【医療法人社団活寿会 ひざ関節症クリニック】患者に寄り添える自由診療の世界で自分を輝かせたい
▶︎ プロフィール
医療法人社団活寿会 ひざ関節症クリニック
インサイドチーム主任
萩原 里子(Hagiwara Satoko)
専門学校卒業後、総合病院勤務。外来クラークで1年半勤務後、健診センターの立ち上げに携わる。その後は、10年間にわたり、設備レイアウトから料金設定、ホームページの管理マニュアル作成、電話応対エスコート、契約まで健診センターの業務に従事。2018年4月に医療法人社団活寿会 ひざ関節症クリニックに転職。銀座院のコンシェルジュを経て同年9月、インサイドチーム発足と同時に同チームに異動、2020年6月から主任。ひざ関節症クリニックの全ての院の予約受付や業績アップのための分析などを行う。
先進医療の1つとして耳にすることが増えた再生医療。「国民病」とも言われる膝関節症の治療法にも自由診療として導入されています。その専門クリニックを、東京や大阪など5か所に展開しているのが、医療法人社団活寿会ひざ関節症クリニック。萩原里子さんは「インサイドチーム」の主任として、全国から寄せられる問い合わせメールや電話から予約を取得し、医師による診療に繋いでいます。「自由診療だからこそのやりがいがある」と話す萩原さんに、インサイドチームの仕事や、リーダーとして心がけていることなどをお聞きしました。
自由診療にこそ、患者に寄り添う医療があると感じた
――以前は総合病院で勤務されていたのですね。
小さいころからぜんそくを持っていたこともあり、医療関係に進みたいと専門学校で医療事務を学んだ後、新卒で総合病院に入りました。最初の1年半は呼吸器内科の外来受付にいたのですが、ちょうどそのころ政府がメタボに着目した特定健診や特定保健指導をスタートさせた時期で、その病院でも新たに健診センターを新設することになり、その立ち上げから関わることになりました。
――まだ新人なのに大きなプロジェクトに関わることになったのですか。
まだ右も左も分からないから、健診センターについての会議があると聞いて、素直に「準備しなきゃ」と思ったんです。それでいろいろ調べて会議で発言したら、それがきっかけで健診センターの立ち上げに関わることになりました。
――そこからずっと健診センターだったのですか。
はい、10年間健診センターでした。立ち上げメンバーは、最初は私一人で、文字通り更地の状態からのスタートでした。部屋のレイアウトや料金設定、契約、動線というところも私が考えました。実際に運営が始まると、電話応対エスコートから、健診結果の入力、結果表の郵送まで一通りの業務を担当するようになり、気がつくと新人指導なども任されるポジションになっていました。
――診療科の外来受付とはかなり仕事が違うのでは?
仕事の内容そのものも違いますが、保険診療と自由診療の違いを大きく感じました。前職の総合病院では、健診センターだけが公的保険の適用のない自由診療です。お客様が自己負担するわけですから、より質の高い接客が求められます。「こんなに患者さんに寄り添う医療があったんだ」と思いましたね。また、時代の流れが予防医療にシフトしてきていることもあり、自由診療の将来性も感じていました。
――そこから転職を考えたのはなぜですか。
総合病院では、どうしても命優先になります。ですからもっとよいサービスを展開したいと改善案を出しても、健診センターからの提案は通りにくくなるところがありました。センターの運営も軌道に乗っていたので、何か新しい挑戦をしてみようと。
――転職先として、ひざ関節症クリニックを選んだのはどうしてですか。
転職をするときに軸にしていたのは、今までの医療の知識を生かせるということでした。保険診療だと、たくさん来る患者さんをさばいていくイメージがあって、一人ひとりに寄り添うことが難しいように思いました。ですから自由診療で、もう少し質のよいサービスを提供できる場所がいいかなと。でも転職サイトを見たら、自由診療の求人はあっても健診センターばかりで......。その中で見つけたのが、当院の求人でした。初めてひざ関節の再生医療を専門に行っているクリニックがあることを知り、ぜひここで働きたいと思いました。
「この人は頼りになるな」という信頼を勝ち取りたい
――ひざ関節症クリニックではどんな方にどんな医療を行っているのですか。
ひざの痛みは国民病とも言われていて、潜在的な患者さんがとても多いと言われています。当院が行っている再生医療は、血液を使うPRP-FDと、細胞を使う培養幹細胞治療です。実際にクリニックに来られる方の年代は20代から90代までいらっしゃいます。若い方はスポーツで痛めた方が多いですね。10代でひざを痛めて治療をしたけれども、何年間か経過して、痛みがまた出ているというケースも多いです。まだひざの再生医療専門のクリニックが少ないこともあって、北海道から沖縄まで全国から問い合わせがあることからも、本当に今求められている医療なのだと感じています。
――最初からインサイドチームだったのですか。
いえ、クリニックに入ったばかりのころはまだインサイドチームはなくて、銀座院のコンシェルジュをしていました。昨年9月、発足と同時にインサイドチームのメンバーになりました。2人からのスタートでしたが、今は7人に増え、今年の6月からは主任としてチームをまとめる立場です。
――医療機関にインサイドチームがあるのは珍しいですが、具体的な業務内容は?
