部下を持つ立場になると、裁量が増したり収入がアップしたりとメリットも多い一方で、悩みを抱えることもあります。なかでも、部下が思い描く「理想の上司像」が気になり、どう接したらいいか迷う方もいるでしょう。
本記事では、理想の上司になるために知っておきたいポイントや、身につけたい要素について紹介します。部下と良好な関係を築き、良いチームや職場を作っていきたい方は、ぜひ参考にしてください。
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1. 理想の上司とは
管理職はやりがいも大きいものの、悩みや不安を抱く方も多いでしょう。
『マイナビ転職』が800名の管理職を対象に行った「管理職の悩みと実態調査」によると、多くの管理職が「業務負荷の高さ」や「部下との接し方」などの悩みを抱えていることがわかりました。
- マネージャー業務の負荷が高い...28.1%
- パワハラなど、ハラスメントと言われるのを避けたい...27.0%
- 部下が成長しない・成長が遅い...24.0%
- 部下に言いたいことがあっても我慢している(指摘できない)...21.9%
- 部下のフォロー(ミスのチェックなど)が追い付かない...21.5%
このように、「日々の対応や指導方法は適切なのか」「自分は部下にとって良い上司だろうか」などと、部下とのコミュニケーションに悩む方も少なくありません。少なくない管理職が、「理想の上司」とのギャップを感じていることがわかります。
2. 理想の上司がいる部下のメリット
自分が「理想の上司」になることで、部下はどのようなメリットを享受できるのでしょうか。
2.1. 仕事のモチベーションが高まる
理想の上司がいることで高いモチベーションを維持でき、業務にも集中しやすくなります。さらに、信頼できる上司の存在は部署全体の雰囲気を明るくし、離職防止にもつながるでしょう。
また、身近に信頼できる人がいることで、仕事の悩みなども気軽に相談できます。業務に直接関係のない世間話でも、そういったコミュニケーションから新たな視点に気づき、問題解決の糸口になることもあります。
2.2. 理想像に向かって努力できる
部下にとって理想の上司の存在は、「いつか自分もこんな風に仕事ができるようになりたい」という目標や憧れを抱かせ、成長の原動力になります。
理想の上司の振る舞いや仕事ぶりを間近で学ぶことで、ゆくゆくは自分も部下から理想とされる上司へと成長できるでしょう。人材育成が促進され、部署全体の強化、企業の発展にもつながります。
3. 理想の上司でいることのメリット
部下から尊敬されて理想の上司として認められると、管理職自身には以下のようなメリットが得られます。
3.1. 良い部下に恵まれる
自分自身が良い上司でいることで、自然と良い部下にも恵まれるようになります。はじめはうまくコミュニケーションが取れなかったとしても、真摯に向き合っていくことで徐々にうまく連携できるようになるでしょう。
子供が親の背中を見て育つように、部下も上司の背中を見て成長します。部下は、自分自身を映し出す鏡であると認識しましょう。
3.2. 部下の成長が自身の評価につながる
会社側が管理職に求めるものは、社員のスキルやパフォーマンスの向上です。自分自身が手本となることで部下の成長を後押しし、チーム全体の生産性向上にもつながります。
その積み重ねが自身の評価を高め、結果的にキャリアアップにも大きく影響するでしょう。
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4. 部下が思う理想の上司とは?
