【クレペリン検査とは?】検査のやり方や落ちる人の特徴を紹介

【クレペリン検査とは?】検査のやり方や落ちる人の特徴を紹介

企業では人材採用時にあらゆる手法を取り入れていますが、その一つに「クレペリン検査」と呼ばれるものがあります。

このクレペリン検査とは、一体どのような検査なのでしょうか。ここでは、その概要から具体的な検査内容、注意点などについて解説していきます。現在応募中の企業で実施予定の方はもちろん、そうでない方も、いざ受検する際にスムーズに取り組めるよう理解を深めておきましょう。

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1.クレペリン検査とは

クレペリン検査(正式名称「内田クレペリン検査」)とは、作業検査法というジャンルに属する心理検査で、日本で開発された検査手法の中で最も長く利用されているものです。

「能力面の特徴」と「性格・行動面の特徴」から働きぶりを測るクレペリン検査は、分野を問わず幅広い環境で活用されており、SPIなどと同様に企業の人材採用プロセスで実施される機会も多くなっています。

クレペリン検査の実施形式は、インターネットが普及した現代においてもWEBには対応しておらず、筆記形式のみです。その理由は、紙と鉛筆を使用した検査環境で受検者に作業負荷をかけることに意味があると考えられていることにあります。検査時間は前後半15分ずつで、間に5分の休憩をはさみます。

1.1.足し算を繰り返す心理テスト

クレペリン検査の検査方法は実にシンプルで、問題兼回答用紙に記載された一桁の数字を順番に足し算していくというものです。この重すぎず軽すぎずない単純作業で脳に負荷をかけ、その際に受検者に起きる反応パターンにより、その人物の特徴を測ります。

用紙には1行に116個の数字が並んでおり、隣り合う数字の合計をそれぞれの数字の間に書き込んでいきます。合計が2桁になる場合は、下一桁の数字を記入します。検査では用紙の左上から回答をはじめますが、1分が経過するとアナウンスが流れ次の行に進むよう促されます。たとえ全てを回答できていなくても、次の行に進まなければなりません。

1.2.国境を越えてで年間70万人程が受検している

クレペリン検査は、全世界で年間70万人が受検する、信頼と実績を兼ね備えた心理検査です。選ばれる理由は、「一桁の数字の足し算」という作業のみで完結する単純明快さにあります。言語や文化に影響を受けにくい受検方式が大きな強みとなっており、国境を越え多くの人々に支持されているのです。

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2.クレペリン検査では何を見ているの?

では、一桁の数字を足し算していく単純作業の中で、私たちのどのような部分を見られているのでしょうか?

2.1.作業量

まず、1行1分間の制限時間での回答数が得られます。1行に116個の数字が並んでいる=115個の回答が必要となります。もちろんすべてに回答するのは非常に困難ですが、回答しきれない問題があっても気に病まず、受検する人の平均値とされる半数程度の回答を目指しましょう。

2.2.正確性

どれだけミスなく回答できているかという点もポイントとなります。いくら作業量が人より多くても、正確性に欠けていては意味がありません。作業量と正確性のバランスが大切なのです。問題兼回答用紙には大量の数字が記載されているため、長時間直視していると目の疲労からケアレスミスが起こる可能性もあります。あわてることなく丁寧に、記入箇所の誤りなどにも注意しながら回答しましょう。

2.3.作業曲線

作業曲線とは、1行1分間での作業量の変化を折れ線グラフで現したもので、各行の最終回答の箇所をつなぎ合わせて作成されるものです。この作業曲線は、受検者の性格や行動特性の判断材料となります。また、この性格・行動特性では更に3つの要素から判断しています。

2.3.1.発動性

発動性とは、物事の取りかかりや滑り出しの良し悪しを示します。発動性が高い場合は、軽やかに新しいことにチャレンジすることに前向きで環境や物への適応能力に長ける一方、先走って軽はずみな言動をとったり気疲れしやすかったりする一面もあります。

一方、発動性が低い場合は、自分の中に芯がしっかりとあり自主的で手堅い反面、我の強さや選り好みをする内向的なネガティブさを示します。

2.3.2.可変性

可変性とは、物事を進める際に起こる気分や行動の変化の振れ幅を示します。可変性が高い場合は、柔軟性があり機転の利く判断が行える一方、気が強く負けず嫌いな一面もあることから、動揺しやすく気分にむらがある、感情的になったりする、といった不安定さを持ち合わせていると考えられます。

反対に可変性が低くなると、地道に粘り強くコツコツと行動し安定感がありますが、一方では融通や機転がきかず、それが「くどさ」を感じさせる要素にもなります。

2.3.3.亢進性

亢進性とは、物事を進める強さと勢いの振れ幅を示します。亢進性が高い場合は、行動力があり強気で頑張りがきくと判断されます。そんなポジティブさがある一方、時にむきになり強引さが際立つこともあり、無理をしがちです。

