"ワーケーション"導入した企業・しない企業、その理由は?--テレワークに比べハードルも

「ワーケーション」という言葉を聞いた事があっても、詳しくは知らない、あるいは、実際にやったことがない、という方もいらっしゃるかと思います。今回は、総務専門誌『月刊総務』を発行する株式会社月刊総務が、全国の総務担当者を対象に実施した「ワーケーションに関する調査」について紹介します。

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【調査概要】
調査名称:ワーケーションに関する調査
調査対象:『月刊総務』読者、「月刊総務オンライン」メルマガ登録者ほか
調査方法: Webアンケート
調査期間: 2021年5月19日~5月25日
有効回答数:178件
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【関連記事】「ワーケーションとは?メリットや企業が抱える課題について解説」

1.約半数がワーケーションを「なんとなく理解」

調査で、ワーケーションとは何か知っているか尋ねたところ、「よく理解している」が22.5%、「なんとなく理解している」が55.1%、「言葉は知っているが内容は理解していない」が18.5%、「言葉を聞いたことがない」が3.9%という結果になりました(n=178)。約半数の総務担当者が「ワーケーション」を「よく」あるいは「なんとなく」理解していることが分かりました。

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(【出典】月刊総務プレスリリース)

2.ワーケーションに対するポジティブなイメージは?

ワーケーションにどんなポジティブなイメージがあるか尋ねたところ、「社員のワーク・ライフ・バランスが向上する」が59.4%で最も多く、「従業員満足度が向上する」が56.5%、「テレワークが促進される」が55.1%と続きました(n=138)。

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(【出典】月刊総務プレスリリース)


回答の詳細は以下の通りです。

  • 「社員のワーク・ライフ・バランスが向上する」59.4%
  • 「従業員満足度が向上する」56.5%
  • 「テレワークが促進される:55.1%
  • 「地方創生や地域課題の解決につながる」41.3%
  • 「社員の健康増進に寄与する」39.9%
  • 「会社のイメージが良くなる」31.2%
  • 「社員のエンゲージメントが向上する」29.7%
  • 「イノベーションの創出につながる」26.8%
  • 「社員の学びや成長の機会になる」23.2%
  • 「ポジティブなイメージはない」5.8%
  • 「その他」1.4%

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3.ワーケーションへのネガティブなイメージは?

これに対して、ワーケーションにどんなネガティブなイメージがあるか尋ねたところ、「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」が67.4%で最も多く、「マネジメントがしづらい」が65.9%、「労務管理が難しい」が65.2%と続きました(n=138)。

  • 「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」67.4%
  • 「マネジメントがしづらい」65.9%
  • 「労務管理が難しい」65.2%
  • 「ルール作りが難しい」64.5%
  • 「セキュリティリスクが高い」39.9%
  • 「仕事環境や通信環境に不安がある」37.7%
  • 「会社と社員の費用の案分がめんどう」34.8%
  • 「社員同士のコミュニケーションが低下する」27.5%
  • 「ネガティブなイメージはない」3.6%
  • 「その他」3.6%

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(【出典】月刊総務プレスリリース)

4.ワーケーションを導入した企業、その理由は?--きっかけが"コロナ拡大"も

ワーケーションを導入しているか尋ねたところ、「導入している」が3.5%、「導入を検討している」が8.8%、「導入を検討したが導入しなかった」が2.3%、「導入を検討したことはない」が85.4%という結果になりました(n=171)。

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(【出典】月刊総務プレスリリース)

導入した企業に理由(一部抜粋)を聞いたところ、

  • 「東京でなくても仕事ができる環境になった」
  • 「「田舎に帰りたい社員や、自然の中の働きたい社員がいた。しかしきっかけは、コロナ感染拡大で都市部を離れたいという理由」
  • 「働き方改革の環境整備、促進として」

