新型コロナウイルスの感染拡大で、いわゆるミレニアル世代、Z世代と呼ばれる若年層の意識も大きく変化しています。今回は、デロイト トーマツ グループが世界各国のミレニアル・Z世代約22,900名を対象に実施した調査をもとに、日本のミレニアル世代・Z世代の若年層の社会観・就業観についてみていきます。
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調査は、世界45カ国約22,928名のミレニアル世代(本調査では1983年~1994年生まれ)とZ世代(同1995年~2003年生まれ)を対象に、Webアンケート方式で2021年1月から2021年2月にかけて実施されました(うち、国内回答者は801名)。
1.日本のミレニアル世代・Z世代の5割超が「自国の経済は悪化する」
まず、今後12か月の自国経済については、グローバルではネガティブな予測となり、日本のミレニアル世代・Z世代においても、5割超が「自国の経済は悪化する」と予測しています。
「日本経済への悲観的な見通しが、両世代の就業行動や消費行動にも影響していることが見込まれる」(デロイト トーマツ グループ)。
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(【出典】デロイト トーマツ グループプレスリリース)
2.ワクチン接種開始などで転職意向が微増
また、現在の雇用主から「2年以内に離職したい」と考えているミレニアル・Z世代は、世界各国でCOVID-19拡大前の2019年から2020年にかけて急降下しましたが、今回の調査では微増しています。
(【出典】デロイト トーマツ グループプレスリリース)
デロイト トーマツ グループによると、離職の意向は調査時の経済環境に影響される傾向にあるといい、「一部地域でワクチン接種が始まるなど、経済回復の道筋が示されたことで、転職への意識が出てきた可能性がある」としています。
調査では、「ストレスを感じる頻度」が多く、また、「雇用主の身体・メンタルヘルス面でのサポートに対する評価」を悪く回答する人は、2年以内に離職する意向が高くなる傾向が認められました。
(【出典】デロイト トーマツ グループプレスリリース)
また、日本では、グローバルと比較すると、雇用主とストレスについてオープンに話したことがないとの回答が多く、ストレスを隠す文化が根強いことがうかがえるとしています。
(【出典】デロイト トーマツ グループプレスリリース)
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3.日本のミレニアル世代・Z世代におけるデジタル化への意識は低い傾向
さらに、未来を見据えた時に、組織で成功する人材のスキル・行動について質問したところ、グローバル・日本のミレニアル世代・Z世代ともに「柔軟性・適応力」が1位となりました。
「不確実性が高まる中、リスクを分散・低減し変化に対応しながら物事を進める志向が強くなっていることがうかがえる」(デロイト トーマツ グループ)。
(【出典】デロイト トーマツ グループプレスリリース)
一方、2位以下では、グローバルと日本の回答は異なっており、特にグローバルでは両世代とも3位に「テクノロジーへの精通」と回答しているのに対し、日本の同回答は低くなっています。
「昨年は、コロナ禍で日本のデジタル化の遅れが浮き彫りになったが、ミレニアル世代・Z世代におけるデジタル化への意識は昨年同様に高くないことが認められた」(デロイト トーマツ グループ)。
デロイト トーマツ グループでは、「企業は自社のDXを進める過程において、従業員のデジタルスキルの育成だけでなく、そのための意識改革から進めていく必要が示された」としています。
(【記事出典】デロイト トーマツ グループプレスリリース「デロイト トーマツ、日本と海外のミレニアル・Z世代の意識調査の結果を発表」)