Career

ロールモデルやメンターの作り方&上手な付き合い方は?

社内や周囲にロールモデルが見つからない――働く女性たちからそんな声を耳にすることも少なくありません。もちろんロールモデルがいなくても自ら成長していくことは可能です。しかし、お手本となる存在やアドバイスをくれる人がいれば、理想のキャリアにたどり着きやすくなるのは確か。では、どうすればロールモデルやメンターを作ることができるのでしょうか。具体的な方法を考えていきます。

ロールモデルとは、"あんなふうになりたい"と目標になるような存在、考え方や行動のお手本となる人物のこと。人は誰しも無意識のうちにロールモデルを設定し、その影響をうけているといわれます。"ああなりたい"という憧れの人を持つことで、働くモチベーションになりますし、自分のなりたい姿や進む道のりをイメージしやすくなります。

特に、これから管理職を目指す女性や新米管理職の人にこそ、ロールモデルやメンターは大きな意味を持ちます。キャリアの方向性を描きやすくなったり、壁にぶつかった時にハードルを越えるためのヒントやアドバイスをもらえたりと、そのメリットは多大です。

管理職を目指す女性にロールモデルやメンターが必要な理由

一般の社員から管理職に昇進し、部下を持つ――キャリアの大きな転換期です。この先、何を目指し、どんな風になりたいのか。ワークとライフのバランスを考えながら、自分らしい働き方を描いていくターニングポイントでもあります。また、仕事のやり方においても見直しが必要な時。プレーヤーとして自分の仕事に集中していればよかったこれまでと違い、部下の育成やマネジメントをしながらチームとしての成果を出していくという新たなミッションが課せられます。それに伴い、これまでとは違った視点から仕事のやり方を考えていかなくてはいけません。

次々に押し寄せるいくつもの課題と向き合い、そのハードルを越えていくことで、大きく成長していく大事な時期です。そんな時、道に迷って立ち往生しないように行き先を示してくれたり、背中を押してくれるアドバイザーがいれば、精神的に心強いのはもちろん、目標とする場所にたどり着きやすくなります。

 また、ロールモデルと自分を照らし合わせることで、理想に到達するには何が足りないかが見えてきます。それらのスキルをひとつひとつ埋めていくことで、目指すキャリアに近づきやすくなります。判断に迷う場面でも、"あの人ならどうするだろう..."と考えることで、解決のヒントがみつかることも。ロールモデルを指標にすることで、具体的な行動に繋げることができ、着実に成長していくことが可能です。

同じように、進むべき道のりを照らしてくれるのが、メンターの存在。メンターとは、アドバイスをくれる人、指導者のことを指します。悩んだり、壁にぶつかった時に相談できる相手を持つことで、背中を押してもらえたり、課題が解決しやすくなるというメリットがあります。近年では、企業でもメンター制度をとり入れるところが増えてきました。女性管理職や先輩社員が若手の相談相手となり、キャリア形成やワークライフバランスなどの悩みを聞くことでメンタル面のサポートを行うというものです。

ロールモデルは身近なところから探すのがベスト

では、ロールモデルやメンターは、どうやって探せばいいのでしょうか。

できれば、上司や同じ部署の先輩など、身近な存在からみつけるのがベスト。コンタクトしやすい相手であれば、直接アドバイスをもらえる機会も増え、成長のスピードも速まります。ロールモデルにメンターとなってもらえるなら、これほど心強いことはありません。

逆に、あまりに自分とは程遠いような環境だったり、ハイスペックすぎるスーパーウーマンをロールモデルにすると、自分ごととしてイメージがしづらく実際の行動に結び付きにくいというデメリットがあります。また、自分と比較して"あんな風にはなれない..."と落ち込んでしまう場面もあるでしょう。単に、モチベーションを上げる存在として心に持っておくのはよいですが、できれば、自分の未来が投影できるような相手のほうが望ましいといえます。

身近なところで見つけられない場合は、社内の他部署や仕事で関わりのある人など、少しずつ範囲を広げながら探していきます。ロールモデルやメンターをみつけやすくするには、普段から同じメンバーとばかり交流せず、他部署の人とも積極的にコミュニケーションをとったり、社内の勉強会や研修に参加するなど、人脈を広げておくことが大切。社内報やイントラなどで紹介されている女性管理職や先輩のなかから素敵だと思える人を探してみるのもいいでしょう。

複数の人のいいところを組み合わせ、自分だけのロールモデルを作るのもアリ

周囲をくまなく見渡してみたけれど、それでもやっぱりみつからない――。実はそんな声も少なくありません。女性活躍推進の取り組みにより、以前と比べ、女性管理職の数は増えているものの、やはり男性と比べるとまだまだ少数。多彩なロールモデルから選択できるほどの余裕がないのが実情です。

とはいえ、諦めることはありません。そんな時は、複数の人の"いいとこ取り"をするのが有効です。そもそも自分の目指す姿を1人が満たしているほうがむしろ稀だといえます。「リーダーシップはaさん」「ライフスタイルはb先輩」という具合にパーツを組みあわせ、オリジナルのロールモデルを作ってしまうのもひとつの方法です。

複数のメンターを持つときの注意点は?

目標にしたい相手がみつかり、その人にメンターになって欲しい場合、どう切り出せばいいいのでしょうか。関係性や親密度にもよりますが、いきなり「メンターになって欲しい」とアタックすると、相手も身構えてしまいます。"○○さんのこういう点を尊敬しているので、相談に乗ってもらえないでしょうか""将来は〇〇さんのような働き方を理想としているので、経験談を聞かせていただけませんか?"など、何を求めているかをきちんと伝え、誠意をもってお願いしてみましょう。忙しい相手に貴重な時間を割いてもらっているということを忘れず、アドバイスをもらったら結果をフィードバックするのも大事なこと。信頼関係を築くことにつながります。

また、メンターを一人に絞り込まず、複数持つという手もあります。ただし、異なるアドバイスに混乱してしまったり、自分の軸がブレてしまっては本末転倒です。"この人にはこのジャンルを聞く"と決めておくといいでしょう。

まとめ

いかがでしたでしょうか?どのパターンにせよ、ロールモデルやメンターを見つけるためには、まずは自分がどうなりたいか、何を大切に働いていきたいかという軸をあらかじめしっかりと持っておくことが大切です。

▶︎ プロフィール

西尾英子 フリーライター
大学卒業後、男性総合誌で8年間編集に携わった後、フリーライターとして独立。主に女性誌やビジネス誌、書籍で女性の生き方や働き方などを執筆。これまで数多くの著名人やビジネスパーソンなどを取材。

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