法がすべての組織にマッチするとはかぎりません。自社にとってのベストマッチを選択するためにKPIマネジメントのメリット、デメリットを理解しましょう。(Misa)

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1.KPIマネジメントとは

KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)は、目標を達成するための中間的な指標をさします。KPIは、目標達成の進捗状況を計るための定量的な指標であり、数値で指標化されることが前提です。

KPIと一緒に使用されるのがKGI(Key Goal Indicator、重要目標達成指標)です。ある期間の最終目標を指標化したもので、「いつまでに」「何を」「どれだけ」が数値で設定されます。

「KPIマネジメント」は、プロジェクト単位の目標(KGI)を達成に至る通過点としてKPIを設定し、達成状況を評価する目標管理のフレームワークです。KPIによってプロジェクトの進捗状況を定量的に把握できます。

つまり、さまざまな角度からその業務の状況や状態を測定しているので、何かの改善を試みると、その影響が数値でわかります。日本では成果主義の人事制度とともに普及しました。

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2.KPIマネジメントのメリット、デメリット、失敗例

KPIマネジメントのメリットは、数値目標という明確な指標を共有することで、組織内で共通の意識を持てる点です。その結果、「いつまでに」「どのように」「何をすべきか」という判断がしやすくなり、メンバー個々の具体的な行動への落としこみが容易になります。

また、個人のKPIを設定することで、個人のパフォーマンスを客観的に判断でき、人材育成に役立てたり、人事評価の公平性を担保できるようになったり、組織の目標と個人の目標をつなげる意味でも一定の納得感を得られるようになります。

ただし、組織全体でKPIマネジメントの目的を理解していないと、数値目標であるKPIだけが追求され、プロセスが軽視されてしまう可能性があります。その結果、顧客満足度やモチベーション低下につながり、業績や組織にネガティブな影響をもたらします。

KPIマネジメントの失敗とは、KGIを達成できないことです。これには、KPIの設定に問題があるケースが多いです。たとえば、事業戦略や競合の状況が変わってもKPIを見直さなかったり、制御不能な要素を無視していたりなど、KPIが現実的な目標にはなりえない場合です。

前述のように、プロセスを無視したネガティブな行動が起きてしまうのも失敗といえます。こちらはKPIマネジメントへの理解不足と評価方法が原因となる場合が考えられます。

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3.KPIマネジメントはもう古い!?

ビジネスにトレンドがあるように、マネジメント手法やフレームワークにも変遷があり、KPIマネジメントはもう古いという意見も聞かれます。しかし、最新のものが常に自社に最適であるとはかぎりません。KPIは数値による指標化や、現在の状況を数値化して共有するといった根底の部分では、その重要性を理解しておく必要があります。

トレンドを追うだけではなく、組織や目標にあった手法を選択するべきです。マネジメント手法やフレームワークの特徴をよく理解し、必要に応じてカスタマイズしながらでも、自社の状況にあった方法を模索しましょう。

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原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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