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【ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社】 同じ歩調の中に、たまにスキップを入れてみる。肩の力を抜いてチャレンジを

▶︎ プロフィール

ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社
経営管理本部 人事部 ダイバーシティ&インクルージョン推進チーム チームリーダー
兼 経営管理本部 人事部 人事G 人事企画チーム チームリーダー
湯浅 光代(Yuasa Mitsuyo)
大学卒業後、日系自動車ディーラー勤務。その後、米国系医療機器メーカー勤務を経て、 2010年よりマスミューチュアル生命保険(現ニッセイ・ウェルス生命保険)勤務。 社会人1年目より現在に至るまで一貫して人事・人材開発領域での業務に従事。 昨年よりダイバーシティ関連にも関わる。 この間に出産を経て、現在中学生の子供の母親。

ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社の人事部人事グループでチームリーダーを務める湯浅光代さんは、社内の女性活躍ダイバーシティグループのチェアパーソン(リーダー)も務め、女性社員が自分のキャリアを見つめ、会社に貢献してゆくための活動もしています。
そして、この活動の中から「会社の女性社員のすべてが管理職になりたいと考えているわけではない」ということがわかってきたといいます。女性と一口で言っても、考え方、生き方はそれぞれに違います。たとえば「仕事も生活もしっかりとやり遂げたい」という方の中には、仕事による過度な負担を避けたいと思われる方もいらっしゃいます。

湯浅さんは、出産と育児を経て、また現在は管理職を務めるというご自身の経験も踏まえ、さまざまな考え方、生き方の人がともに楽しく働ける職場づくり、制度づくりを目指しています。

ダイバーシティグループ活動を通して見えてきた
女性管理職登用への課題

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ーー現在、ニッセイ・ウェルス社内でどんな業務を担当しているのでしょうか?
人事部人事グループに所属をして、主に人事制度の企画と運営に携わっています。
また、弊社では会社組織とは別に、2015年から2019年までは4つ(女性、若手、シニア、障がい者)のダイバーシティグループ活動があり、2019年はその中の女性活躍を推進するグループでチェアパーソンと呼ばれるリーダーを務めました。
これまでの活動は、社員が求めていることについて、活動を通じて理解を深めることに軸足が置かれていましたが、この2020年4月からはダイバーシティグループの組織体制を変更して、制度などにも踏み込み、社員が求めていることと会社が望んでいることを融合した形の実現を考えていくために新たに「ダイバーシティ&インクルージョン推進チーム」が設置され、チームリーダーとして企画・運営を進めています。

ーーダイバーシティの活動などを通して、女性社員は、どのようなことを求めているとわかってきたのでしょうか。
とても難しいと感じたのは、管理職など責任のある立場に、女性全員が必ずしもウェルカムではないということです。仕事が中心ではなく、自分のできる範囲をきちんとやって、プライベートも同じくらい充実させたいと考えている人が多いということがわかりました。
弊社の社員男女比は、男性60%、女性40%程度ですが、管理職の女性比率は10%台でしかありません。会社としては、女性管理職をもっと増やしたい。でも、女性社員の中には、昇進を求めていません、という方も多いのが実態でした。
会社は今後、女性管理職の登用を進めていくことを検討しますが、女性社員がそこにチャレンジしたいという気持ちをどうやって醸成するのかが大きな課題だと感じています。

ーー女性は、昇進に対して消極的な方が多いということでしょうか?
消極的というのとは少し違うと思うんです。責任のあるポジションに就くと、どうしても業務量は多くなりがちです。働く時間についても、毎日必ず定時に帰宅することが難しい日も出てくることが考えられます。たとえば小さなお子さんがいらっしゃる方の場合、30分の残業であっても、保育園のお迎えに遅れてしまうかもしれないという点を懸念されるでしょうし、お子さんがいない若い女性社員も将来のキャリアを考えると同じような心配をしてしまうのではないでしょうか。

日々の仕事を選ぶことはできない
だからこそ、どうせやるなら前向きな気持ちで働きたい

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ーー湯浅さんもお子さんがいらっしゃいますが、ご自身もそこに不安を感じられましたか?
感じました。それがきっかけで、転職について考え始め、ニッセイ・ウェルス生命に入社することにしたのです。前職は、外資系企業の人事部門で仕事をしていました。
ワークライフバランスにはとても理解のある会社で、産休、育休は合わせて1年取得しました。
さらに1年間は時短勤務が認められていました。それらの制度を活用し、出産をし、保育園に子どもを預けて復職をしました。
時短勤務が終わり通常勤務になると、終業時間ちょうどに会社を出なければ、保育園のお迎えにぎりぎり間に合わないという状況でした。15分でも残業をしてしまうとほんとうにギリギリの到着でした。会社から保育園まで、駅の乗り換えではずっと小走りで、保育園では「遅くなってすみません」と申し訳ない気持ちになっていました。小さなことかもしれませんが、それが毎日のことでしたので、いつも夕方はハラハラしていましたね。
これがきっかけで転職を考え始めました。当時の私は、当社の就業時間が9時から5時という点がとても魅力的でした。5時に終わってくれれば、お迎えに間に合いますので。精神的にとても楽になったことを覚えています。

ーーその頃、管理職のオファーがあったらどうでしたか?受けましたか?
前職の頃だったら、お断りしていたと思います。自分のことで精一杯で、とても部下を持つなんて考えられませんでした。
働ける時間が限られていることがわかっていたので、とにかく時間内でパフォーマンスを出そうと業務と時間をやりくりし、効率をあげるべく努力していました。
以前は、外資系企業だったため、海外とのオンライン会議が夜遅い時間にあったりしました。その時は、自宅でPCを開いて会議に参加するのですが、時々仕事と家庭の区別がつかなくなってしまって困りましたね。家庭にいる時は、家族との時間を大切にしたいなと思うようになりました。

