私がアパレル業界から転職したワケ(後編)

連載・インタビュー

アパレル業界から企画や営業、マーケティング職への転職に成功している人が増えているようです。某ファストファッションブランドから情報誌の商品企画担当に転身した加藤まゆみさん(仮名/29歳)もその一人。前編(https://mynavi-agent.jp/dainishinsotsu/canvas/2018/11/from-apparel-1.html)では、アパレル業界を辞めた経緯について詳しくお話を伺いましたが、今回は転職してみてわかった"元アパレル職"ならではの強みについて話していただきました。

「土日休みのオフィスワーク」を希望

ファストファッションブランドに入社して1年余りで退職。東京に戻り、半年ほどは旅行などをして心身を休めました。そして次の仕事を探すうえで「マスト」なことを手帳に書きだしました。長時間勤務がなく、休日が不規則でないところ。転勤がある仕事は避けました。営業は「数字を達成しなければならない」というイメージが強く私には向かないと考え、オフィスワークを希望しました。

転職活動は思いのほかうまくいきました。面接もコミュニケーションですから、そういう面では接客の仕事をしてきたことがプラスに働いたのかもしれません。2社から内定をもらい、選んだのは情報誌の商品企画部の仕事。もともとアパレルでも企画職を目指していたので、今度は最初から企画系のポジションで働いてみようと思ったのです。具体的には情報誌の広告ページの内容企画でした。最初のころは思ったより残業が多く「あれ?」と思いましたが、入社3年目からはワークライフバランスを重視してくれるようになり、メリハリのある働き方ができています。

アパレルを経験したからこその強みがある

アパレル副店長から企画職というのもはたから見るとピンとこないかもしれませんが、実は店舗をマネージメントするなかで得た経験はかなり役に立っています。まずはコミュニケーション能力です。前職では、バイトやパートのスタッフもいて、彼女たちのモチベーションをどう上げていくかに苦労していました。気持ちよく、でも効率的に働いてもらうために、相手によって言い方や伝え方を変えるなど工夫をしていました。そうした経験は今の職場でも違う部署の人と意見をすり合わせたりするときに役立っていますし、社内調整力には自信があります。

また、販売を経験していることでお客さんの気持ちやお客さんの目線というものを大事にする癖がついています。広告企画を考える際も顧客である企業の意見ばかりに押されることなく、消費者である読者が喜ぶものを考えられます。お客さんが読みたいこと、やりたいことと顧客企業のニーズをうまくすり合わせ、どういう見せ方だったらその両者を結び付けられるかを考えます。店舗をマネージメントする中でいろんな視点から物事を考えた経験も生きているように感じています。自分が担当した広告企画で売り上げが大きく伸びたときには非常に大きなやりがいを感じます。

アパレル出身者なら営業職もトライしやすい

私の場合は自由に何かを作り出したいという気持ちが強かったため企画職に就きましたが、アパレル出身者で特に接客が好きだった人なら営業はとても向いている職種だと思います。

アパレル販売員というのは、その人自身のセンスとか接客スキルが問われる仕事です。営業も基本は同じ。扱う商材への知識を深め、それによってどう売っていくかを考えるわけです。洋服を買おうというお客さんの中には同じ服でも新宿店でなくて渋谷店のあの人のところで買おうと考える人は少なくありません。販売員の魅力にひかれて買うというのはよくある話で、それは営業でも同じことがいえるのではないでしょうか。

繰り返しになりますが、アパレル出身の人にはお客さんを見る目があります。お客さんがどう思うか、何を期待しているかについての想像力があり、それにどう応えるかを考えることができます。この強みを生かせば、トップセールスも夢ではありません。「販売しか経験していないから」と遠慮していてはもったいない。その「お客様目線」を強みに、新しい世界で働くことにもどんどん挑戦してみるといいと思います。

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