急速に広がる生成AIは、広告業界にも大きな影響を与えています。今回は、SO Technologiesが実施した「インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査」から、広告主の生成AIに対する考え方を見ていきます。
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調査は2023年5月22日~23日、自社商品・サービスのインターネット広告を広告代理店に委託している企業の経営者・事業およびマーケティング責任者、現場の担当者を対象にインターネット上で行われ、438人から有効回答を得ました。
1.生成AIを活用する際の事前通知
広告主に対し、広告業務を委託している広告代理店が、業務において生成AIを活用する際、広告主への事前通知が必要だと思うか質問すると、「担当者間での事前通知が必要だと思う」が49.1%、「企業としての正式な通知が必要だと思う」が15.3%と、通知を必要と考える広告主が64.4%を占めました。
(【画像出典】SO Technologiesプレスリリース)
続いて、通知が必要だと思うと答えた広告主に、具体的な通知手段に対する考えを聞くと、いずれの手段でも「絶対に必要」「あった方が良い」が6割を超える結果に。
中でも「代理店のWebサイト上での情報公開」(79.4%)、「メールやチャット上の履歴に残る連絡」(75.5%)、「ガイドラインなどの資料提出」(72.7%)が多く挙げられました。
(【画像出典】SO Technologiesプレスリリース)
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2.生成AIを活用する際、特に気になること・知りたいこと
広告代理店が生成AIを活用する際、特に気になること・知りたいことは、1位「品質・クオリティの変化」(61.0%)、2位「納品スピード」(41.3%)、3位「広告成果への影響」(40.0%)、4位「どの業務に利用するのか」(34.9%)と続きました。
(【画像出典】SO Technologiesプレスリリース)
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3.生成AIに利用してもよいと考えるデータ
広告代理店が生成AIに入力する「広告主が保有するデータの利用範囲」について、利用してもよいと考えるデータを質問すると、「広告管理画面やGoogleアナリティクスなどの解析管理画面から見られる広告関連データ」が54.1%でトップ。
次いで「顧客(匿名)の属性データ(年齢、性別、職業など)」が53.0%、「顧客(匿名)アンケートや商品レビューなど、顧客から回収したデータ」が51.4%となりました。
また、広告主が保有するデータの中でも、「事業戦略や方針に関するデータ」「自社保有の競合他社の分析データ」など、広告領域にとどまらないデータに関しては3割以下にとどまりました。
(【画像出典】SO Technologiesプレスリリース)
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4.まとめ
今回の調査では、生成AIの活用に対して気になる点・知りたい点として、広告サービスの提供価値に関する項目に高い関心が寄せられていることがわかりました。
SO Technologiesは「広告主自身が生成AIへの関心が高く、広告代理店の活用にも肯定的であることから(同社調査より)、懸念点よりも具体的な成果面への注目が集まっている」と分析しています。
(【記事出典】SO Technologies「インターネット広告代理店の生成AI活用に関する調査」プレスリリース)
(記事執筆:御木本千春)