部下が理想とする上司には、以下のような特徴が挙げられます。理想の上司となるために押さえておきたいポイントを見ていきましょう。
4.1. 仕事面において尊敬できる
そつなく仕事をこなし、確実に結果を出している姿は、部下に尊敬や憧れを抱かせます。一方で、上に立つ立場でありながら仕事に不誠実であったり、最後までやり遂げなかったりすると、「この人について行きたい」という気持ちは芽生えにくいでしょう。
まずは、ビジネスパーソンとして尊敬される存在であることが非常に重要です。
4.1.1. 視野が広く、多角的な視点を持っている
部下は上司に対して、社会人としての立ち回り方や自社の仕事について熟知し、広い視野で物事を捉えられる存在であることを期待しています。
そのため、物事を俯瞰しながら臨機応変に対処できる上司は、部下から見て「尊敬できる理想的な上司」となるでしょう。
4.1.2. 目標を達成できている
いつまでも熱意を持って目標に向かって努力している上司は、部下から見ても魅力的に映ります。さらに、言葉だけで終わらず確実に目標を達成できれば、より説得力が増し、背中を追いかけたい理想の上司となるでしょう。
4.2. 部下の成長を考えてくれる
部下は、自分の成長やキャリアプランを考えてくれる上司に対して、信頼や安心感を抱きます。
友達や先輩であれば、優しさや包容力だけでも十分ですが、会社や仕事においては成長や成果が求められるため、そこにコミットできるかどうかが重要です。
4.2.1. 適切に評価と指導をしてくれる
部下が成果を上げた際に適切に評価する上司は、まさに理想の存在です。ミスがあった場合も、感情的になって人格否定をするような叱り方はせず、結果だけでなく経緯も理解して向き合うことで、部下からの信頼が深まります。
こうした信頼関係のもとで、部下はさらに成長しようと努力を重ねていきます。
4.2.2. 頼れる、かつ上手にサポートしてくれる
ミスやトラブルが発生した際にしっかりとサポートしてくれる上司は、いざという場面で頼れる存在です。
しっかりと裁量を持たせつつ、成長を妨げない形で問題の解決を上手くサポートしてくれる上司は、一緒に仕事をするうえで理想的な存在と言えます。
4.2.3. それぞれに適した仕事の割り振りをしてくれる
部下一人ひとりの資質を見極め、それぞれに合わせた仕事の割り振りで能力を引き出せる上司は、部下にとって理想の存在です。人にはそれぞれ向き不向きがあり、得意な仕事と不得意な仕事があります。
その適性を把握して良いところを伸ばすような仕事の割り振りができる上司の下であれば、部下はのびのびと仕事に打ち込めます。
4.3. コミュニケーションが取りやすい
部下が「話しやすい存在」と感じる上司も、「理想の上司」の重要な要素です。円滑なコミュニケーションが取れ、仕事上の悩みや不安を相談できる人物こそ理想の上司といえるでしょう。
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4.3.1. 話しやすくて聞き上手
部下から理想とされる上司は、気軽に話しかけやすい雰囲気を持ち、世間話を交えながら仕事の悩みや不安などを相談しやすい特徴があります。
横やりを入れず最後まで話を聞き、何でも頭ごなしに否定せず一旦受け入れてくれる器の大きい上司は、部下にとって理想的です。また、普段からコミュニケーションを重ねることで、部下の変化にも気づきやすくなります。
5. 理想の上司に必要な6つのポイント
部下の理想の上司になるには、どのような姿勢や行動を意識すればいいのでしょうか。ここでは、実践したい6つのポイントを紹介します。
5.1. 論理性を持つ
仕事を進めるうえで、論理や根拠が薄い指示や指摘は場を混乱させます。理想の上司になるためには、論理的思考が欠かせません。
感覚的や感情的な指示ではなく、一から論理的に筋道を示すことで、部下は安心して仕事に取り組めます。
5.2. 仕事を楽しむ姿勢を見せる
上司が楽しそうに仕事に取り組む姿は、部下に希望や向上心を与えます。今は目の前のことに精一杯な部下たちも、そんな上司の姿を見て、「いつか自分もこんな風に楽しく働きたい」と思うようになるでしょう。
現状の仕事を楽しめず、理想の上司を目指す余裕もない場合は、今の仕事が自分に合っていない可能性があります。
どのような仕事をしたいのか、どうすればやりがいや楽しさを見出せるのかを整理し、場合によっては転職して環境を変えてみるのもおすすめです。
5.3. 小さなことでも有言実行する
