【シェアオフィスとは?】利用するメリット、選ぶ際のポイントを解説

【シェアオフィスとは?】利用するメリット、選ぶ際のポイントを解説

近年、フレックスタイム制度やリモートワークなど、時間や場所にとらわれない多様で柔軟な働き方が浸透したことにより「シェアオフィス」の注目が高まっています。今回は、シェアオフィスの特色やメリット・デメリット、シェアオフィス選びのポイントなどを解説していきます。

(サービスを提供する会社により、シェアオフィスの定義やサービス内容は変わってきますので、ご注意ください

1.シェアオフィスとは?

シェアオフィスとは「シェアードオフィス(Shared-Office)」に由来する言葉で、企業や個人を限定せずに仕事環境を共有できる場所のことです。

フロア構成はシェアオフィスにより異なりますが、オープンスペース、パーティションなどで仕切られたブースや個室などが用意されていることが多く、利用者はその時の状況や気分によってスペースを自由に使用することができます。

1.1.従来型の賃貸オフィスとの違い

従来、オフィスを借りるには一定期間の賃貸契約を締結し借り、契約の際は保証金を預ける形が多かったのですが、初期費用が高額で、保証金は家賃の6ヵ月~12ヵ月分程度が相場でした。また、デスクやイスなどのオフィス用品や備品類を揃え、場合によっては内装工事も必要となりますので、稼働まで早くても1ヵ月程度の時間がかかります。

これに対し、シェアオフィスは、シェアオフィスの運営会社と利用契約を結ぶ形となるため、時間料金もしくは月額料金を払う形となります。そのため、使用したい時間や期間で契約内容を調節できるため、賃貸オフィスよりも低コストで利用が可能です。また、オフィス用品や備品類はすでに揃っているため、契約から即日~数日で利用可能なことが多いです。

1.2.レンタルオフィスとの違い

レンタルオフィスとは、完全個室型の貸し事務所です。オフィス用品や備品類が用意されているだけでなく、個室空間のプライバシーを守るセキュリティも整備されており、入居後はすぐに利用できます。賃貸契約やその他の準備が必要ないため、手軽にオフィスを利用できる手段となっています。

一方のシェアオフィスはフリーアドレス型となり、利用場所は固定されていません。オフィス用品や備品類もほかの利用者と共用となりますが、その分レンタルオフィスよりも低コストで利用できます。ただし、不特定多数が利用するオープンな環境である以上、持ち物や機密情報の取り扱いには十分注意しなければなりません。

なお、サービスを提供する会社により、シェアオフィスとレンタルオフィスの違いの定義は変わってきますので、しっかりと確認が必要です。

1.3.コワーキングスペースとの違い

コワーキングスペースは、複数の人々が同じ空間や設備を共有するという点でシェアオフィスと同様の仕組みを持ちますが、シェアオフィスよりも人とのつながりやコミュニケーションに重きが置かれているのが特徴です。所属や立場、境遇などにとらわれない利用者同士の交流やコミュニティ形成によって刺激やアイディアを得たい方に向いています。

1.4.シェアオフィスの需要が増えている背景

従来の日本企業では毎日自社が保有する、または借り上げているオフィスへ出勤することが当たり前とされていましたが、近年はその常識が覆されてきています。働き方改革推進の流れに加え、2020年から新型コロナウイルスが世界的に流行したことにより、場所にとらわれない「リモートワーク」「テレワーク」などの新しい働き方が広まっていきました。

人がたくさん集まり、密な状態を生み出しやすい満員電車や社内での感染を防ぐため、出勤を制限し在宅勤務に切り替える企業は増加していますが、家庭事情では仕事に集中できないという方も少なくないでしょう。そうした背景もあり、シェアオフィスのニーズが高まっています。

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2.シェアオフィス利用のメリット

シェアオフィス利用には、企業側と社員側の双方にメリットがあります。それぞれ見ていきましょう。

2.1.企業側

まずは企業側から見たメリットを紹介します。

2.1.1.初期投資を抑えられる

シェアオフィス利用の最大のメリットは、初期費用を抑えられるという点です。賃貸オフィスのように敷金(保証金)や礼金、内装工事費、オフィス用品や備品類の購入費などが必要ありません。そのため、賃貸オフィスでは金額面で難しいと考えていた場所にオフィスを構えることも可能になります。

2.1.2.ランニングコストの削減ができる

毎月かかってくるランニングコストも削減が可能です。光熱費や通信費、消耗品費などは積み重なると意外と大きな負担となりますが、シェアオフィスでは多くの場合、そうしたランニングコストが利用料に含まれています。

2.2.社員側

次に、社員側から見たメリットについて紹介します。

2.2.1.情報交換・人脈拡大が期待できる

シェアオフィスを利用すると、企業や立場の垣根を超えて多種多様な人たちと仕事環境を共有することができます。そのため、新しい学びや気づき、情報が得られたり、自社オフィスで仕事をしたりしているだけでは絶対に出会えないような異業種の人たちとも自然とコミュニケーションが取れる可能性があります。新鮮で刺激的な経験によってマンネリ化していた業務が改善される、新しいアイディアが生まれるといったことが期待できます。

