断捨離の意味や効果とは?ポイントやコツについて解説
物を持ちすぎないシンプルな暮らしに憧れて断捨離をしたことがある、あるいはこれからしてみたいと思っている方は多いのではないでしょうか。
断捨離は、ただ「いらないものを処分すること」だけではなく、自分のこれまでのライフスタイルを見つめ直すきっかけにもなります。そこで今回は、断捨離の意味やその効果、進める上でのポイントやコツについて解説していきます。
1. 断捨離の意味とは?
断捨離とは、単に不要な物を処分するだけでなく、物にとらわれずに生きていこうとする考え方そのものを指します。
断捨離は片付け論の一つであり、ヨガの「断行」「捨行」「離行」という3つの考え方に基づいて提唱されました。「不要な物を断つ、捨てる、物から離れる(執着しない)」という生き方を目指すことが、断捨離の本当のあり方だと言えます。
2. 断捨離とミニマリストの違い
断捨離に近い発想を持つ人を指す言葉として「ミニマリスト」という表現がしばしば聞かれます。
ミニマリストは、既に持っている物を捨てたり、物から離れたりするのではなく、「そもそも自分が不要だと感じている物は持たない」という価値観がその基本となっています。しかし、大切にしている物まで捨ててしまったり、充実した生活ができなくなるほど物を減らしたりしているわけではありません。
断捨離も、あくまで「必要十分な物だけを残した快適な暮らし」を追求するために行うと意識してみると良いでしょう。
3. 断捨離にはどんな効果があるの?
断捨離にはさまざまな効果がありますが、特に大きな効果は「自分の価値観を見つめ直せる」ことです。流行っていたから、誰かに勧められたから、などの理由で手に入れた物には、実はそれほど思い入れがないという場合も少なくありません。断捨離によって、自分にとって本当に価値のある物とそうでない物の仕分けができるのです。
また、断捨離を意識した生活ができるようになると、本当に自分に必要な物だけを選定し購入するようになるので無駄遣いを抑える事ができます。さらに、自分が管理できる範囲の物だけを身の回りに置いて生活するため探し物が減り、時間と心に余裕が持てるようになります。
4. 断捨離のポイント
断捨離は、次の3つのポイントに注意することでスムーズに進められます。
4.1. 迷ったときは日を改めて
「もしかしたらまだ使うかもしれない」と考えて残すものを増やしてしまうといつまでも片付きませんが、逆に捨ててから「残しておけば良かった」と後悔するケースも少なくはありません。
捨てようか迷った時には、一旦保留にし、日をあらためて判断してみるのも一つの方法です。それぞれ「捨てる物の箱」と「残す物の箱」を作り保管しておき、いつまでに仕分けるのか期限を決めて、後日結論を出すようにしてみましょう。
4.2. 一度で全てを片づけようとしない
一度の断捨離で全て片づけようとすると、気力が続かず途中で断念してしまう場合があります。最後まで続けるためには、まとめてではなく数日に分けて物を整理するのがポイントです。「今日は本棚の一番上の段」「今日はデスクの上だけ」など、場所や範囲で分けたり、「服」や「本・雑誌」など、カテゴリーで分けて少しずつ、確実に断捨離を行いましょう。
4.3. 部屋の広さや適切な量を考える
自宅の間取りや収納スペースの広さによって置ける物の量は異なります。適切な量がどのくらいかを考慮した上で残す物を決めましょう。また、置き場所が十分に確保されていたとしても、自分が管理できる範囲の量にとどめておけば、部屋に空間的な余裕が生まれ、ゆとりのある暮らしが実現します。
5. アイテム別の断捨離のコツ
洋服や雑貨など、アイテムによっても断捨離のポイントやコツは違ってきます。ここでは、アイテム別の断捨離のコツについて紹介します。
5.1. 洋服やバッグの断捨離
