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【NECキャピタルソリューション株式会社】キャリアアップへの不安。体験を伝え次の世代を後押しする

▶︎ プロフィール

NECキャピタルソリューション株式会社
業務本部 ビジネスサポート部 マネージャー
村上 直美(Murakami Naomi)
新卒でNECキャピタルソリューション株式会社に入社し、営業アシスタントとして本社の営業部門に所属。二度目の異動で配属された企画部門にて主任を務めた後、総合職へ転換。現在は、自身が立ち上げに関わった、営業事務業務の標準化や効率化を通じビジネスサポート力の更なる強化を図る営業事務部門に在籍。部の運営およびマネジメントに従事している。

NECキャピタルソリューションの村上さんは、この10月から新設されたビジネスサポート部でマネージャーを務めています。
村上さんは、地域職入社でしたが、上司とのキャリア面談を経て総合職に転換後、管理職を担ってきました。NECキャピタルソリューションでは、女性が活躍するための制度が充実し、上司の理解も進んでいます。それでも、村上さんは、ポジションが変わるたびに不安を感じ、尻込みをしてしまうところがあったそうです。それは環境の問題ではなく、ポジションが変わるとどのような働き方になるのかが想像できず、特に女性として、結婚や出産というライフイベントに直面した場合にうまく両立できるのかと大きな不安を感じていたからです。

村上さんは、女性社員がこのような不安を解消するには、個々の社員が自分の体験を次の世代へ伝えていくという地道な活動を長く続けることが大切だと感じています。新設されたビジネスサポート部では、業務プロセスを確立するとともに、そのような体験を伝える場にもしたいと村上さんは考えています。

幼稚園教諭志望から金融業界へ

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ーー村上さんが所属されるNECキャピタルソリューションは、どのような事業をされているのでしょうか?
弊社はICT機器のリースをコア事業とした金融会社です。官公庁や民間企業が、基幹システムやPC、タブレットなどを導入する際にリースとして提供しています。また、リースのみならず企業向けファイナンス(融資・債権流動化等)や、これまでの官公庁自治体との連携ノウハウを活かして地方自治体・地域金融機関と共に地域新電力会社を設立する等、地域が抱える社会課題を幅広い金融ソリューションで解決しています。

ーーその中で、村上さんの所属するビジネスサポート部はどのような業務をされているのでしょうか?
ビジネスサポート部は、複数の営業部門の営業事務を一手に担っている、いわば営業事務のプロフェッショナル集団です。各種契約関連書類を作成したり、契約関連情報を基幹システムに登録したりと、営業職の方が営業業務に集中できるように事務面からサポートしています。
リースと一口に言っても、契約のオプションがたくさんあります。基本契約の他に、お客様のニーズやご要望によって、さまざまなオプションをつけていく。すると、標準マニュアルだけではカバーしきれない契約内容になることもしばしばあります。そんな時は、これまで培ってきたノウハウをチームで共有し、社内業務としてどのように扱えばいいかを考え、作業が円滑に進むようにしています。

ーー村上さんは、新卒入社ということですが、元々金融業界を志望されていたのでしょうか?
元々は幼稚園教諭志望だったので、資格が取得できる短大に通っていました。ですが、大学時代にアルバイトをした経験から、幼稚園だけではなく、企業に就職する道もあるなと思い始めました。当時、企業への就職活動は10月が最終選考時期、一方、幼稚園の採用募集は翌3月頃開始という状況だったので、まずは企業に対して就職活動をすることにしました。
高校生の時、数学が好きだったので、担任の教諭に金融が合うんじゃないかと言われたことを思い出して、弊社の入社面接を受けました。

