威圧感を与えずに髪の悩みも解決!「ふわボブ」で好印象を手に入れて
「え!? 今さらボブ?」と思うことなかれ。あなたが今、思い浮かべたのは前髪をパッツンと切り揃えた通称、おかっぱヘアでは?? 今回、おすすめするのは、ボブはボブでも、ふわっとエアリーな動きと質感のある「ふんわりボブ」。おすすめの理由は、カットで形を作ってしまえば日々のひと手間で簡単にサマになるヘアスタイルだということ。またキャリア世代特有の貫禄や威圧感をセーブして、品のいい女性らしさと清潔感が手に入ることです。そこに白髪やクセ髪、ボリュームの有無と、個人差こそあれ気になり始めた髪の悩みもしっかりと受けとめてくれる理想の髪型「ふわボブ」。その作り方をご紹介します。
まずは髪の状態をチェックして健康的なツヤ髪を取り戻せ!
肌以上に年齢を赤裸々に語ると言われる髪。働き盛りのキャリア世代は、女性ホルモンの分泌量や免疫力の低下、日々受けるストレスなどによって髪のエイジングが始まっていると言われています。最も大切なのは、食事・運動・睡眠を見直して体全体の状態を整えること。体の健康に気を使うことが美髪に直結していることを忘れないでください。さらに髪にばかり気を取られているのではなく、重視すべきは頭皮の健康状態。言い換えると「頭皮は土壌で、髪は植物」です。土壌となる頭皮を健やかな状態に保つためには、頭皮をきちんと洗い、清潔を心がけながら血流を良くすることが効果的です。ヘッドスパや自宅で手軽にできるクレイパックを利用した週1回のディープクレンジングをはじめ、毎日のシャンプーをエイジングケア用に切り替える、頭皮への美容液を日課にする、ブラッシングをていねいになど、日々のお手入れと心がけで健康な髪を手に入れてください。
長さはお好みで。全体のフォルムを"ひし形"に整える
"最後のロングかも"と思って髪を伸ばしている、似合う髪型が変わってきた、髪型が決まりにくくなった、などなど、今までと何か違うと感じているなら、「ふわボブ」スタイルへの変えどきかもしれません。余計なものはそぎ落としつつも、どこかに女性らしさを感じる「ふわボブ」は、多くの女性に寄り添ってくれる髪型。美容室では「レイヤーで丸みのあるフォルムに調整して、ひし形シルエットを作ってください」とオーダーしてみてください。長さはお好みでいいのですが、ポイントは髪にできる面に流れを作るために程よくレイヤーを入れること。顎下くらいのミディアムショートなら、耳の下あたりにボリュームが出るようにレイヤーで毛量を調整することで自然なひし形が生まれると同時に、トップにも自然な高さが出てバランスが整います。人それぞれのうねりやクセが生かせるのも「ふわボブ」の魅力です。
簡単アレンジで髪のクセをニュアンスに替える
イメージに近いカットができたら、あとはアレンジを覚えておきましょう。ちょっとしたコツで「サロン帰り」のようなきれいをキープすることができます。決め手は、毛流れや毛先の動き、空気感を与えること。そこで使いこなしたいのが、ヘアアイロンとスタイリング剤です。アイロンは難しいし、スタイリング剤はべたつきそうで嫌い、と苦手意識がある人でも、ストレートアイロンとソフトなヘアワックスなら扱いやすく、ひと手間の効果は絶大です。ストレートアイロンは髪を挟んで通すだけでカールもつけられますが、広がりを抑えながらツヤも欲しい、という大人の髪におすすめのギア。ぜひ使いこなしてみてください。
素敵なヘアスタイルも、シャンプー後や寝起きはどうしてものっぺりして寂しい印象になりがち。そんなときは髪を平たく取ってアイロンで挟み、毛先は弧を描くようにして抜く、コツはこれだけです。毛量が多い人は指を広げ、頭皮に空気を送り込む感覚で下から上へと動かすことでもふんわりさせることができますが、アイロンを使うと髪に格段のツヤが出るのです。髪をとかした後、右と左それぞれに髪をざっくり上下に分け、作業しない方はピンで軽く止めておきます。最初は下側の左右をそれぞれ、毛先に向かって弧を描くようにアイロンをすべらせて抜きます。上側も同じように。時間のない日でもぜひここまでは行ってスタイリング剤で動きをつけてください。このひと手間で洗いっぱなしとは全く違った印象になるはずです。もし余裕があるときは、その後、トップを根元からしっかり挟んで上に滑らせ、毛先の数カ所を外巻きにしてハネを作ります。
リフトアップや小顔も夢じゃない!仕上げワザでアカ抜けた印象に
最後の仕上げは、スタイリング剤でツヤと立体感を演出すること。スタイリング剤は、なじませやすい柔らかなテクスチャーのものを選びます。オイルの潤いとスフレのような感触をあわせ持つクリームや、べたつきを抑えたワックス、適度なセット力と柔らかな質感でも動きはしっかり出せるムースなど、好みの質感を選んでください。
適量を手のひらになじませたら、毛先を外側から握るようにつけていきます。その後、耳の上あたりに手を移動させ、毛先に向かって指を通すように。そのとき、髪を押さえつけずに遊ばせる感覚で行ってみてください。手に残った分を顔回りの髪にもなじませ、顔回りと表面の数カ所で毛束を細く取り、指に残ったワックスを毛先につけて完成です。ポイントは髪の根元にはスタイリング剤をつけないこと。こうすることで美容室帰りのような、ふわっと空気を含んだ軽やかな仕上がりが手に入ります。
まとめ
髪の上下左右に程よくボリュームが出るひし形シルエットの「ふわボブ」には小顔効果があり、外側に動く毛先が顔のラインをカモフラージュしてリフトアップして見えると評判です。気をつけたいのは、きっちりとセットしないこと。「寝ぐせ以上、セット未満」くらいの感覚で。見え方は自然だけど、きちんとお手入れされた手のかかっている髪型という印象を意識しましょう。スーツやシャツなど襟のあるアイテムを着る機会の多い女性管理職スタイルの首元もスッキリ演出します。今ヘアスタイルで悩んでいるなら、ぜひ一度「ふわボブ」スタイルに挑戦してみてはいかがでしょうか。
▶︎ プロフィール
向井真樹(むかい まき) ファッションライター
女性誌やカタログ、ウェブサイトを中心に、
ファッションや生活スタイルを軸にした
企画、ディレクション、編集、執筆を手がける。