新型コロナの緊急事態宣言により、私たちの生活様式は大きく変化しました。その変化とうつ傾向の関連を研究した論文が発表されました。生活様式の変化には男女差がありますが、いずれもうつ傾向のリスクがあることがわかりました。(Misa)
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緊急事態宣言発令による生活様式の変化
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言の発令による生活様式の変化に関する、株式会社リンクアンドコミュニケーション(本社:東京都千代田区)と東京大学大学院医学系研究科健康教育・社会学分野教室(准教授:近藤尚己)の共同研究の論文が発表されました。
緊急事態宣言期間中に顕著に変わっているのが歩数で、1日約1,100~1,200歩と大幅に減少しています。また、男性の32.4%、女性の45.9%がうつ傾向となっていました。
生活様式の変化としては、男性が「仕事時間増加」、女性は「子育て時間増加」が挙がっています。テレワークで仕事時間はむしろ伸びる傾向があるということでしたが、男性についてはそれを裏付けており、それによるうつ傾向リスクは3.3倍となっています。その一方で「在宅ワークへシフト」した女性のうつ傾向リスクは、そうでない人と比べて26%低い結果となっており、女性にとってはテレワークがうつ傾向リスクを低減させています。
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生活様式の変化としては、男性が「仕事時間増加」、女性は「子育て時間増加」が挙がっています。テレワークで仕事時間はむしろ伸びる傾向があるということでしたが、男性についてはそれを裏付けており、それによるうつ傾向リスクは3.3倍となっています。その一方で「在宅ワークへシフト」した女性のうつ傾向リスクは、そうでない人と比べて26%低い結果となっており、女性にとってはテレワークがうつ傾向リスクを低減させています。
また、女性の「子育て時間増加」からは、学校や幼稚園・保育園に行けなくなったお子さんの育児は、主に女性によって担われていたことにつながると考えられます。
女性は「子育て時間の増加」と「緊急事態宣言期間中の歩数の減少」によって、うつ傾向リスクが約1.3倍となっています。
【出典】「東京大学大学院近藤研究室(健康教育・社会学分野)との共同研究を論文発表 コロナ流行下でうつ傾向を高める生活様式が明らかに!」(株式会社リンクアンドコミュニケーション)
新型コロナによる生活変化
新型コロナによって、休業や閉店を余儀なくされた飲食店やサービス業などでは、非正規雇用者の雇い止めや解雇が急増し、多くの方が収入の減少もしくは失業を余儀なくされています。経済の困窮によるDV、家庭内の不和、アルコールや薬物への依存など、生活面に負のスパイラルを生みだします。
また、自粛による巣ごもりで自炊や通販の利用が増加し、飲み会の減少により飲酒機会が減少した人、宅飲み、オンライン飲みで酒量が増加した人など、ライフスタイルの変化によって飲酒傾向にも変化が生まれています。
その他、購買行動としては、在宅での仕事や学習に対応するためのパソコンやエアコン、調理家電や冷蔵庫など自宅で過ごすことを前提とした家電の売れ行きが好調となっており、多くの消費者が新型コロナによってもたらされた生活様式が続くことを意識していると考えられます。
社会や意識に変化が求められている
世界各国でワクチン開発が進められていますが、一朝一夕にできるものではありません。また、新型コロナの脅威が去ったとしても、以前とまったく同じ生活様式には戻ることはないと思われます。たとえば、新型コロナによって強制的に導入された形のテレワークは、企業にとっても、従業員にとってもメリットがあり、定着していくと考えられます。
テレワークによる働き方やライフスタイルの変化によって、新しい社会の枠組みや人とのかかわり方が必要となってくるでしょう。もっとも懸念されるのは、日常的に対面する機会が減ることで、精神的、物理的に孤立する人が増えることです。孤立する人が困窮することがないよう、またそうした人々に手を差し伸べられる社会のしくみを考えていくことは、ウィズコロナ、アフターコロナの課題ではないでしょうか。
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プロフィール
原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。