などの回答が得られたということです。

また、導入を検討している理由(一部抜粋)については、

  • 「フルリモートワークに切り替えたので。 福利厚生のひとつとしてありなしをみているところ」
  • 「自己啓発、新しい刺激を得るため」
  • 「研修宿泊施設の有効活用」
  • 「新規事業所を地方で作った際、その自治体から今後も協力関係を持ちたいと評価いただいたことで、まずはそこを起点で導入してみようかということになり、検討を開始している」
  • 「全社員がフルリモート勤務で、テレワークに対する社員の理解はあり、ワーケーションを行いやすいため。これまでワーケーションは社員が自由に行っていたが、勤続期間数によって会社が補助する制度を設計中」
  • 「働き方改革の一環として」
  • 「コロナ対策の一部として」
  • 「開発業務ではリフレッシュも必要、IT環境さえあればどこでも業務は可能だから。また、地方とのコミュニケーションは今後の働くスタイルづくりとして早めに取り組んでおきたい」

などの回答が得られたということです。

導入した企業と同様、導入を検討している企業の中にも、新型コロナウイルス感染拡大がきっかけになっている企業がありました。

さらに、導入を検討したが導入しなかった理由(一部抜粋)についても、

  • 「会社の制度改定が追い付かず、見送りになってしまった。また、費用負担の割合の設定が難しく難航してしまった」
  • 「世の中の新型コロナ感染拡大がおさまらないため」

とあり、新型コロナウイルスの感染拡大が、逆にワーケーションを導入しない理由になった企業があることが分かりました。

5.ワーケーション導入の不安は?

ワーケーションの導入で不安なことについては、「公平性の担保」「仕事とプライベートの区別の曖昧さ」が多数を占めました。

以下は回答の一部抜粋です。

  • 「ルールや公平さを保てるかどうか」
  • 「公私の区別。労働時間の管理。 見えないため、本人の自己申告によるところが大きい分不安」
  • 「オフィスにいる同僚から仕事中に遊んでいるというイメージをもたれる不安がある。リモートでもしっかり仕事はしているという客観的な評価基準や可視化する取り組みは大事だと思う」
  • 「旅行に仕事を持ち込むことがマストになりかねない」

6.ワーケーション導入に踏み出せない理由は?

ワーケーションの導入に踏み出せない理由については、以下(一部抜粋)のように、「経営層の理解」「セキュリティの不安」「テレワークすらできていない」が多数を占めました。

  • 「経営者への説得が困難」
  • 「製造業なので職種によっては事実上運用できない職場があり、職種間で不公平感が生じてしまうと考えます」
  • 「セキュリティリスクの問題がある」
  • 「テレワークもおぼつかない状況のため」

7.どういう設備・制度があればワーケーションを導入しやすい?

これに対し、どういう設備・制度があればワーケーションを導入しやすいかについては、以下のような回答がありました(一部抜粋)。

  • 「働く場所・時間が出退勤と合わせて簡単にかつ確実に登録出来る良い仕組みがあればと思っています」
  • 「仕事・成果の評価の仕方を変える必要があると思います」
  • 「Wi-Fiの設備や仕事ができるデスクや椅子が完備されている場所はまだ少ない」
  • 「廃校等になったスペースをもっと大々的に世の中で活用できるようになると、進むのではないでしょうか」
  • 「地方での快適なコワーキングスペース。一般的には、設備が低く、値段も東京よりもはるかに高かったりする」
  • 「ワーケーション専用の施設があり、パッケージ化されているものがほしい。セキュリティ面や費用面等、現状は施設によってまちまちすぎて、判別がつかない」

8.まとめ

月刊総務では今回の調査について、「ワーケーションの実施に踏み切っている企業はほんのわずかで、施策として課題や不安が多くあることがわかりました」とし、「セキュリティや労務管理に対する課題をどうクリアするのかという壁は大きく、実施事例が少ないので対応法や効果のイメージがつきにくいという意見もありました。テレワークの環境整備は一通りできていても、「ワーケーション」となると、まだまだハードルが高いようです。地方のワーケーション可能な施設等の情報が不足しているという声も複数あり、ワーケーションを受け入れる自治体側の発信不足も一因と考えられます」としています。

(【記事出典】「8割以上がまだワーケーションの導入を検討したことがない。ワーケーションのポジティブイメージは「ワーク・ライフ・バランス向上」、ネガティブイメージは「仕事と休暇の線引きがあいまいになる」」(株式会社月刊総務))