日々の仕事は選ぶことはできませんが、どうせやるなら前向きな気持ちで働きたいと思っています。やりがいが感じられて、達成感を得られるような取り組み方をしたい。子どもの保育園や学童へのお迎えのことで毎日ハラハラしたり、家族との時間が取れなくて気持ちが沈んだりして、笑顔が少なくなってしまうような働き方はしたくないなと感じていました。バランスよく働きたいと思っていました。
弊社の女性社員が管理職に及び腰なのも、あの頃の私と同じようなことを考えて、不安に感じているんじゃないかと思います。

ーー家事分担などの面で家族の協力は得られましたか?
夫も実家の両親も協力をしてくれました。私の場合は、この協力がなければ、今まで仕事を続けることは難しかったと思います。家事もできる範囲でやりたいと思っているので、完ぺきではありませんけど、なんとかやっているという感じです。
こういう考えの女性は、意外に多いのではないかと感覚的にですが思っています。

ーー「女性」と一言で括ることはできなくて、いろいろな考え方の方がいらっしゃるということですね?
それがダイバーシティということなのだと思います。私のような仕事も家庭もバランスよくという考え方の人もいるでしょうし、夫婦で家事分担をしている方もいると思います。仕事と家事や育児についてもそうですが、いろいろな考え方、生き方の人が集まって、一緒に仕事をして成果を出してゆく。そういう職場が求められているのだと思います。
男性、女性問わずに、自分の生活に合わせた働き方が選べるように、たくさんの働き方の選択肢が用意されている、そういう職場にしていきたいですね。

同じ歩調の中に、たまにスキップを入れてみる。

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ーー今後、ご自身のキャリアをどう描いていますか?
わからないというのが正直な気持ちです。わからないというより、あえて決めていないという方がよい表現でしょうか。できる限りずっと働いていたいですね。企業に属して人事領域の仕事をしていくだろうなとは思っています。

あまり、自分の将来を決めすぎると、かえって飛躍するチャンスを逃してしまうのではないかと思っています。来るものは拒まず、去るものは、気になったらちょっと追いかけるぐらいの姿勢でいます。(笑)
新しくいただく仕事は、やってみたいなと思うようにしています。詳細がわからなければ、情報を集めてみたりして理解をしようと努力します。少なくとも、ネガティブな感情では引き受けたくないですね。やらされるのではなく、自分からやりたいと思えるようにするか、そこが重要だと思います。

ーー管理職になることに不安を感じている女性にアドバイスをお願いします。
私も経験したように、家庭と仕事を両立させることにいろいろと不安があることはわかります。でも、まずやってみたらどうかなと思います。やる前にいろいろ考えても、結局、考えた通りにはものごとは進みません。やってみて、よかったなと思えるかどうか、あるいはやらなければよかったと感じるか。まず、気軽な気持ちでやってみて、それから考えて判断してもいいんじゃないかと思います。

ーー管理職を引き受けて、やっぱりやめますでは無責任にはなりませんか?
確かに無責任かもしれませんけど、やってみなければその結果はわかりませんよね。もし、うまくいかないなと思っても、一人ですべてを背負う必要はないと思います。上司に相談したり、仲間からアドバイスをもらったり、サポートしてもらったりすればよいのではないでしょうか。新しいことに挑戦する初心者という気持ちで引き受ければ、抵抗感なく周りに助けてほしいと言えますよ。私も上司からの「やってみたらどう?困ったことがあればいつでもサポートするから」という言葉の後押しがありました。今でも判断に迷うことがあれば相談に乗ってもらっています。

多くの女性が、長い人生を安定したペースで歩み続けたいと考えていらっしゃるかと思います。でも、同じ歩調の中に、たまにスキップを入れてみる。そういう強弱があった方が仕事も人生も楽しくなるんじゃないかな? と思います。
確かに、管理職と家庭の両立は簡単ではありませんけど、もっと気楽にスキップしてみていいんじゃないかと思います。そんな肩の力を抜いた女性管理職がもっと増えれば、とてもうれしいですね。


湯浅さんは、仕事と家庭に対する気持ちを本音で語ってくれました。「仕事も家の事もやりたい」というのは古い考え方というわけではなく、湯浅さんご自身がいちばん心地よく生きられるスタイルなのです。どのような生き方が心地よいのかは、その人の生まれた時代、場所、環境によって変わってきます。そういうさまざまな背景を持った人が集まって、ひとつの仕事に協力し合える。それがダイバーシティ(多様性)のある職場という考え方には強く共感できます。

将来のことを考えると不安になってしまう女性に対する、「気楽にスキップするように」管理職をやってみて、うまくいかないなと思ったら周りに助けてもらえばよいのでは? というアドバイスもとても素晴らしいものだと感じました。「女性管理職に挑戦」と考えてしまうと身構えてしまいますが、「気楽にやってみる」ぐらいの感覚でいいのかもしれません。その気楽さが、会社や世の中を変えていくことにつながっていくのですから。

(編集部)


ニッセイ・ウェルス生命保険株式会社

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https://www.nw-life.co.jp/

シニア富裕者層マーケットでの強みを柱に、日本生命グループにおける金融機関窓販領域に特化した生命保険会社。

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