株主優待ってどうやったらもらえるの?--初心者のための株主優待入門

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「株主優待」に興味があるけれど、どうすればもらえるのかわからない...と言う人のために、優待の仕組みや、もらうまでの手順、注意点について、わかりやすく説明します。(※銘柄データ、株価の数値は2020年3月20日 ヤフーファイナンス調べ)

株主優待ってそもそもどんなもの?

株式投資の魅力は、株を売って得られる利益だけではありません。株を保有することでもらえる株主優待もそのひとつ。株主優待とは、会社から株を保有する人への利益を還元するもので、いわば会社からのお礼の品です。

優待の内容は、優待券や自社商品の詰め合わせ、カタログギフト、食材、クオカードなどバラエティも豊富。市場に流通していない、オリジナル商品もあったりして、どんなものがもらえるか、調べるだけでもワクワクします。

ただし、株主優待をもらうには、いくつかのルールがあります。株を買う日によっては損してしまうこともあるので、しっかりリサーチして臨みましょう。

優待品を受け取るまでの流れ

(1)優待を実施している会社かどうかをチェック

優待をもらうには、株主優待を実施している会社の株式を購入する必要があります。すべての会社が、株主優待を実施しているわけではないからです。

株主優待を実施しているかどうかの情報は、Yahoo!ファイナンスや、みんなの株式など株の情報サイトや、各会社や証券会社のホームページで調べることができます。

(2)証券会社の口座を開設

株を売買するには、証券会社に口座を開設する必要があります。証券会社の店舗に行って、口座を開設するやり方もありますが、初心者の場合は、オンラインで簡単に手続きできるネット証券がおすすめ。楽天証券、LINE証券、DMM.com証券、マネックス証券などがあり、早いところでは、申し込み当日から取引をスタートできるところも。

(3)最低購入単価を計算する

気になる優待銘柄があったら、その会社の株を、自分の予算の範囲内で購入できるか、株価と売買単価(単元)を調べて、最低購入単価を計算しましょう。

例えば、株価が1000円で、売買単位が100株であれば、1000円×100株で、その株を購入するのに最低10万円(手数料別)がかかります。

(4)優待の内容を把握する

次に、何単元でどんな優待がもらえるのか、実際に利用できるのかなど、優待の内容についても確認を。店舗限定で使える割引券などの場合、近くに利用できるお店がないと意味がありません。また、単元数によって優待の内容が変わるもの、長期保有で内容がグレードアップしたり特典がついたりする優待もあります。

(5)権利確定日の3営業日前までに購入する

株主優待の場合、せっかく株を購入しても、そのタイミングによっては、優待品がもらえない場合も。優待品をもらうには、株主優待が受けられる権利を確定する日=「権利確定日」に、株主として名前が登録されている必要があります。この日に株主名簿に登録してもらうには、権利確定日の3営業日前までに、株を購入する必要があるので注意しましょう。

なお、権利確定日の3営業日前に土日が含まれている場合は、前倒しで計算します。例えば、8月末基準の優待をもらう権利を得るには、2020年8月31日は月曜日なので、8月25日(水)までに株を買う必要があります。

(6)優待品が送られてくる

優待品が発送されるタイミングは会社によって異なります。会社のサイトに発送予定日が明記されている場合もあるので、気になる人は事前にチェックしておきましょう。

優待銘柄を選ぶときの注意点

優待品は、会社の利益から分配されるものなので、業績が好調で、将来性のある会社を選ぶのが正解です。会社の業績は、直近の決算情報で確認できます。基本的には、赤字になっていない会社を選ぶようにしましょう。

また、優待株を選ぶ際は、総合利回りの確認も忘れずに。トータル利回りとは、1株あたりの配当を株価で割った「配当利回り」と株主優待の相当額を株価で割った「優待利回り」を足したものです。一般的には、4%を超えていれば安心といえるでしょう。

配当利回り + 優待利回り = トータル利回り

数ある優待品のなかから、お気に入りのものを選ぶのは大変。ここでは、20万円以下の保有でもらえる人気の優待銘柄をピックアップしました。

ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス

優待の最低取得額:134,200円

「マルエツ」、「カスミ」、「マックスバリュ関東」スーパー3社の持株会社です。グループ全体で、約500店舗を展開していて、100株以上の保有で、店舗で1,000円ごとに1枚使える優待券(100円値引き券)」か、お米などの優待品のどちらかが、年に2回(2月・8月)もらえます。

ビックカメラ

優待の最低取得額:114,900円

言わずと知れた大手家電量販店。100株以上の保有で、2月は2,000円分、8月は1,000円分のお買物優待券がもらえます。8月末にはさらに保有期間に応じた優待もあり、1年以上保有すると1,000円、2年以上保有で2,000円分の追加優待券がもらえます。家電はもちろん、日用品にも使える使い勝手のよさで、人気の優待です。

西松屋チェーン

優待の最低取得額:124,700円

ベビー・マタニティ・キッズアイテムを扱う「西松屋」を全国に展開。100株以上の保有で、年に2回(2月と8月)、店舗で使えるプリペイドカード方式のお買物カードがもらえます。

また、3年以上の長期保有で、保有株数に応じた優待金額(カードにチャージ)の追加も。子どもが小さく、オムツなど消耗品の購入頻度が高い家庭には重宝する優待です。

(※銘柄データ、株価の数値は2020年3月20日 ヤフーファイナンス調べ)

まとめ

現在、優待を実施している会社は1000社以上。選ぶのが難しい場合は、自分の好きな会社や、普段よく利用する商品やお店を基準に選ぶのもひとつの手です。

現在、コロナ禍で、多くの会社がマイナスの影響を受けています。業績が大きく落ち込んだ場合には、優待自体が廃止になる可能性もあるため、売上の状況や会社の最新発表をしっかり調べてから、購入するようにしましょう。

執筆者プロフィール

回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。
近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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