2.2.2.フリーアドレスで窮屈なく働ける

シェアオフィスは基本的にフリーアドレス制のため、一人ひとり決められた居場所はありません。その日の気分や業務内容によって、働く空間を自由に選択することができます。また、シェアオフィスを訪れる人たちも必ずしも毎日同じではないため、見える景色が日々異なり、毎日新たな気持ちで仕事に打ち込むことができます。

(※こちらも、サービスを提供する会社により、シェアオフィスとレンタルオフィスの違いの定義は変わってきますので、しっかりと確認が必要です。)

2.2.3.共有施設を使うことができる

シェアオフィスによっては、セミナールームや会議室、ラウンジ、ロッカー、メールボックスなども利用することができます。シェアオフィスでの仕事の幅が広がり、よりスムーズに業務を遂行できるでしょう。

しかし、共有である以上いつでも好きな時にとはいかず、特にセミナールームや会議室は予約の上での利用となりますので注意が必要です。

3.シェアオフィス利用の際の注意点

上記のようにメリットがある一方、シェアオフィスの利用には、場合によっては注意する点もあります。賢く利用できるようにしましょう。

3.1.セキュリティ面

シェアオフィスは不特定多数の人が利用するため、セキュリティ面に注意しなければならない可能性があります。特に一時利用者を受付けているシェアオフィスの場合、入退室時など高いセキュリティレベルが保たれていなければ部外者が紛れ込んでしまう危険性もないとはいえません。

また、パソコンを通した情報漏洩にも注意が必要な場合もあります。用意されているインターネット回線は共有となっていることがあるため、データの取り扱いやウイルス感染に注意する必要があるかもしれません。さらに、パソコン画面を開いたままにして席を離れてしまうなどで、画面を直接見られることによって情報漏洩が起きる可能性もあります。

自社オフィスでは気にせずにいた何気ない行動が、シェアオフィスでは情報の漏洩につながる可能性があることを認識しておきましょう。

3.2.回線速度

シェアオフィスにはビジネスに適したインターネット回線が用意されていますが、その時の利用状況によっては回線速度が遅くなる可能性があります。ネットで少し調べものをする程度なら問題ないかもしれませんが、作業内容によってはストレスとなる場合もあるでしょう。

3.3.雑音や騒音

シェアオフィスはさまざまな人たちが集う共有スペースであることが多いです。それぞれが異なる作業を行い、人の移動や出入りも頻繁であることが多いため、他の人の電話や会議の話し声、歩く音や物音などの騒音により集中力が削がれる可能性があります。静かな空間で仕事に没頭したいという人にはシェアオフィスは少々不向きかもしれません。

4.シェアオフィスの選び方

全国各地でシェアオフィスの数は徐々に増えていますが、ひと口にシェアオフィスといってもそれぞれ異なる特色を持っているため、自分に合ったシェアオフィス選びが必要です。以下の3つのポイントを参考に、最適なシェアオフィスを探してみてください。

4.1.設備や備品の充実度

自分が仕事をする上で必要な設備や備品がどの程度揃っているかという点は、シェアオフィス選びで最も重要なポイントです。

頻繁に会議を行う必要があれば、会議室やプロジェクター、コピー機、マイク、電話会議システムなどの設備や備品が必要となるでしょう。また業務に直結する点だけでなく、フリードリンクやリラックスできるラウンジなど、心身を休めリラックスできる環境があるかも大切です。

居心地や使い勝手がよくないと、思うように仕事がはかどらないという可能性もあるため、設備や備品の充実度は必ずチェックしましょう。

4.2.必要な広さや料金形態

仕事をするのに充分な作業スペースが確保できているかという点も重要です。シェアオフィスの中には、デスクが狭くパソコンや資料を一度に広げられないという場合もあります。作業時にストレスのかからない快適なスペースが確保できるか、自分の利用スタイルにあった料金プランがあるかなど、事前に確認しておきましょう。

また金額面では、毎日のように通う場合は定額制、スポットで利用したい場合は時間制のプランが適しています。利用頻度や時間を想定し、料金をシミュレーションした上で選ぶようにしましょう。

4.3.オプションサービス

シェアオフィスによっては、オプション料金を支払うことで以下のようなサービスを受けることができます。

● 法人登記登録

● 社名表示

● 電話番号取得、転送

● 秘書によるサポート

● 郵便物の受取りや転送

一時的な利用ではなくメインの拠点としてシェアオフィスを利用したい場合は、上記のようなオプションサービスにどこまで対応しているかという点も確認しておきましょう。

4.4.ウイルス感染拡大への対策がきちんと講じられているか

新型コロナウイルスの感染が拡大する中、アルコール消毒、換気、密になりにくいような対策などもチェックしておくべきでしょう。

基本的にシェアオフィスはそうした対策を講じている場合が多いですが、ウイルス感染拡大の対策の度合も、シェアオフィスを選ぶ上での大切な基準になるでしょう。

5.まとめ

ここまで、近年広がりを見せるシェアオフィスの定義や、使う上でのメリットやデメリット、シェアオフィス選びにおける注意点などについて解説してきました。

近年は利用者のさまざまなニーズを満たしてくれるシェアオフィスが多く存在します。利用する際には、利用目的を明確にし、その目的を満たせる環境や設備が整っているかをきちんと確認したうえで利用しましょう。