そのうち使うかもしれないと思って残しておいた洋服やバッグ。そのほとんどはその後も身に付けることなくしまい込んだままになりがちです。そうするうちに流行を過ぎてしまったり、劣化してしまうこともありますので、1年を通して一度も活躍しなかった場合は処分を検討しましょう。1年では判断できないと感じる場合は、もう少し長めに期間とっても構いませんが、必ず「いつまで」に判断するのか期限を決めておくようにしましょう。
なかなか捨てる決断ができないときは、実際に一度身につけてみてから捨てるかどうかを考えるのもおすすめです。また、処分の際には、インターネットのフリーマーケットやオークションなどを活用する方法もあります。
5.2. 生活用品の断捨離
食器や雑貨などの生活用品は、購入しても使う機会がほとんどないまま棚の奥に眠っているケースが少なくありません。洗いにくい、重くて使いにくいなどの理由でだんだん使わなくなってしまった物、景品や引き出物でもらった物、扱いにくさが原因で使用頻度が低い物などは、思い切って処分しましょう。また、最初に自分の中でルールを決めておくと判断しやすくなります。例えば、ハサミや傘など、本来一つあれば事足りる物は一つを残しその他は処分する、毎日使うものや洗って使用するものは、必要数を決めておいてそれ以上は処分するなど、ルールを決めておくことでスムーズに断捨離を行えます。
5.3. 本や雑誌の断捨離
本を片づけないまま定期的に買い足していくと、すぐに物が溢れてしまいます。1ヵ月~3ヵ月に一度程度のペースで不要な本や雑誌がないかどうかチェックしてみましょう。「この本をまた読み返すだろうか」「今後この本を読むだろうか」といった判断基準で片づける本や雑誌を仕分けるのがポイントです。また、「新しい本を買ったら古い本を1冊捨てる」などのルールを決めておけば本を増やしすぎずに済みます。
6. 断捨離のやり方
捨てる物と残す物を仕分けることが断捨離の最初の一歩です。あらためて、断捨離の具体的なステップを紹介します。
6.1. 基準を決めて分ける
まず作業を始める前に、「必要」「不要」「保留」の3つの箱を用意しましょう。1年使わなかった書類は捨てる、3年着なかった服は捨てる、など自分なりの基準を決め、それぞれの箱に仕分けましょう。
6.2. 捨てるものを決める
仕分けを終えたら、「不要」の箱に入っている物は必要がないと判断し、思い切って処分しましょう。すぐに判断するのが難しい場合は、保留の箱に入れて2週間~1ヵ月ほど様子を見ます。事前に決めた期間内に一度も使わなかった場合は今後も使う見込みがないものとして「捨てても良い」と判断します。
6.3. 最後にもう一度見直す
「必要」の箱に残った物をもう一度見直して、本当に残すべきかどうか再度検討しましょう。仕分けの際には必要だと感じた物の中にも、見直した際に処分してかまわない物がある場合もあります。
6.4. 残すものは収納していく
最終的に残すと決めた物は、カテゴリー別に分けて収納スペースに収めていきます。使用頻度の高い物はデスクの引き出しやクローゼット、透明な収納ケースなどを活用して目にしやすい、取り出しやすい位置にしまいましょう。それほど頻繁に使わないものや大切なものは、箱に収めたり、飾ったりするのもおすすめです。
無事に断捨離を終えたら、片づいた状態を持続させられるように、定期的に1~4のステップを実施しましょう。
7. まとめ
ここでは、断捨離の意味や効果、進める上でのポイントやコツについて解説してきました。
断捨離を行うと、物への執着から解放され、自分にとって本当に価値のある物が見えてきます。しかし断捨離には、捨て過ぎず残し過ぎない慎重な判断も必要となります。一度にすべてを終えようとするのではなく、自分なりの基準を設定しながら、時間をかけて少しずつ進めることをおすすめします。
▶︎ プロフィール
田村彩乃
ITコンサルタントとして7年間システム提案に携わった後、フリーライターとして独立。IT、マーケティングに関するコラムを中心として、人材、ECなどにまつわる記事をWebをはじめとした多くのメディアで執筆。趣味は旅に出ること。