仕事をしていて、仕事内容と同等、場合によってはそれ以上に気になるのが、職場の人間関係です。では、職場の人間関係の実態はどうなっているのでしょうか。日本労働調査組合が、全国の20~49歳の会社員の男女520名を対象に実施したアンケート調査の結果をご紹介します。
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同調査は、全国の20~49歳の会社員の男女520名を対象に、2021年6月1日~6日8日、インターネットで実施されました。
1.職場の人間関係、「良好」「特に気にしていない」の合計は70.8%
職場の人間関係について教えてくださいという質問に、「良好」と回答した人は32.1%、「特に気にしていない」が38.7%、「職場の人間関係に疲れて悩んでいる」が16.5%、「職場の人間関係にストレスを感じている」が12.7%の結果となりました。
(【出典】日本労働調査組合プレスリリース)
「良好」「特に気にしていない」の合計は70.8%、「疲れている」「悩んでいる」「ストレスを感じている」の合計は29.2%で、約7割は人間関係に問題を感じていなく、約3割は人間関係に問題を感じていることがわかりました。
「退職動機の上位である「職場の人間関係」ですが、「特に気にしてない」が約4割で一番多かったのは意外で、コロナ禍の働き方改革により、テレワークの推進、飲みニュケーションが行えないなど、職場コミュニケーションが少なくなっていることが影響している様子が伺い知れます」(日本労働調査組合)。
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2.年代が上がるに連れて「ストレスを感じている」人の割合が上昇
上記回答の年代別の比率を見ると、「良好」と回答した人の年代別の比率は、「20代」が38.6%、「30代」が29.8%、「40代」が27.7%、「特に気にしていない」と回答した人の年代別の比率は、「20代」が37.5%、「30代」が38.6%、「40代」が39.9%、でした。
一方、「職場の人間関係に疲れて悩んでいる」と回答した人の年代別の比率は、「20代」が16.5%、「30代」が18.1%、「40代」が15.0%、「職場の人間関係にストレスを感じている」と回答した人の年代別の比率は、「20代」が7.4%、「30代」が13.5%、「40代」が17.3%でした。
(【出典】日本労働調査組合プレスリリース)
20代が「良好」の回答率が最も高く、年代が上がるに連れて「良好」の回答率が低くなる結果となりました。これに対し、「ストレスを感じている」は、20代の回答率が最も低く、年代が上がるに連れて回答率が高くなっています。
日本労働調査組合では、「20代は様々な接点を会社も用意し、多くの人と接する機会がありますが、30~40代になってくると、業務内容が固定化されて、グループのすみ分けも顕著になってくることで、人間関係の合う合わないや課題感がはっきりしてくる様子が伺えます」と分析しています。
3.職場の人間関係を理由に退職・転職を考えたことがある人は58.5%
また、職場の人間関係を理由に退職・転職を考えたことがありますか?という質問には、「はい」が58.5%、「いいえ」が41.5%という結果となりました。
(【出典】日本労働調査組合プレスリリース)
年代別の比率を見ると、「はい」と回答した人の年代別の比率は、「20代」が54.0%、「30代」が62.0%、「40代」が59.5%、「いいえ」と回答した人の年代別の比率は、「20代」が46.0%、「30代」が38.0%、「40代」が40.5%でした。人間関係を「良好」と感じている人が少ない40代よりも、退職転職検討者では30代が最も多い結果となりました。
(【出典】日本労働調査組合プレスリリース)
日本労働調査組合では、「40代に比べると30代は転職がしやすいこと、30代に比べると転職が難しくなる40代では、人間関係を我慢する傾向が数値に表れているのかもしれません」としています。
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4.「休みの連絡を入れたら冷たい対応をされて「お大事に」の一言すら無かった」
以下では、職場の人間関係で印象に残ったエピソードに関する回答の抜粋をご紹介します。
【人間関係:良好】
- 女子で団結して上司に言い寄った
- 仕事を手伝ったら後日お菓子をくれた
- 退職時に拍手で見送られた
【人間関係:不良】
- 体調が悪く上司にお休みの連絡を入れたら冷たい対応をされて「お大事に」の一言すら無かった
- 退職を上司に相談したら同じチームの先輩が自分に一番に相談して欲しかったらしく激怒
- 異動初日で初対面の先輩に挨拶に行ったら「AV女優やってるよね?」と聞かれた
【人間関係:中立】
- 多忙すぎて関心を持つ暇さえない
- 今はパワハラを気にして上司がキチンと怒れないから仕事の出来ない方が得をしている
- 気が合わない人がいてもどちらかが異動すれば接する機会がなくなるので我慢する
5.まとめ
今回の調査では、人間関係を気にしていないと回答した人が最も多く、「テレワークの推進、業務効率の改善は今後も続いていくと考えられ、職場のコミュニケーションは、より必要最低限になっていくことが想定されます」(日本労働調査組合)。
これを踏まえ、日本労働調査組合では、「一部抜粋のエピソードにも見られたように、ちょっとした感謝、気遣いをすることが重要と感じさせる結果で、コミュニケーションの基本である「挨拶」と「感謝」の声掛けを、組織の上長や管理者側が率先して行う雰囲気作り、相手への「思いやり」は当然ながら、当たり前の「常識」を弁えた、節度をもったコミュニケーションの注意喚起を定期的に促すことが大切ではないでしょうか」と提案しています。
(【記事出典】日本労働調査組合プレスリリース「職場の人間関係が「良好」と感じているのは約3割「職場の人間関係に関するアンケート」結果発表」)