確かに医療でインサイドセールスをしているところは珍しいようで、「そんな仕事があるんだ」とよく驚かれます。インサイドチームのミッションは2つあります。予約を取得することと、各院の業績に責任を持つことです。具体的には、電話やメールでの問い合わせの発生から予約を取得し、各院に受け渡す仕事です。そのため各院の状況も常に把握しておくことが必須です。朝礼では各院が目標を達成できるように予約の最短誘導日、誘導可能枠、現在の成約金額、などを共有し予約を優先すべき院などを確認しています。
また、どんな流入経路から予約が発生し、私たちがどんなアナウンスをしたときに、どんな治療を選んでいるかを分析することで、マーケティング部門と連携して確度の高いゲストを取るようにしています。
――予約取得のために心がけていることはありますか。
ただ予約を取りにいくのではなく、カウンセラーに近い形で問い合わせに対応しています。まずは、お客様の話をよく聞くことが大事ですね。再生医療はまだ認知度が低いので、話の中で「この人は頼りになるな。行ってみようかな」と信頼を勝ち取れるように、トーク内容とか話し方などをロールプレイングしたりして、日頃からチーム全員でスキルアップに努めています。
――チームにはどういう方が多いのですか。
現在は20代と30代の7人で全員女性ですが、男性も募集しています。前職は多様で、実は医療関係出身は私だけです。他はウェディングプランナー、コールセンターのオペレーター、銀行員、ファッション系などいろいろですが、接客経験がある人が多いですね。営業とかセールストークがうまい人も向いています。この仕事ではお客様の話にしっかり耳を傾けることも大事です。ですから、ふだんから友達によく相談される「聞き上手」のタイプが多いですし、実際それは大事な適性だと思います。
――主任としてチームをまとめるために気をつけていらっしゃることは?
