新型コロナウイルスに翻弄されてきた日本経済も回復の兆しが見え始めているのかもしれません。帝国データバンクが実施した「2022年度の賃上げに関する企業の意識アンケート」によると、賃上げ企業に対する税制優遇の強化が検討されているなか、企業の48.6%は、「税制優遇幅に関わらず賃上げを行う」と回答しました。
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同アンケートは2021年11月12日~15日に実施、有効回答企業数は1,651社でした。
1.「税制優遇幅に関わらず賃上げを行う」と回答した企業が48.6%
インフレ目標達成のひとつのカギとして、賃上げが重要視されてきたなか、政府・与党は 2022年度税制改正で賃上げを行った企業を対象とする税制優遇について、控除率の大胆な引き上げなど制度を強化すると表明しています。
今回のアンケートでは、「税制優遇幅に関わらず賃上げを行う」と回答した企業は48.6%。さらに、税制優遇が大きければ79.4%の企業が賃上げに前向きという結果になりました。
一方で、企業の8.1%は「税制優遇幅に関わらず賃上げできない」と考えていました。
(賃上げに関する企業の見解)
(【画像出典】帝国データバンクプレスリリース)
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2.「税制優遇幅に関わらず賃上げを行う」小規模企業は37.6%、全体より10ポイント以上低い水準
また、「税制優遇幅に関わらず賃上げを行う」と回答した企業を規模別にみると、大企業では53.6%、中小企業では47.9%とそれぞれ約半数となっています。
一方で、財務力が比較的弱い小規模企業は37.6%と全体(48.6%)より10ポイント以上低くなっており、さらに小規模企業においては賃上げできないと考えている企業が13.5%と、全体(8.1%)を大幅に上回っていました。
(賃上げを行う企業の割合)
(【画像出典】帝国データバンクプレスリリース)
(賃上げに関する企業の見解)
(【画像出典】帝国データバンクプレスリリース)
3.人手不足感が再び高まりつつあるなか、多くの企業で従業員の定着・確保が再び重要な課題に
帝国データバンクでは、「本アンケートの結果、企業の半数近くは政府の支援策の程度に関わらず、賃金の引き上げを予定していました。新型コロナウイルスの影響で緩和した人手不足感が再び高まりつつあるなか、多くの企業では従業員の定着・確保が再び重要な課題として浮かび上がっています」とした上で、「企業の賃上げにより家計の支出拡大を通じて企業の売り上げの増加につながることが期待できます」と指摘。
「賃上げの実施で経済の好循環が生まれれば景気回復への道は遠くないと言えそうです」(帝国データバンク)。
(【記事出典】帝国データバンクプレスリリース「約5割の企業が賃上げ実施予定 アフターコロナを見据え、消費拡大に期待膨らむ」)