チームメンバーは私の体の一部。他では味わえない喜び

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ーーNECキャピタルソリューションに入社した決め手になったのはどのような点ですか?
すごくアットホームな印象を受けたことです。実を言うと、お恥ずかしい話ですが、弊社がどんな事業をしている会社なのかもぼんやりとしたまま入社面接を受けたんです。そんな私に、人事面接官は優しく接してくれただけでなく、親身になっていろいろ教えてくれました。
私は、元々、大企業ではなく中規模の企業を志望していました。あまりに大きすぎる会社だと、その会社がどんな事業をしていて、どんな人がいるのかを実感できず、限られた社内の関係者の中で仕事をすることになるのではと不安に感じたからです。当時、弊社はまだ300名ほどの企業で、私という人間を見て、私が頑張って成果を出したら「村上さんは頑張った」と評価をしてくれるはず。そう感じました。

ーー入社してみて、その印象はその通りでしたか?
期待以上でした。入社したばかりの頃は、まだ業務内容もわからないので、自分からこういう仕事がしたいと積極的に言うことができませんでしたが、自分が仕事をしている姿を上司がちゃんと見ていてくれるという安心感がありました。そして、私を評価し、「こういう仕事をしてみたら」と引っ張ってくれるのです。それが結局、自分がやりたい仕事と合致していました。上司に恵まれたということもありますが、そういう面では非常に運がよかったと思います。

ーーどのような業務をされたのですか?
入社して4年目に、パートナー会社の方々と一緒に営業事務のチームを組みました。まだ20代半ばなのに、事務に係る社員は私だけという状況で、パートナーの方々をまとめるといった管理職的な仕事を任されたのです。
パートナーには私よりも年上の方もおり、業務知識も私以上にお持ちです。そういう中で、私がチームの業務を回していかなければならない。最初はうまくやっていけるのだろうかと、すごく不安でした。

ーーどのようにして、チーム運営をされたのでしょう?
幸いにも、チームの方々は、私が年下だからといって軽く見るというような方はいらっしゃらず、みなさんとてもいい方ばかりでした。
ですが、私の立場では、決めることは決めなければいけません。パートナーの方々は、私が仕事の方針を決めれば、豊富な知識と経験を活かして素晴らしい仕事をしてくださいます。ですが、私が何も決められずにいると、パートナーの方々は動くに動けず、迷惑をかけることになるのです。
ですから、決めることははっきりと決める。決めるべきルールははっきりと伝えるということを心がけていました。
また、距離感の保ち方にも気をつけました。同じ職場で働くのですから、仲良くすることはいいことなのですが、あまりに過剰に仲良くなりすぎて、友達のようになってしまっては、「こうしてください」「そうはしないでください」ということが言えなくなってしまいます。
距離感を保つというのは、仲良くしない、ギスギスするということではなく、仕事の上での線引きをきちんとして、その上で人と人との関係では仲良くすることです。その距離感の保ち方は常に意識をしていましたし、パートナーの方々もそれを理解していただけました。業務に関しては真面目に取り組み、休み時間には世間話をして仲良くするいいチームになったと思います。
それが、20代半ばで管理職のような仕事を任されて、なんとかうまくこなせたことにつながったと思います。

ーーその経験は、現在、実際に管理職になられてからも役立っているのではないですか?
とても役に立っています。ただ、意外なのは、自分では「厳しい上司」のつもりなのですが、「優しい上司」と評価してくれる部下がいるんです(笑)。自分で考える評価と、他人の目から見る評価って、違いがあって面白いですね。
私は、チームの業務を円滑に進めるために、指示を出した後も、部下がスムーズに仕事を進められているかどうか気になって、声かけをするようにしています。部下が一人で悩んでしまって、追い込まれてしまうようなことは絶対に避けたいからです。どうも、それが「よく声をかけてくれて、面倒見のいい上司」という評価になっているようです。
厳しいことは言います。ですが、上から押さえつけるような言い方は絶対にしません。なぜそう考えたのか、なぜそう動いたのか、必ず意見を聞きます。それも優しいという評価につながっているのかもしれません。