結構電話やメールが立て込んでくると、一人で抱え込んでしまう場面が生じるので常に今の状況を把握できるようにしています。抱え込んだときにそれを発信できるスタッフはいいのですが、みんながそうではないので。社内連絡ツールを使って問題が起きたら、すぐにそこで話し合えるようにもしています。また、みんなが1つの部屋に集まって仕事をしていて、みんながみんなをモニタリングしているような状況なので、スタッフが委縮してしまわないように、普段からコミュニケーションをとって、質問しやすい環境づくりも心がけていますね。
自分が輝ける場所で働く方が人生は絶対楽しい
――インサイドチームの仕事の魅力はどんなところにありますか。
予約をしてクリニックを受診された方にアンケートを取っているのですが、そこに「話を聞いてくださってとてもよかった」とか「説明がわかりやすかった」というお声があると、自分たちが役に立っているんだと実感できます。また、最初の電話で「娘と相談してみるわ」と話していた方がまた電話をかけてきて、その際に「萩原さんをお願いします」と指名をしてくださる時もあります。そういうときにもお客様に寄り添えていることが感じられますね。
それと、健診センターの時とは違って、このクリニックでは研修生でも、何年所属している人でもいい提案をすればすぐに通してくださいます。そういう点も恵まれていると思います。
――課題があれば教えてください。
まだまだチーム内のトークスキルに個人差があるので、そこは改善していきたいですね。どんな言葉が効果的なのかを検討したり、トークの流れを構築したりすることが必要だと考えています。
また、今はまだひざ関節の再生医療の認知度が低く、私たちもその状況を踏まえたうえでトークを展開する必要がありますが、今後認知度が上がったときに、お客様の「治療を受けたい」という意欲をどう高めていくのか、どうやってベストな状態で各院にパスができるのか、そういったことも予め考えておく必要があると思っています。
――再生医療は今後どんどん伸びていくだろう分野ですから、楽しみですね。
本当にそう思いますし、私もこの仕事を通して、再生医療の認知度アップに貢献していきたいと思っています。最終目標としてはレーシック治療みたいになったらいいなと思っています。自由診療だけれど、安全だと認知されている状態です。目が悪くなると、「眼鏡かコンタクト、それにレーシックもあるよ」という感じになっていますが、ひざの再生治療も「ヒアルロン注射してダメだったら再生医療もあるね」となればいいですね。
――同じ医療に携わる仕事でも、病院勤務時代とは随分違うのでは?
はい。健診センターも自由診療でしたが、あくまでも保険診療である病院の一部門でした。ですから、そういう意味でもクリニックに入ってすぐの頃は慣れないことが多くて大変でした。自覚はなかったのですが、今思えば、他のスタッフよりも自由診療に対してアレルギーのようなものがあったような気がします。お客様からの電話でも、その方にとっていちばんベストな状態というものを自分の勝手な価値観で決めてしまうところがあって、予約への誘導率もとても低かったです。それで、スタッフの中に電話のスペシャリストのような人がいたんですが、その方にロールプレイングをしてもらったり、どう話せばいいのかミーティングをしたりして、スキルを上げることができました。
――健診センターに配属になったきっかけもそうですが、いつも目の前の課題に真摯に取り組んできて、今がある感じなのですね。
はい。そういう姿勢でいたら、気が付いたら健診センターにいて、そこで自由診療と出会って、クリニックでも自分に不足していることを補おうと努力してきた結果、チームをまとめる立場になっていたという感じです。
――健診センター、そしてクリニックのインサイドチームと、スキルの幅を広げていらっしゃいますが、今後のご自身のキャリアについてはどう考えていますか。
今は主任として頑張っていきたいなと思っています。これまで経験した仕事も生かせますし、「患者さんにもっと寄り添いたい」という希望もここでなら叶えられます。もちろん再生医療そのものに大きな可能性を感じていることもあります。
ここは私が輝ける場所だと思っています。生活のほとんどの時間は仕事場にいます。だとしたら、それは自分が輝ける場所の方が人生絶対楽しいと思いますから。
保険医療から自由診療、病院での受付事務から、インサイドセールスへ――。萩原さんのキャリア変遷はとてもユニークです。とはいえ、「患者にもっと寄り添いたい」「患者さんの役に立ちたい」という萩原さんの強い思いを考えれば、自然なキャリアチェンジともいえます。
印象的だったのは、新人ながら自主的に会議の準備をし、それがきっかけで健診センターの立ち上げに関わったというエピソードや、そして、電話でのトークが苦手で、でも得意なスタッフに頼んでロールプレイングを繰り返してスキルアップしたというエピソード。いつも与えられた仕事に真摯に向き合い、スキルアップを惜しまない萩原さんの仕事への姿勢が伝わってきます。
遠くの高い目標に向かって戦略的にキャリアを積んでいく道もありますが、萩原さんのように、目の前の仕事に全力を注ぎ続けるなかで、自然に導かれていくキャリアも素敵だなと感じました。
医療法人社団活寿会 ひざ関節症クリニック
東京都新宿区西新宿1-4-11 宝ビル9F
https://www.knee.or.jp/ひざ関節の治療に注力し、専門性を高めた整形外科クリニック。自由診療に特化することで国内に留まらず世界から先進的な治療を導入し、素早く提供してまいります。