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女性がキャリアアップを目指しやすい職業・業種とは?

女性がキャリアアップを目指したい、そう思ったときに実現しやすい職業や業種はあるのでしょうか?女性が働く現状と、これから女性の活躍が期待できる業界について、専門家の意見を聞きながら探ってみました。

女性はどんな業界で活躍している?

まずは女性が働く現状をみてみましょう。厚生労働省令和元年版働く女性の実情調査によると、令和元年の女性の労働人口は3,058万人と前年に比べ44万人増加し、男性は3,828万人で11万人増加しました。この結果労働人口総数は前年より56万人増加し、6,886万人となり、労働力人口総数に占める女性の割合は44.4%と過去最高を更新しています。雇用者数についても、女性は2,720万人で前年に比べ49万人増加、男性は3,284万人で前年に比べ20万人増加しています。

女性の雇用者について産業別にみてみると、

  • 1位「医療、福祉」625万人(女性雇用者総数に占める割合23.0%)
  • 2位「卸売業、小売業」519万人(同19.1%)
  • 3位「製造業」299万人(同11.0%)
  • 4位「宿泊業、飲食サービス業」234万人(8.6%)

また増加数が多かったのは「教育、学習支援」(前年差9万人増、前年比5.4%増)「医療、福祉」、「医療、福祉」(8万人増、同1.3%増)となっており、専門性の高い業界での女性の活躍が増えています。
さらに雇用者数に占める女性比率(雇用者総数に占める女性の割合)が半分以上の産業は、「医療、福祉」(76.8%)、「宿泊業、飲食サービス業」(64.3%)、「金融業、保険業」(53.4%)、「卸売業、小売業」(52.6%)で、これらの業種では、男性より女性が多い職場が多いことが推測されます。
女性が多い職種は母数の大きさからそれなりのポストを得るチャンスも大きいと考えられます。

女性管理職が多い業界は?

総務省が従業員(常陽雇用者)300人前後の地方中堅企業を対象に行った調査によると、女性管理職(課長級+部長級)比率が最も高いのは「医療、福祉」、中位にあるのは「卸売業、小売業」「金融業、保険業」、低い産業として「建設業」「製造業」「情報通信業」、「運輸業。郵便業」という結果になっています。女性管理職比率43.5%と最も高い「医療、福祉」は圧倒的に女性が多く、女性が主戦力を担ってきた業界ということから、従来から女性が働きやすい職場の整備に取り組んできた経緯があります。特に福祉業界、介護分野においては、気配りや繊細さが重要視されることから、女性の特性や長所を生かしやすい分野で女性は不可欠な存在とされています。介護現場は不規則な勤務や重労働による負担が大きい、という側面もありますが、人材不足をまた院内保育所の設置など、女性が長く働くことを前提とすることで、女性職員の役職への登用も行いやすくなった、という背景もあります。

プロに聞いたこれから注目の業界、業種

実際に日々さまざまな求人サイトや情報と向き合い、転職のサポートをしている某人材マネージメント会社のキャリアアドバイザーに、女性が活躍している業界について現状と今後の傾向について聞いてみました。
「ある程度の規模の企業に属していることが条件にはなりますが、女性が男性並みのキャリア、収入を得ている業界、業種については

  • コンサルティング業界/ コンサルタント職
  • IT業界/ PM職、エンジニア、コンサルタント職
  • 金融業界/ トレーダー、アナリスト、データ分析、営業
  • 流通関係/ 店舗マネジメント職、バイヤー職
  • サービス業/ ホテル・旅行・飲食マネジメント職 
  • 広告関係/ 企画営業職、マーケティング職、WEB制作クリエイター
  • コスメ・アパレル業界/ 広報、マーケティング、MD、店舗マネジメント職

などが挙がり、
「コンシューマービジネスや、IT系など比較的新しい産業分野での業界での登用、活躍が多いと思います。コンサルや金融、ITには高学歴、年収1000万円以上の高収入の30代女性がいらっしゃいます。部長、役員レベルの女性が多いのは圧倒的に一部上場企業ですね。これは政府の女性活躍の女性管理職比率を上げる施策への対応も影響大かと思われます。だいたい40代後半から50代です」
新型コロナウイルス感染拡大の影響で、経済状況や働き方にも変化がおきています。そんな中これからキャリアを目指すならどんな分野、職種が考えるのでしょうか?また身に付けるべきスキルについては、
「今後、注目している分野、職種は、①IT と ②英語が必要な業務 と思っています。
①ITは、特にビッグデータ分析やAIなどを扱う、データサイエンティストは注目の職種です。男女問わず希少性と需要が高い職種です。SE、プログラマー等エンジニア職も有望ですが、ともするとIT土方と言われる末端の作業員的な立場に陥りやすい業界構造ですので、キャリアを構築していくには、開発プロジェクトの上流工程をマネジメントするPM職(プロジェクトマネジャー)、PL職(プロジェクトリーダー)に30代前半までに就くことを目標にしていくと良いかと思います。それらを経験すると40代以降、将来のキャリアの選択肢が広がっていきます。
②は、単なる英語を使える人材ということではなく、既存の職種✖英語 の組み合わせです。
例えば、経理✖英語、財務✖英語、経営企画✖英語、コンサルティング✖英語などです。特に管理系職種✖英語の組み合わせは、上場企業など大手企業に急速に需要が高まっている中で圧倒的な人材不足なので有望な分野です。
グローバル戦略として海外企業とのM&A、海外関連企業の財務管理、また外資に買収された場合は海外親会社とのコミュニケーション、営業分野では海外市場の開拓などでは通訳などを使っていては競争に勝てないので、海外の地でも英語で国内レベルと同等のパフォーマンスを出せる人材が必要になります。英語はビジネス(商談、交渉レベル)で使えることが重要で、応募の際に目安になるTOIECスコアは850点以上と言われています。」

まとめ

女性の労働人口増加は毎年増加傾向にあり、男女比は5:5になる日も近づいてきています。
その中でキャリアアップを目指すなら、実現しやすい業界や業種に注目してみるのもポイントですが、自分がどのような働き方をしたいかも考えておくことも大切。社会貢献度の高さか、自己実現か、ワークライフバランスによる充実感か、自分の希望や目標を設定して早い時期からステップアップをしていくことも必要です。

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