『ゲスの極み乙女。』の休日課長さんに聞く

『ゲスの極み乙女。』の休日課長さんに聞く"困難な時代を生き抜く力"(後編)--「無意識に楽しんでいることが必ず強みに」

新型コロナウイルスの感染拡大で突然訪れた社会の転換期。不安定要素だらけで、自分の将来像が描けないと嘆いている人もいるのかと思います。今回は、前回に引き続き、「バリバリ理系大学院生」「電気メーカー社員」という経歴を持つ、「ゲスの極み乙女。」の休日課長さんに、この時代を生き抜くヒントを教えていただきました。

就職活動では、「自分が何をしたか」「何ができるか」を細かい点まで語った

――就職活動の時は面接でカレー作りの話を武器にしていたそうですね。

就活で大事だと考えていたのは、具体的に何ができるかを分析して伝えることでした。例えば「自分が所属していた部活が全国1位になりました」なんて言っても、その人が何に貢献していたかわからないわけで、それだったら「いつも6位だったチームが5位になりました。そのために私はこんなことをしました」という方がいい。僕が採用だったとしても、その人ができることが具体的に見えてこないと採りたくないですね。それで、僕の場合は趣味に「カレー作り」と書いて、面接では「50食分カレーを作って、即完売したことがあります」と話しました。

そして、そのためにどんなことを試して、どう改良していったかを説明するんです。スパイスの分量だけが違うカレーをいくつか作って、その印象をExcelにまとめたりした話なんかもしました。そうすると、そこから「御社では製品を開発するところで力を発揮できる」と繋げられる。面接では、背伸びせず実際に経験したことを話した方がいいですね。突っ込まれても自分の言葉で話せますし。

――そうすると、自分の経験を記録したりすることも大事ですね。

やってみたことはちゃんとメモして記録をとっておくといいと思います。僕なんかはすぐに目の前のことでいっぱいいっぱいになるし、物忘れが激しいのもあって、スマホのメモアプリをむちゃくちゃ使っています。To Doも全部そこに書いて、えげつないことになっています。音楽活動に関するアイデアもあるけど、「再配達依頼する」のメモとかも(笑)

「安定」という考えにとりつかれるのは危険なこと、良さそうなことには惑わされない

――会社員という安定度のある仕事を離れることに躊躇はありませんでしたか。

会社を辞める前は「安定でいないと」という考えも持っていたように思います。でも、恐ろしいことっていきなり起こるものじゃないですか。安定だと思った場所からいきなり何もなくなることってあるわけで。今は安定ってものにとりつかれていることが一番危ないんじゃないかと思うこともあります。

――そう考えられるようになったのは?

これはまた別の上司なのですが、「良さそうなことに惑わされるな」ということを教えてくれました。誰かの名言とか、何となくアンチになるとか、それって、別に何の実体もないものだから、ちゃんと自分なりに理由付けできるかどうかで判断しなければならないと。それからは自分の頭でちゃんと考えるようにしています。

こんな時代だからこそ、世の中の新しい流れに目を向ける

――コロナ禍で不確実な時代です。新卒で会社に入ったのに最初からリモートワークとか、大学に入学したのに、大学に通えないとか、想定外の事態に戸惑っている人もいますが、この変化にどう対応したらいいでしょうか。

人それぞれ状況は違うので、私には一概には言えません。私個人としては、今の状況を起点に考えています。今だから盛り上がっている技術やプロジェクトに興味があって、新しく広がっている世界に目を向けて。個人的な考えですが、"安定"や"普通であること"に執着すると不確実なことが恐怖になる。"安定"という言葉を一旦忘れて、自分がやりたい事をやるための道筋を探すことに必死になれば、必ず道は開けると思う。今だからこそ生まれた魅力的な人生の選択肢も、確実に存在していると思うんです。

――コロナ禍の中でも、新しい流れを読んでいくということですね。

そうです。生き方も仕事の仕方も多様になったからこそ、自分を分析して、自分に合っている道を探すことが大事だと思います。世間が言う安定とかそういったものに耳を貸すよりは、もっと本質的なものを考えるということです。

――自己分析が苦手って人も多いですが。

自分が日常生活の中で無意識に楽しめていること...例えば趣味とか、楽しく続けられているバイトとか...をまず分析して、そこから強みを探したらいいと思います。例えば、「料理が好き」で終わるのではなくて、買い物に行く、野菜を切る、煮たり混ぜたりする、配膳する、食べるという過程の、どこがいちばん好きなのか、なんで好きなのかって考えるんです。バイトなら、「カフェの仕事がよかった」で終わるのではなく、その仕事のどこが好きなのか、なんで好きなのか。それをひたすら深掘りしていく。そうすると自分が無理せず取り組めることや得意なことが、具体化されます。「適性」ってやつです。そこからまた広げていくことで、今後の生きていく道というか、新しい選択肢が出てくるのかなと。しっかり分析してたどり着いた「適性」が生かされる職業なんて、どんな世の中でも星の数ほどあると思うんです。今の時代だからこそ生まれた選択肢もある。

自分に何ができるんだろう、と不安な人も、自分の強みを見つけることで、それに勇気づけられると思います。絶対一人ひとりが何か持っているんですよ。だって、誰でも何かしら楽しめる事ってあるじゃないですか。無意識で楽しめていることってほんとにすごい強みだと思うし、その強みが生きる場所が絶対あるはずです。

――本日は貴重なお話の数々、本当にありがとうございました。

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休日課長さんのインタビュー、2回にわたりお届けしましたがいかがだったでしょうか。
私はすごい勇気をいただきました。どんな状況でも、自分が楽しめることを生かして、どうやったらそれを生き抜く力に変えていけるか、自問自答するようになりました。

大変な世の中になってしまいましたが、ぜひこのインタビューを読んだ皆様が、少しでも前に進める力を得ていただけるよう、願っています。

休日課長(きゅうじつかちょう)

ベーシスト。1987年2月20日生まれ、埼玉県出身。大学時代にベースを始める。2012年、川谷絵音に誘われ「ゲスの極み乙女。」に加入。11年に東京農工大学大学院を卒業後、14年までは一般企業に勤めながらバンド活動を展開。17年に「DADARAY」、18年に「ichikoro」にベーシストとして加入。趣味は「食」。

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