2020年の「ふるさと納税」は

2020年の「ふるさと納税」は"支援"がキーワード

ふるさと納税といえば、豪華な返礼品を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、実は、それだけではありません。寄付として納めた税金は、自然災害や新型コロナウイルスの影響で被害を受けた自治体や事業者への活動支援としても役立ちます。

新型コロナウイルスにより、多くの人が被害受けている今、ふるさと納税を「支援」に役立てたいという人が増えています。ここでは「どこに寄付をすればいいのかわからない」という人のために、おすすめの寄付先をピックアップしました。

ふるさと納税の仕組みについて

ふるさと納税は、自分の故郷や応援したい自治体に寄付をする制度のこと。寄付をすると、自治体から返戻品が届く上、翌年の所得税、住民税から一定の控除を受けられることから、利用する人は年々増加しています。

ふるさと納税の場合、寄付した金額から自己負担額の2,000円を引いた金額が、控除の対象になります。控除には上限額があり、その金額は、収入や家族構成によって異なります。

寄付金が上限額を超えた場合でも、ふるさと納税をすることは可能ですが、超えた分の金額は控除に含まれず自己負担となるので、寄付をする際は、事前に自分の上限額を知っておくことが大切です。

ポータルサイトから5ステップで簡単手続き!

ふるさと納税の手続きはいたってシンプル! (1)控除上限額をチェック→(2)返礼品(寄付先)を選ぶ→(3)寄付金を払い込む→(4)返礼品が届く→(5)控除の手続きをする、この5ステップで手続きが完了します。

(1)控除上限額をチェック

給与所得や家族構成から、自分の控除上限額を算出します。控除上限額の目安は、総務省の「ふるさと納税ポータルサイト」内にある、「寄付金控除額を計算するエクセルのシート」を使うのが便利です。

(2)ふるさと納税の返礼品(寄付先)を選ぶ

「さとふる」「ふるなび」「楽天」「ふるさとチョイス」などのふるさと納税のポータルサイトなどを参考に、返礼品や、寄付したい自治体を選びます。

(3)寄付金を払い込む

選んだ自治体に寄付金を払い込みます。寄付金の納付方法は、クレジットカード払いや郵便振替、コンビニ払いが主流です。

(4)返礼品が届く

自治体から、返礼品とその証明として寄付金の領収書「寄付金受領証明書」が届きます。確定申告で必要になるので、忘れずに保管しておきましょう。

(5)控除の手続きをする

税金の控除を受けるためには「確定申告」または「ワンストップ特例制度」の申請のいずれかの手続きが必要になります。「確定申告」の場合は、ふるさと納税を行った翌年の3月15日までに、住んでいる自治体の税務署に「寄付金受領証明書」を持参し申告を。

「ワンストップ特例制度」とは、一定の条件を満たせば、「確定申告」をしなくても税金が安くなる制度です。詳しくは、総務省のサイトをチェック。

「ふるさと納税」で困っている人を支援するには?

寄付金を新型コロナウイルスなどで被害を受けた人たちへのサポートに利用したい場合は、ふるさと納税のポータルサイトが立ち上げている、支援をテーマにした特設サイトをチェックするのがおすすめです。

例えば「ふるさとチョイス」では、「ふるさとチョイスで応援。新型コロナウイルス被害に関する支援」という特設サイトで、以下の4つの救済プロジェクトを実施。多角的に支援ができる仕組みを立ち上げています。

(1)事業者を支援

給食の食材支援、観光業、外食、生花など、自粛により行き場をなくした食材などを返礼品として受け取ることができるプロジェクト

例:北海道岩内郡岩内町では、外出自粛や移動販売の制限などで、売り上げ減になった福祉施設のベーカリーへの寄付を募集中。返礼品は、北海道産の小麦を100%使用した3種類のパンの詰め合わせを贈呈。寄付額は10,000円以上。

(2)ガバメントクラウドファンディング®(GCF®)で支援

自治体が提示した事業資金に賛同した人から、クラウドファンディングの形式で寄付を募るプロジェクト

例:台風19号で甚大は被害を受けた長野県千曲市。復旧途中にさらに新型コロナウイルスの影響を受け、事業継続の危機に陥っている市内旅館・ホテル観光事業者への支援。

(3)コロナ給付金寄付プロジェクトで支援

「医療」、「福祉・教育・子ども」、「文化・芸術・スポーツ」、「経営困難に追い込まれた中小企業」の4つの分野から自分の関心の高いものを選び、国から支給された10万円の特別定額給付金を寄付するプロジェクト。※ふるさと納税の控除対象外。

(4)「きふと、」で支援

寄付をした自分の代わりに、食や収入源の不安を抱えた子育て家庭に返礼品を送ることができるプロジェクト。

新型コロナウイルス関連以外の支援先も

ふるさと納税では、自分で税金の使途を確認した上で、支援先を選ぶことができる自治体も。支援内容は、ポータルサイト上の「使い道を探す」などから検索して選ぶことができます。

唐津のまちに、約22年ぶりに復活した映画館を通じて、地域の活性化、子どもたちや若者への文化教育機会の提供の実現を支援するための寄付。

自治体名:佐賀県NPO支援 「一般社団法人Karatsu Film Project」を選択

返礼品:シアター・エンヤの鑑賞券

寄付額:5,000円~

人口2600人の小さな町、北海道遠別町にある全校生徒60数名の「遠別農業高等学校」の存続、生徒活動の活性化のための寄付。

自治体名:北海道遠別町

返礼品:遠別農業高校コラボ商品のたこめし

寄付額:6,000円~

横浜市立動物園への応援

絶滅の危機に瀕している野生動物の保全と繁殖を進める横浜市立動物園への寄付。動物の収集に関連する経費(動物収集、関連する施設改修等)に活用されます。

自治体名:神奈川県横浜市「動物園を応援したい!/横浜市動物園基金」を選択

返礼品:よこはま動物園ズーラシア・金沢動物園共通年間パスポート1枚

寄付額:11,000円~

まとめ

以上、ふるさと納税を利用して、支援できるプロジェクト、自治体の取組の一部を紹介しました。多くの人が新型コロナウイルスの被害を受け、支援を必要としています。これまでふるさと納税をやったことがない人も、このタイミングでぜひやってみてはいかがでしょうか?

回遊舎(かいゆうしゃ)

回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。
近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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