ーーマネージャーという管理職になる時、ご自身とのライフイベントとの兼ね合いで、躊躇をされるというようなことはありましたか?
それもありましたが、私の場合は、地域職で入社して、途中で総合職に転換をしています。その時の方が悩みました。総合職の場合は転勤の可能性がありますから。
上司からは、総合職への転換を勧められていたのですが、当時、私は結婚したばかりでした。夫も東京で仕事をしているので、転勤を命じられたら単身赴任をすることになります。子どもというのは授かりものですから、単身赴任中に出産ということになったらつらいなあと思い、それで総合職への転換を断っていたのです。
ただ、多様な働き方に対する会社の考え方もどんどん進み、本社での業務に専念をしたいという希望を言えば、かなり考慮してもらえるようになりました。また、私自身も営業事務という領域の業務に携わりたいという希望があり、上司や会社もそれを可能な限り考えてくれるようになりました。それで、ある時、上司に「実質的に管理職の仕事をしているんだから、次のステップに進んだら?」と後押しされ、私も納得をして、総合職に転換をしました。

ーー管理職になると、責任が重くなるので、ライフイベントとの両立に不安を感じるという人が多いですが、村上さんもそうお感じになりますか?
管理職の責任が重いというのはその通りだと思います。マネージャーになると、チーム運営だけでなく、チームメンバーの評価をしなければなりません。これはつらいです。部下の自己評価と、上司評価に乖離があるのは当然なのですが、面談では、それを本人に納得できるように可視化をして説明しなければなりません。評価面談の前は、どう説明すればいいか、いつも悩みます。
なので、私の場合は、常日頃から、この仕事は評価にどのように影響するかということもきちんと説明するように心がけています。それでも、面談の時になって、あの時もっとこう説明しておくべきだった、こういう言い方をすべきだったと、反省点が多く出てきます。
ですが、管理職研修で意見交換をすると、多くの管理職が私と同じことで悩んでいる。それを知ることで、少し安心できます。
確かに、管理職になると責任は重くなります。ですが、じゃあ、管理職じゃない責任が重くない仕事であれば、いい加減にやっていいのかというとそれは違います。管理職じゃなくても、その責任の重さに応じて、きちんと仕事をするというのが社会人として当たり前のことなのですから、管理職の責任の重さだけを過剰に捉えて不安になることはないと思います。

ーー管理職になられて、やりがいとか楽しさを感じるところはありますか?
やりがいとか楽しさの方がはるかに大きいと思います。チーム全員で、ひとつの目標に向かいそれを達成し、全員で同じ達成感を感じることができるのです。社員の時は、基本は自分一人の達成感しかありません。ですが、管理職になると、仕事の進め方を考えて、それをチームのメンバーに伝える。いろいろな人がいます。考え方も違う、性格も違う。そういう人たちが意見を出し合って、目標を共有し、全員でやり遂げる。これが仕事の味わいだと思います。
よく、部下のことを「私の右腕」と喩えることがありますけど、本当にチームメンバーは私の体の一部だと思えることがあります。そういう時に、他では味わえない喜びを感じます。

自分の体験を伝えることで、次の世代を後押ししたい

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ーーNECキャピタルソリューションでは、一般職から総合職への転換を推奨しているそうですね?
はい。女性のキャリアアップを支援し、多様な働き方を実現すべく様々な推奨策を行なっています。すでに多くの女性が総合職へ転換しましたが、地域職の社員の意識を変えるといった観点でいうと、まだまだ道半ばといった状況です。
地域職で入社をして、総合職に転換をしたくないという社員の気持ちも理解できます。私自身がかつてそうでしたから。慣れた同じ業務をこなして、転勤などの環境変化もなく、穏やかな生活を送りたいという気持ちはわかります。それも働き方のひとつなのですから、尊重すべきだと思っています。
ただ、見ていると、総合職に転換した方がいいのになあ、もったいないなあと思う者もおり、そのような社員の意識がもっと変わってくれたらいいなと思っています。

