正しい言葉遣いはビジネスマンの基本です。ただ、日本語の敬語は難しいもので、気をつけているつもりでも、ついつい誤った表現を使ってしまうこともあります。「よろしいでしょうか」「よろしかったでしょうか」は使い方に自信がない人も多い表現の1つです。
そこで本記事では、「よろしいでしょうか」の使い方について、例文を交えて紹介します。また、その他に気をつけたい敬語の言い回しについても合わせて紹介します。
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1.「よろしいでしょうか」は敬語として正しい?
「よろしいでしょうか」は、「よい(いい)」の丁寧語「よろしい」と問いかけを表す「だろうか」「ですか」の丁寧語「でしょうか」からなる言葉です。
丁寧語と丁寧語の組み合わせからなる言葉なので、「いいですか」の丁寧な言い方として、目上の人に賛成や許可、問題の有無を確認する際にも使うことのできる敬語表現です。
2.「よろしいでしょうか」の例文
「よろしいでしょうか」はビジネスシーンでもさまざまな場面で使えます。よくある使い方を例文で紹介します。
<例>1.ビジネスシーン(会話やメール)で使うとき
「この案で進めてよろしいでしょうか」
「何点か質問してもよろしいでしょうか」
「ご購入商品はこちらでよろしいでしょうか」
「添付ファイルをご確認いただいてもよろしいでしょうか」
「〇日の〇時に伺ってもよろしいでしょうか」
「来週の面談ですが、日程を〇曜日の〇時に変えていただいてもよろしいでしょうか」
<例>2.日常会話で使うとき
「お隣に座ってもよろしいでしょうか」
「荷物はこちらに置いてよろしいでしょうか」
「集合時間は〇時でよろしいでしょうか」
なお、「いいですか」の敬語への言い換えとしては、「よろしいでしょうか」の他に「いかがでしょうか」「構いませんでしょうか」「お間違いないでしょうか」なども使うことができます。
また、自分が「よろしいでしょうか」と聞かれた場合、「構いません」「〜で結構です」といった言葉で返答することができます。
3.「よろしかったでしょうか」は誤りになる場合も
共同宣伝が行ったアンケート調査結果(※)では、「今どきの最も嫌われる話し言葉」が、この「よろしかったでしょうか?」でした。「よろしいでしょうか?」よりも丁寧な言い方と勘違いしている人もいるこの言葉、どう使い分ければ良いのでしょうか。
<例>1.携帯電話にかけるとき
×「〇〇様の携帯電話でよろしかったでしょうか?」
↓
○「〇〇様の携帯電話でよろしいでしょうか?」
<例>2.来店人数の確認時(予約なし)
×「いらっしゃいませ。3名様でよろしかったでしょうか?」
↓
○「いらっしゃいませ。3名様でよろしいでしょうか?」
1と2はいずれも現在のことを確認しているので、"現在形"で話すほうが違和感はありません。ただし、過去形がふさわしい場合もあります。
<例>3.明日までに3部コピーするよう依頼され、翌日に確認する時
○「コピーいたしました。3部でよろしかったでしょうか?」
3は過去(昨日)のことを確認しているので、"過去形" がふさわしいでしょう。
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4.その他にも気をつけたい敬語の言い回し
敬語、特に目上の人と話す時に敬語では、「よろしいでしょうか」以外にも気をつけたい言い回しがいくつもあります。ここでは、その代表的なものを4つご紹介します。
4.1.上から目線なニュアンスを消したい?......「なるほどですね」
上司や先輩、あるいはお客様から聞いた話に心から感心したり、納得したりしたとき、思わず「なるほど~」と言いたくなることはありますよね。
ただ、「なるほど」を目上の方に対して使うのは「上から目線になるかも...」と気遣っているのか、「なるほど」に「ですね」をつけた言葉をよく耳にします。相手との関係性にもよりますが、実は、この言葉に違和感をもつ方がとても多いのです。では、どう言い換えればいいのでしょうか。
<例>
×「なるほどですね」
↓
○「なるほど」+「さすがでいらっしゃいますね」
○「なるほど」+「おっしゃる通りですね」
○「なるほど」+「勉強になります」
「なるほど」に一言付け加えることで、ぐっと丁寧な印象になり、目上の方に対しても失礼にあたりません。また、3つ目に挙げた「勉強になります」ですが、「参考になります」よりも敬意が伝わります。(「私の話は"参考"程度か...」とがっかりする方も中にはいます)
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4.2.なんでもそれですませちゃう?......「大丈夫です」
「大丈夫」の意味として、多くの国語辞典に「危なげがなく安心できるさま」、「強くてしっかりしているさま」また、「間違いがなくて確かなさま」と記載されています。特に接客の場面でよく耳にする「大丈夫」という言葉、使い方は正しいのでしょうか?
<例>1.お客様に対して
×「お水のお代わりは大丈夫ですか?」
↓
○「お水のお代わりはいかがですか?」
<例>2.お客様からの「お化粧室を借りてもいいですか?」に対して
×「はい。大丈夫です」
↓
○「はい。どうぞ、お使いください」
本来は「安否」や「正誤」の意で用いる「大丈夫」を、1は「要・不要」、2は「可否」(「諾否」)の意で使用しています。意味は通じるかもしれませんが、正しい言葉遣いとはいえません。
言葉は生き物なので、時代とともに変化し、今後は意味が変わる可能性もあります。また、日本語は奥が深く、専門家によって見解も異なり、「間違い」と言い切れないものもあります。ただ、多くの人が違和感をもつ言葉遣いには十分気をつけたいものです。正しい意味の言葉を用い、お客様との会話がスムーズに成立するよう心がけましょう。
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4.3.上から目線と思われる?......「了解です」
「了解です」も日常会話やメールなどでよく使用される言葉です。そもそも「了解」には、「物事を理解して、内容や事情を承認し許可する」という意味があり、仕事を依頼されたときや、頼み事をされたときの返事として使用されます。
同僚など対等で親しい間柄の方に使用するのは問題ありませんが、「許可する」というニュアンスが含まれているため、目上の方に使用するのは適切ではありません。
目上の方への返事には、以下の例文のような表現がおすすめです。
<例>
×「了解です」
↓
○「かしこまりました」
○「承知いたしました」
また、「了解です」と同様に「わかりました」にも尊敬や謙譲の意味合いは含まれていないため、目上の方には使用しないのが賢明です。
【関連記事】「「了解しました」は正しい敬語?「承知いたしました」との違いとは」
4.4.比べるものがないのに?......「〇〇のほう」
「お会計のほうお願いします」「メニューのほうお下げします」など、「〇〇のほう」という言葉をうっかり使用している方も多いのではないでしょうか。「〇〇のほう」は漢字で書くと「〇〇の方」となり、方角を指すときや、2つ以上のものから1つを選ぶ際には適切な表現です。
しかし、それ以外で使うのは誤った使い方です。対象物を曖昧にして、ぼやけさせたいという意識から使用されがちですが、ビジネスシーンにおいてははっきりわかりやすい言葉で伝える必要があります。
<例>1.
×「ご検討のほうよろしくお願いいたします」
↓
○「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」
<例>2.
×「書類のほうお預かりいたします」
↓
○「書類をお預かりいたします」
これらの言葉は日常的に使用していると、慣れが生じて違和感に気付けなくなってしまうことがあります。しかし、ビジネスシーンでは不適切な言葉だということを理解して、日頃から意識することが大切です。
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