コロナ禍で「100均」市場が拡大も、「300均」市場も"プチ贅沢"で急成長

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新型コロナウイルスの感染拡大により、企業の業績に大きな影響が出ていますが、飲食業や観光業など業績が悪化する企業がある一方、業績を伸ばしている企業もあり、その一つが100円均一ショップを運営する企業群です。今回は、株式会社帝国データバンク(TDB)の調査をもとに、コロナ禍の「100均」市場についてみていきます。

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1.「100円ショップ」市場、初の9000億円突破で過去最高を更新

TDBによると、100円ショップ大手5社を中心とした2020年度の100円ショップ業界の売上高(事業者売上高ベース)は9000億円を突破しました。大手5社の店舗数も10年間で4割増の7900店を数え、ともに過去最高を更新したということです。

大手各社が引き続き積極的な出店攻勢を続けたことに加え、コロナ禍での外出自粛やテレワークを背景に、キッチン用品から日用品、インテリア用品、文房具など、幅広い品ぞろえでニーズが急拡大しました。

TDBでは、「大手家具店やホームセンターなどと同様にこうした巣ごもり需要を取り込みつつ、ファッション性や実用性に優れる「コスパの高さ」がコロナ禍の消費者に受け入れられたことが、100円ショップの人気が改めて高まる大きな原動力となった」としています。

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(【画像出典】帝国データバンクプレスリリース)

100円ショップでは現在もショッピングセンターなどの空きテナントを積極的に活用した出店が続いているといい、大手5社の店舗数合計は足元で8000店を超えました。

また、近年はインターネットやコンビニ店舗など販売チャネルの多様化も進むほか、クオリティやデザインの見直し、最新のトレンドや細かな需要変化を捉えた新商品の投入など、価格以外の商品訴求力も大幅に向上しているということです。

TDBでは、「当初はコロナ禍の巣ごもり特需から反動減も懸念されたものの、現状のペースが続けば21年度の市場規模は約1割の増収が見込まれる。100円ショップ業界の成長は今後も続きそうだ」と今後も100円ショップ業界の成長が見込まれると分析しています。

2.急成長中の「300均」、迎え撃つ「100均」勢

TDBでは、今後も消費者の根強い節約志向と、コスパの高いアイテムへの支持を背景に安定した成長が続くとみています。

ただ、100円ショップ1店舗当たりの月間売上平均(推定)は、都市部などで同業や自社ブランド間での顧客獲得競争が激化していることを背景に、過去5年間はほぼ横ばいで推移しています。

店舗数と来客数の増加によって成長が支えられてきたビジネスモデルには飽和感が出てきたといい、また、海外に製造工場を多く有することから物流面で燃料価格の上昇や円安の影響を受けやすいと指摘。「国内でも人手不足による店員の賃金上昇といった課題もあり、薄利多売モデルの100円ショップにとっては成長への大きな重荷となる」(TDB)。

TDBでは、「類似業態、特に300円均一ショップ市場の急拡大も、既存の100均市場に影響を与える可能性がある」とし、「100均よりも高品質=「プチ贅沢」ニーズを満たす300円ショップは、特に生活雑貨など身の回り品で消費者のニーズをつかんで成長。デザインや機能性など、100円にこだわらないことで商品開発に選択肢が広がることも、300均ブランドに参入が相次ぐ大きな要因となっている」と300円ショップの台頭について指摘。

「服飾大手のパルグループHDが展開する「3COINS」をはじめ、主要300均の店舗数は5年間で倍増しており、さらに増加していく見通し」(TDB)との分析を示しています。

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(【画像出典】帝国データバンクプレスリリース)

(【記事出典】帝国データバンクプレスリリース「コロナ禍で好調 「100均」市場、20年度は初の9000億円超え 店舗は8000店を突破」)

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