【電子マネー使いこなし術】コロナ禍の中での新しいライフスタイルにも対応

【電子マネー使いこなし術】コロナ禍の中での新しいライフスタイルにも対応

2020年は、新型コロナウイルス蔓延の影響によるライフスタイルの大きな変化をもたらした歴史的な1年となりました。買い物についても「現金払いは衛生的に心配」という考えが広まり、キャッシュレス化がさらに加速したのではないでしょうか。キャッシュレス決済は、主にクレジットカード、電子マネー、QRコード決済などがあり、数多くのサービスが存在します。

キャッシュレス決済のメリットは、衛生面での安心感や決済がスピーディーに済むという他に、ほとんどのサービスで、決済ポイントが貯まり、そのポイントを提携店などで使えるので、現金払いより断然お得ということ。さらに相性のいいクレジットカードと電子マネーの掛け合わせなど、使い方次第でお得度があがることもあります。今回は、おさえておくべきキャッシュレス決済の上手な使い方を解説していきます。

1.新しいキャッシュレス決済の形「QRコード決済」

QRコード決済は、アプリをインストールし、事前に銀行口座やクレジットカードを登録するか、セブン銀行ATMなどから現金をチャージすることで、決済が可能になります。代表的なアプリはPayPay・楽天ペイ・LINE Payなど。店頭で支払う時は、アプリを立ち上げバーコードを提示するか、店側が用意したQRコードを読み取って支払う形となります。

ここ数年で利用できる店舗が爆発的に増えており、大型店舗から、クレジットカードが使えない小規模な店でも使えることがあります。他にも、利用店舗・期間限定などで10%前後のポイント還元が受けられるキャンペーンを不定期に開催しているのでうまく利用することでよりお得になることも。個人送金機能、家計簿管理など決済サービス以外のさまざまな機能を搭載しているものもあり、スマホ1台で完結できる利便性の高さも魅力の一つと言えます。

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■大型店舗から小規模店舗まで使える範囲の広さが魅力「PayPay」

使いやすく設計されていて、QRコード決済初心者でも扱いやすいアプリです。今まで現金しか使えなかった個人商店などが導入することが比較的多く、現金払いを一切したくないという場合のサブ決済にも活躍します。基本還元率は0.5%(※)ですが、Yahoo!ショッピングなどのYahoo!系サービスの利用だと還元率は2倍に(1%)。「Yahoo! JAPANカード(年会費無料)」以外のクレジットカードからのチャージでは決済還元を受けられない、キャンペーンの対象外となる場合があるなどの制限があるので注意しましょう。

(※一定の利用条件によって最大1.5%までアップ)

■楽天ユーザーならマストで使いたい「楽天ペイ」

現金での直接チャージはできませんが、「楽天カード(年会費無料)」から、「楽天キャッシュ(※)」へチャージ楽天ペイで決済すると基本還元率の1%が、1.5%にアップ。楽天ポイントの支払いでも1%還元される点も注目すべきメリットです。支払いに利用できるポイントは期間限定ポイントも対象なのでポイントを有効活用できます。楽天ポイントカードの機能も搭載しているので、提携店で使えば、カードの提示・決済で最大2.5%の還元を受けられます。

(※楽天キャッシュとはオンライン上で利用できる電子マネーのこと)


post452_img2.jpg(決済する前に「キャッシュ優先」の設定をすることで1.5%の還元率にアップ)

■指定のクレカとの連携で最大3%の高還元が叶う「LINE Pay」

LINE PayはLINEにあらかじめ搭載されている機能なので、LINEを利用していれば、新たにアプリをインストールする必要はありません。現金でのチャージだと決済ポイントは付きませんが、LINEショッピングなどのLINEサービスの利用などでポイントを貯めることができ、支払いに利用することができます。「Visa LINE Payクレジットカード(初年度年会費無料)」と連携すると、LINE Pay決済でも1%還元されるようになり、一定の条件をクリアすることで、還元率が1%、1.5%、2%、3%の4段階で上がっていきます。

■クレカ&ポイントカードとの連携でポイントが倍増「d払い」

NTTドコモが展開しているQRコード決済ですが、dアカウントを作成することでドコモユーザーでなくても使えます。基本の還元率は0.5%ですがネットショッピングやデリバリー、ふるさと納税など、提携しているECサービスの利用なら2倍の1%になります。支払い方法をdカード(年会費無料)にすると還元率は3倍に(1.5%※)にアップ。dポイントカードも搭載しているので、加盟店で利用すると提示と合わせて最大で2.5%還元されます。

(※提携しているECサービス利用の場合は2%)

2.交通系や流通系の利用で強みを発揮!「電子マネー」

電子マネーは、お金を事前にチャージして利用するプリペイド方式と、クレジットカードと連携して利用するポストペイ方式の2つがあります。QRコード決済より歴史は古く、馴染みがあるという人も多いのではないでしょうか。カードリーダーに電子マネーカードをタッチして決済するというイメージが強いですが、電子マネーの種類によって、モバイル版で利用できるタイプもあり、アプリの立ち上げ不要でスマホをかざすだけで決済が完了する便利なものも。電車利用でもポイントが貯まるSuicaや提携スーパーで使うとお得度がアップするnanacoなど使うシーンによって使い分けるといいでしょう。

■通常の電車利用でもポイントが貯まる!「Suica」

JR東日本の在来線に限られますが、Suicaは通常の電車利用でもポイントが貯まります。そのためには、JRE POINTサイトに会員登録し、Suicaを連携する必要があります。還元率はSuicaカードが200円ごとに1ポイントのところ、モバイルSuicaを利用すると50円ごとに1ポイントと2倍になります。モバイルSuica定期券の購入なども還元率1%なので、モバイル版の利用の方がよりお得になります。また、JRE CARD(初年度年会費無料)からSuicaへチャージするとトータルの還元率が1.5%になるので連携して利用するのもいいでしょう。

post452_img3.jpg(ポイント獲得履歴はJRE POINTアプリまたはサイトで確認できます)

■セブン&アイグループを利用でどんどんお得に!「nanaco」

イトーヨーカドーやセブン‐イレブンなどのセブン&アイグループの店舗やマクドナルド、ビッグカメラなどnanacoマークのあるお店で使うと200円につき1ポイント貯まります。セブン‐イレブン、イトーヨーカドーなどでは、特定の商品購入で決済分とは他にボーナスポイントがもらえるなどの特典があります。イトーヨーカドーでは毎月8の付く日にnanacoまたはセブンカード・プラス(年会費無料)などの対象カードを利用すると全品(※)5%OFFで購入できます。また、セブンカード・プラスからチャージしたnanacoで決済するとチャージ+決済分で1%と2倍の還元率になります。

(※一部割引対象外の商品あり)

4.まとめ

キャッシュレス決済をうまく使いこなすコツは、自分の行動にあったものを見つけることが大切です。普段よくいくお店や利用するネットショッピングなどを見直してみると、使いやすいものが見つかるはずです。まずは、今使っているキャッシュレス決済でお得になる方法を探してみることからはじめてみてください。

回遊舎(かいゆうしゃ)
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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