ーーなぜ、そのような方は総合職に転換されないのでしょうか?
一言で言えば、尻込みをしてしまっているのだと思います。私もそうだったように「出産と転勤が重なると困る」という事情もそれぞれあるかと思いますが、当時と今では会社の考え方も大きく変わっていて、上司に相談をすれば、さまざまな制度を活用して、最大限、働き方の希望を受け入れてもらえる環境になっています。
ただ、そのような具体的な事情よりも、ポジションがあがったらどのような働き方になるのかがわからず不安に感じるという理由の方が大きいのではないかと感じています。ですが、ポジションがあがることに不安を感じるというのは、管理職になる時だけではないんですよね。
私も、普通であれば、次は部門長になってというキャリアパスになるのですが、まだ上を目指すことに踏み切れない気持ちがあることを自覚しています。自分にできるだろうかという自信のなさもありますし、今の上司を見ていると、私には足りないところがまだまだたくさんあると思ってしまい、今は、上を目指すというよりも、先に学ばなければならないことがたくさんあるという気持ちです。
管理職だけでなく、どのポジションにいても、変化に対する不安というのはついて回るのだと思います。

ーーそういう尻込みをする気持ちを解消するには、どのようなことが必要だと思いますか?
私個人でできることで言えば、自分の体験をできるだけ部下に話すことだと思っています。こういうところが大変だとか、やってみたら、意外に楽しかっただとか、そういう個人の体験をできるだけ伝えたい。
見ていると、管理職と変わらない業務をこなしていて、責任感もしっかりと持って業務に向き合っている地域職の社員がたくさんいます。そういう方に、私個人の経験ですが、機会があれば伝えて、気持ちを切り替えるきっかけになってくれれば嬉しいですね。

近年、弊社は働き方に対する考え方を大きく進めて、多様な働き方を促す会社になってきていますが、以前は、他の企業と同じように「地域職と総合職」という考え方がありました。それは弊社のひとつの文化のようになっていて、それを変えていくというのは時間がかかることだと思います。ましてや、その文化のいい部分は継承しながら、時代に合わない部分を修正していくというのは簡単なことではないと思います。
ですので、地道な活動を継続していく。普段のコミュニケーションの中や研修会などの機会に、互いの経験を伝え合っていくということが大切だと思います。

今、私は新設されたビジネスサポート部のマネージャーになりました。この部署は、さまざまな部署から人が集まって構成されています。考え方や手法が異なる部署の人が集まって、ひとつの業務をすることになりますので、ここが互いの経験や考え方を伝え合う場になるのではないかと期待をしています。
私も、新設部署のリーダーとして、自分の経験をメンバーに伝えて、メンバーに活躍をしてもらいたいですし、私自身も上司の経験談を聞いて、今後、自分のキャリアパスを明確にしていけたらいいなと期待しています。


すでに管理職の業務を遂行し、新設部署の立ち上げまで任されるようになるほど、社内で評価されている村上さんが、今でも次のポジションにあがることに対して、不安をもたれているというのは貴重なお話だと思います。

人は誰でも、安定した生活を好みます。毎日同じ業務をこなし、同じ生活を営むというのは、しあわせの形のひとつです。それを、いい方向に変えるのであっても、変わるということに不安を感じるのは、どのようなポジションにいても同じで、今までは、みなその不安を乗り越えて仕事を行っていました。
NECキャピタルソリューションと村上さんは、それを変えようとしています。個々の体験を伝え合うことで、その不安を解消し、また、会社もさまざまな部署から人が集まる新しい部署を新設することで、知見の交流を促そうとしています。人材を活用するために、制度改革、意識改革を行なっている企業は多いですが、村上さんのような体験談の交流というのは新しいアプローチではないかと思います。

(編集部)


NECキャピタルソリューション株式会社

東京都港区港南二丁目15-3

https://www.necap.co.jp/

NECグループの金融サービス会社。お客様の経営資源に関わるさまざまな課題に対して、解決策を提供しています。

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