コロナ禍で疲れた脳を整える効果も!? 「マインドフルネス」って何?

ライフ・マネー

新型コロナウィルス感染症対策による自粛やリモートワークなどで、不安やストレスを抱えている人も多いと思います。ストレスの緩和法のひとつとして、国連もテレワーク中の職員に推奨しているのが「マインドフルネス」。最近では、マインドフルネスを利用したストレス解消用のトレーニングアプリも登場しています。今知っておきたいマインドフルネスの最新情報について解説します。

そもそも、マインドフルネスとは?

人間関係の悩み、過去の後悔、将来への不安、仕事のマルチタスクなどといった雑念が頭から離れず、無意識のうちにストレスを蓄積してしまうという人も少なくないはず。特にコロナ禍のこの時期は、閉塞感や孤独感も伴って、精神的ストレスがより顕著に...。

疲れの原因は、脳の働き過ぎによるもの。そんな脳を休ませるのがマインドフルネスです。マインドフルネスをひと言でいうと、「今、自分が行っていることに対して意識を集中させ、心を穏やかに保つ状態」のこと。ベースは仏教の瞑想法で、アメリカのジョン・カバット・ジン博士(マサチューセッツ大学医学校名誉教授)が、ストレス軽減の効果を科学的に実証。西洋医学として体系化し、世界中にマインドフルネスという言葉が広まりました。

グーグル、ヤフー、フェイスブックなどのグローバル企業が社内研修で取り入れ、イチロー・本田圭佑などの一流アスリートの多くも実践しているマインドフルネス。具体的には、どんな効果があるのでしょうか?

マインドフルネスで得られる効果とは?

一般的に、マインドフルネスを実践することで以下の効果が得られるとされています。

・集中力が高まる

意識を集中させる経験を習慣化することで、集中力が高まる。

・ストレスが解消される

頭のなかの雑念をリセットし、スッキリした状態に。ネガティブな思考に支配されなくなることから、ストレス減に。

・パフォーマンスの向上

やるべきことに集中する状態をキープし、仕事やスポーツなどのパフォーマンスが向上。

・リラクゼーション効果

深い呼吸で自律神経のバランスが整うことから、睡眠によい効果をもたらすという研究結果も。

マインドフルネスで大切なのは「意識をひとつのことに集中すること」。数分間でも、シンプルなものに意識を向けることで、脳内の雑念の量を減らします。頭と心が整理されることで、自分の考えに冷静に向き合う状態が生まれるのです。

マインドフルネスのやり方は?

マインドフルネスのやり方で、実践しやすいのは呼吸法です。ここでは、座ってできる呼吸法を紹介します。

呼吸法(腹式呼吸)

(1)イスに浅く腰掛け、背筋を軽く伸ばします。

(2)手はおへその上に載せ、できれば軽く目を閉じます。

(3)呼吸の流れを意識しながら、鼻からゆっくり息を吸い込み、下腹部を膨らませます。

(4)吸ったときの2倍の時間をかけながら口から少しずつ息を吐きます。肺やお腹が引っ込むことを意識しながら、しっかり吐き切りましょう。

空気が鼻を通る感じなど、呼吸に伴う身体の感覚に意識を向けて行います。マインドフルネスは、習慣化することが大切なので、毎日、5~10分、続けて行うこと。難しい場合は3分でもOKです。

雑念が出てきたらそれを打ち消そうとせず、また自然に呼吸に意識を戻します。他の考えがよぎることは、脳の性質上、当たり前のこと。自分を否定せずに、すぐに意識をシンプルなことに戻すのが大切なのです。

意外なところでは、コロナ禍で話題になった、ニンテンドースイッチ用のゲーム「あつまれ どうぶつの森」がマインドフルネスにつながるという説も。

Newsweek誌では、「どうぶつ森」とマインドフルネスの関係性について、次のような記事掲載しています。「精神衛生の専門家からも、緩いストーリーやゲーム内で行う魚釣りや虫捕りなど、のんびりしたペースの活動には「マインドフルネス」に近い効果が期待できるとの見方が出ている」。(Newsweek誌 「新型コロナの不安を『どうぶつの森』が癒やすワケ」)。

トレーニングアプリを使って、マインドフルネス

マインドフルネスを意識したスタジオや、トレーニングアプリも。楽しみながらマインドフルネスを体験したいという人には、このようなツールを使うのもおすすめです。

・スタジオ

「マインドフルネススタジオ代官山」

"心と身体と脳にいい"講座を多数開催している「マインドフルネススタジオ代官山」。マインドフルネス瞑想、ヨガの呼吸法(プラナヤーマ)のクラスをはじめ、丹田強化法、ホネナビ体操などの講座を、最大定員5名のセミプライベートレッスンで開催。

・スマホアプリ

MEISOON(メイスーン)」

日本最大級のホットヨガスタジオ「LAVA」が監修する無料の瞑想アプリ。20種類以上の瞑想パターンがあり、ヨガインストラクターのガイド音声で瞑想導入をサポート。

「Relook(リルック)」

精神科医や臨床心理士、ヨガインストラクターが監修を手掛けるマインドフルネス/瞑想アプリ。「睡眠&起床」「ストレス」など、音声コンテンツは300種類以上。

「寝たまんまヨガ」

ヨガ・ピラティスのクラスを全国展開する、スタジオ・ヨギーが企画開発したアプリ。ヨガニドラーと呼ばれる瞑想の一種で、深いリラクゼーションが得られるのが特徴です。

まとめ

自分の意識をシンプルにすることで、脳を休めることができるマインドフルネス。呼吸の意識を変えるだけという手軽さも魅力です。ストレスから開放されたい、仕事の効率を上げたいという人は、是非試してみてはいかがでしょうか?

回遊舎(かいゆうしゃ)

回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。
近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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