初対面の人との会話や人との距離を縮めることに苦手意識があり、「人見知り」を自覚している方は多いようです。新しい環境になかなかなじめない、緊張してコミュニケーションがうまくとれないなどのお悩みについて考えてみます。(Misa)
人見知りにありがちなエピソード
人見知りには個人差があり、苦手意識にも度合いがあるようですが、共通しているのは、自分から話すことや相手との距離を縮めることがうまくできないと考えている点です。ありがちなエピソードで悩んでいる方も多いと思いますが、ほんの少しの工夫や努力で解決できる場合もあります。
・ハキハキと話せない、聞き返される。
言葉が不明瞭だったり、声が小さかったりするのは、発声や話し方に気をつけるだけで改善できる場合があります。
・話しているうちに混乱してしまい、話にオチがつかない。
過度な緊張も理由としてありますが、話の順序などが混乱することは誰でもあります。実は、話し好きな人ほど同じネタをあちこちで話して、繰り返すうちに上手に話せるようになるのです。あまり気にしすぎず、何度か話すと徐々に上達するはずです。
・挨拶するタイミングがつかめない。
顔見知り程度の人に自分から声をかけるのは少し勇気がいるものです。遠くから目をあわせて会釈をすると、声をかけやすくなりますし、向こうから声をかけてくれたりします。目が合ったときに軽く微笑むことができると、好感度がぐっとアップします。
・うちとけるタイミングがわからない。
知り合ってから時間が経っても話し方や態度が変わらないことに「壁がある」と感じる人がいます。相手側の一方的な感覚なので無理にあわせる必要もないのですが、距離感を相手に合わせられればベターです。急には難しいと思いますが、敬語の使い方や挨拶を少しカジュアルにしたり、会話に流行している言葉を交えるだけでも印象が変わったりしてきます。
人見知りにありがちなエピソード
人見知りの方が人見知りでないかのように振る舞おうとするから無理が生じるのであって、周囲に人見知りであることを理解してもらえば、努力するのもずっと楽になります。上司や同僚は同じ目標のために協力していく「身内」です。互いに苦手なことを助けあうのは当然です。
自己紹介などの機会があれば、人見知りであることを早めに公言しておくとよいです。ただし、周囲の理解を得られたからといって、コミュニケーションに関する努力をしないで済ませるのではありません。「苦手でも努力する」という姿勢が大切です。
人見知りでもたいていの方は、家族や親しい友人とはうちとけています。相手との距離を保ちすぎるのも緊張の原因になります。無理にうちとける必要はありませんが、自分なりの距離感で、職場の相手を少し「身内」寄りとして受け入れると楽になることがあります。
他人を受け入れるときに鍵となるのは、相手への好感です。嫌いな人を受け入れるのは難しいです。周囲の人の長所を見つけ、親しみを持てるよう努力しましょう。
人見知りは悪いことではない
幼少期の人見知りと違って、大人の人見知りは性格的なものですが、人によっては加齢や経験とともに苦手意識が薄らいでいくこともあるようです。
そもそも人見知りは悪いことでしょうか? 自分から話しかける回数が少なくても、相手の話をしっかり聞ける人は、聞き上手として好感を持たれます。「無口で穏やか、言うべきことは言える人」など、人見知りを自分の個性としたパーソナルイメージをめざすのもよいと思います。
人前での失敗体験や心理的な負担から、人見知りから対人恐怖症へと発展してしまう場合もあります。不安や緊張が高じるあまり、対人関係から身を引こうとする神経症の一種で、日本人に多い症例と言われています。人との対面に恐怖を感じたり、体調への影響が見られたりする場合は専門医の受診も考えましょう。
プロフィール
原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。