亢進性が低いと、穏やかで温和な面が表面化し行動も控えめになりますが、その分受動的で妥協しやすく、持久性に乏しくなります。

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3.クレペリン検査の結果で分かること

クレペリン検査では、大きく分けて「能力面の特徴」と「性格・行動面の特徴」の2つが分かります。

3.1.能力面の特徴

能力面の特徴は検査全体の作業量から判断され、与えられた作業をテンポ良くこなせるか、複雑なことを効率良くこなせるかが分かります。知能と深い関係性を持っています。

3.2.性格・行動面の特徴

性格・行動面の特徴は正確性と作業曲線から判断され、作業や仕事の際に発揮される持ち味や癖が分かります。その人本来の性格やパーソナリティを形成する要素ともなります。

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4.クレペリン検査を受ける際に注意すること

クレベリン検査でできる限り良い結果を出すためには、どのような対策をするべきなのでしょうか。クレペリン検査を実施する日本・精神技術研究所では、小手先の攻略法ではなく以下の2点をその対策として推奨しています。

4.1.コンディションを整える

受検に備え、体のコンディションを整えましょう。クレペリン検査でのタブーは、疲労や睡眠不足です。前日はたっぷり睡眠時間を確保して心身の疲れを取り、当日の試験で高い集中力を発揮できるように備えましょう。

4.2.計算の速さ=合格ではない

クレペリン検査では、計算が早ければ良い結果が出るという訳ではありません。作業量の多さのみに影響されるのではなく、正確さなどの要素も加味された上で出されるものです。回答欄をいかに埋めるかということだけに注力する必要はありません。

5.クレペリン検査のテスト現場でのポイント

ここからは、クレペリン検査を実際に受検する場において注意すべきポイントを紹介していきます。

5.1.消しゴムは使用不可

クレペリン検査では消しゴムの使用が禁止されており、試験会場への持ち込み自体が認められていません。そのため、万が一誤った数字を記入してしまった場合は、×印や斜線で訂正するようにします。

5.2.気負いすぎない

クレペリン検査自体には合否の概念がなく、企業が自社に望ましい素質を持った人材を見極めるための一つの材料に過ぎません。選考では、クレペリン検査の結果だけでなく、人柄や行動などあらゆる要素を考慮しています。あまり気負い過ぎず落ち着いて検査を受けましょう。

5.3.多少のミスは気にしない

テスト中にミスに気付くことがあるかもしれませんが、多少のミスは気にせず進めていきましょう。クレペリン検査は正答率だけでなく、回答数も重視されるテストです。ミスに気を取られたり修正しようとしたりすると、結果的に回答数が減ったり、集中力が削がれて正確性が低下する可能性があります。

5.4.書くものは複数用意しておく

鉛筆を落として芯が折れたり、うっかりシャープペンシルの替え芯を忘れてしまったりというトラブルも想定されます。筆記具は複数用意しておき、万が一に備えましょう

6.クレペリン検査で落ちる人の特徴

クレペリン検査は、それだけで合否が決まるものではありません。

しかし、あまり油断して試験を受けてしまうと、不合格になってしまう場合もあります。

クレペリン検査で落ちやすい人の特徴をチェックしておきましょう。

6.1.計算が不得意

クレペリン検査には明確なクリアラインは設定されていませんが、1行の半分以上を解いていることが望ましいとされています。

クレペリン検査は、1行に116個の数字が記載されているため、およそ60個以上の回答がクリアラインになります。

また、企業によって合否のラインはそれぞれですが、作業スピードや計算能力が必要になる職種の場合、より多く解答するのが望ましいです。

6.2.集中力に欠ける

クレペリン検査はスピードも大事ですが、解答の正確性も重要になるため、15分間集中を保つことが求められます。

計算を解いていくにつれて、解答スピードが落ちていくことは問題ないですが、急激に落ちている場合は問題があると判断されかねません。

クレペリン検査は5分の休憩を挟んで、15分間ずつ行うテストなので、集中することが苦手な方は、普段から集中する練習をしておくと良いでしょう。

6.3.作業が非効率

作業効率が悪い場合も、問題があるとみなされる場合があります。

1分ごとに次の行へ進まなかったり、1つの計算式に固執していると、効率が悪いとみなされます。

そのため、1つの問題に引きずられず、テンポ良く問題を解いていくことがポイントです。

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7.まとめ

クレペリン検査とは適性検査の一種に過ぎず、その結果だけで良し悪しを断定できるものでもありません。あくまでも自分の特性を可視化するものであり、企業との相性を確かめる手段の一つです。

あまり気負わず自信を持って、いつも通りの自分で受検するようにしましょう。

ぜひ今回の内容を、万が一の時により良い解決へと導くための知識としてお役立てください。


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