鈴木亮平がドラマでかっこいいワケ--30歳前に自分しか表現できない俳優目指す

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鈴木亮平さん主演のドラマが好調です。ドラマで際立つのは、そのかっこよさ。なぜあんなにもかっこよく演じられるのでしょうか。その理由は、30歳前に一新した、仕事に対する姿勢にヒントがありました。

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1.鈴木亮平さん主演の日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』が好調

鈴木亮平さん主演の日曜劇場『TOKYO MER~走る緊急救命室~』(TBS系)が好調です。

東京五輪の閉会式がNHKで生中継された8月8日以外は、すべて2桁超えの数字を誇っています。

ドラマのタイトル「TOKYO MER」は、東京都知事の命で新設された救命救急のプロフェッショナルチームの名称(MERはモバイルエマージェンシーの略)。

チームは、最新の医療機器とオペ室を搭載した大型車両「ERカー」で重大事故や災害、事件の現場に駆けつけ、「1人も死者を出さない」というミッションを掲げるなか、命を救うために危険な現場に躊躇なく飛び込み奮闘していきます。

なかでも、鈴木亮平さんが演じるスーパー救急救命医・喜多見幸太は「待っているだけでは、救えない命もある」という決め台詞とともに、多くの視聴者の心を惹きつけています。

2.30歳前に「カッコつけずに(自分を)出していこう」と姿勢を一新

鈴木さんと言えば、NHK大河ドラマ『西郷どん』(2018年)での西郷隆盛役を始め、最近ではTVドラマの主演も数多くありますが、話題を集めるようになった代表作の一つは、映画「HK変態仮面」(2013年)と言えるのかもしれません。鈴木さんが30歳の時でした。

この30歳という年齢について鈴木さんは、8月20日に放送されたクイズトークバラエティー番組『ぴったんこカン・カン』(TBS系)のなかで、一つのエピソードを明かしています。

20代はカッコつけたいばかりに台詞を覚えてこないなど、仕事としっかり向き合わずにいたことについて触れた上で、

「30歳前くらいに『あれ?』ってなって。またあの人と一緒に仕事したいと思われないと、何の意味もないんじゃないかって思って。それからカッコつけずに(自分を)出していこうって思いました」

と、仕事に向き合う姿勢を一新した経験を述べていました。

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3.30歳以降の鈴木さんの役作り、ストイックな姿勢が際立つように

確かに「カッコつけずに自分を出していこう」と決意した30歳以降の鈴木さんの役作りについては、そのストイックな姿勢に目を見張るものがあります。

尋常でない体重の増減に挑み、貪欲な役作りをする「デ・ニーロ・アプローチ」(ハリウッド俳優・ロバート・デ・ニーロの役作り法)を実践する鈴木さんの仕事との向き合い方は、ファンの間ではすでに有名です。

2015年に放送されたドラマ『天皇の料理番』(TBS系)で、病に伏す役作りのために20kg減量し、手足が極細になり頬も異常に痩せこけた姿を披露し、その直後には映画『俺物語!!』(2015年)の撮影に向けて、わずか40日間で30kgの増量にチャレンジし、一気にオスゴリラの風貌へと変身しました。

まさに和製デ・ニーロを彷彿させるような役者魂を発揮しています。

さらに、30代の鈴木さんは役作りに対する姿勢だけでなく、ドラマの報告会見やトーク番組で見せる表情もやわらかく変化し、尖っていた頃の20代と比べると、周囲の印象はだいぶ違ってきたことでしょう。

4.「地に足をつけて芝居と向き合っていきたい」と目指す道を見極める

実は、鈴木さんが27歳の時、単独インタビューさせていただいたことがあります。

初の主演映画『ふたたび swing me again』(2010年)をテーマにしたインタビューでした。

その時、目の前の鈴木さんはご自身が述べている通り、柔和な表情は全く見受けられませんでしたが、そこには実直に真摯に対話して下さる姿がありました。

私の「どのような役者を目指していきたいか」という質問に対し、

「自分はまだまだですし、褒めていただけるほどではありません。華やかな活躍を意識しすぎずに、自分にしか表現できない俳優を目指して、地に足をつけて芝居と向き合っていきたいです」

と、率直な思いをコメントして下さいました。

インタビュー時の鈴木さんは、東京外国語大学を卒業して4年が過ぎ、仕事一筋になった頃です。当時は同世代に数多くの人気俳優がいて、鈴木さん自身も他の同業者の存在を全く意識しなかったわけではないと思います。

ですが、「周りの華やかな活躍を意識しすぎずに、自分にしか表現できない俳優を目指して、地に足をつけて芝居と向き合っていきたい」と、自身の目指すべき道をしっかりと見極めている様子が伝わってきました。

20代のうちから周りに流されず、自身の軸を定めていたからこそ、場合によっては生意気であったり、カッコつけていたりするように見えてしまったのかもしれません。

5.30代後半になった今、唯一無二の役者・仕事人の地位を築き上げる

もちろん、「カッコつけてセリフを全く覚えてこない」というのは、仕事人としての責務を果たしていませんが、鈴木さんは自らの行動を見つめ直し、改めた上で30歳を迎え、ストイックな仕事人としてより役者としての磨きをかけ、30代後半になった今では、唯一無二の役者・仕事人の地位を築き上げています。

最近では、渡辺謙さんからも評価され、ハリウッドへの後押しをしてくれているとの報道もありました。

今後は、高校時代の米国留学、東京外国語大学出身、英検1級取得などの足跡が裏付ける語学力を活かして、海外進出することになれば、活躍の場は一気に広がることでしょう。

鈴木さんのキャリア道を辿ると、30歳手前で自身の在り方や仕事に対する姿勢を一新したことが、30代40代の仕事人生の礎を築き上げた好事例であることがわかります。

やはり、どのような職種、業界においても30歳手前の決断は、その後の仕事人生を大きく左右するのかもしれません。

原稿:鈴木ともみ

経済キャスター、国士館大学政経学部兼任講師、早稲田大学トランスナショナルHRM研究所招聘研究員、Jazz EMPアンバサダー、総合芸術舞台『一粒萬倍 A SEED』アンバサダー、日本記者クラブ会員記者、FP、パーソナルカラリスト。
埼玉大学大学院人文社会科学研究科経済経営専攻博士前期課程を修了し、経済学修士を取得。地上波初の株式市況中継TV番組「東京マーケットワイド」、国際金融・経済情報番組「World Marketz」、「Tokyo Financial Street」(STOCKVOICE TV)にてキャスターを務める他、TOKYO-FM、ラジオNIKKEI等、ラジオ番組にも出演。
国内外の政治家、企業経営者、ハリウッドスター等へのインタビュー多数。
主な著書『資産寿命を延ばす逆算力』(シャスタインターナショナル刊)、『デフレ脳からインフレ脳へ』(集英社刊)。

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