部下は、上司が思っている以上に上司の一挙手一投足を見ています。一度口にしたことは、些細なことでも必ず実行しましょう。しっかりと最後までやりとげる姿を見せることで、部下はあなたに信頼や憧れを抱くようになります。
5.4. 清潔感を保つ
仕事への取り組み方やコミュニケーションも重要ですが、「理想的なかっこいい上司」になるには見た目も重要です。
外見は相手に与える第一印象を大きく左右するため、内面以外の気配りも求められます。具体的には以下のような部分に気を遣い、相手に不快感を与えない身なりを保ちましょう。
- 髪型をきちんと整える
- 爪を短く切りそろえる
- シワのないスーツ、シャツを着る
- こまめに靴を磨く
5.5. 積極的に話しかける
「話しかけやすいこと」は理想の上司の条件の一つですが、自ら積極的にコミュニケーションを図る姿勢も重要です。
部下からすると、多忙な上司に話しかけてもいいか迷うこともあり、なかなか話しかけにくい場合があります。部下の状況を見極めてコミュニケーションを取れる上司が求められています。
5.6. 学ぶ姿勢や向上心を持つ
役職が上がるほど仕事量は増え、責任も重くなります。何かあった際に迅速に対処できるよう、部下以上に学ぶ姿勢や向上心を持つことが大切です。
幅広い知識と経験豊富な上司は、部下から尊敬されやすいでしょう。上司が常に学ぶ姿勢を見せることで、部下の成長も促されます。
6. 理想の上司を目指すうえで意識したいこと
「理想の上司」は部下やチームに良い影響を与えますが、理想の上司を目指すうえで意識したいポイントがあります。
6.1. 必要以上に迎合しすぎない
部下に指示ができず、自分が代わりに仕事を抱えてしまうような接し方は、部下の自立を妨げます。一見やさしく思える行動でも、成長の機会を奪う結果になりかねません。
また、指摘や指示をすることで部下からの反発を恐れ、相手の顔色を伺いながら仕事を進めることで、部下の貴重な成長のチャンスを摘み取ることになります。
上司の役割は、改善点を的確に指摘して長期的な視点で部下が成長を促す環境を整えることです。部下や会社、自分のためにも、どう振る舞うのがベストなのかを常に考えて行動しましょう。
6.2. 感情的な振る舞いを避ける
いつも感情的な上司は、部下からの信頼を得られません。部下への指導は必要ですが、根拠のない感情任せの言動は、不信感を招く原因となります。感情をコントロールできないことは、立場を問わず周囲に悪影響を及ぼします。
つい感情的になったり不安を感じたりする場合は、一度深呼吸をして「感情的になっていること」を自覚することが大切です。
部下の言動や仕事の仕方が原因なら、指摘すべき点だけを論理的に伝え、人格を否定するような物言いは避けましょう。
6.3. 尊敬される要素があるか見つめ直す
理想の上司とは、人としての魅力や尊敬できる面がある人物です。そうした相手からは自然と学びを得たいと思うものですが、人として尊敬できないと「理想の上司」からは遠のいてしまいます。
とはいえ、あまり難しく考える必要はなく、挨拶をする・マナーを守る・清潔感のある身だしなみを心がけるなど、基本的なことの積み重ねが大切です。
自分を見つめ直し、内面を磨いていくことで、部下から慕われる魅力的な上司に近づけるでしょう。
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7. キャリアアップして理想の上司に近づくためには
尊敬される上司や理想の上司を目指すと同時に、キャリアアップを考える方も多いのではないでしょうか。
現在の職場での昇進も一つの選択肢ですが、より経験を積んで仕事の幅をさらに広げるには、転職によるキャリアアップも検討してみることをおすすめします。
7.1. 今よりレベルの高い仕事ができる企業へ転職
現在の仕事で十分な経験を積んでいると感じている場合は、より高度な知識やスキルが求められる仕事にチャレンジするため、キャリアアップ転職を考えてみましょう。
これまでに培った経験やスキル、資格を新たな環境で生かすことで、さらに仕事へのやりがいを感じられます。
また、転職を行うことで、仕事面だけでなく待遇や給与面もアップしやすいため、モチベーション維持にもつながるでしょう。
7.2. 転職エージェントを利用する
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まずは面談を受け、持っている資格を生かせる職業の相談や、就きたい職業について相談してみましょう。
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8. まとめ
上司として部下のモチベーションや成長を支えることは、チーム全体の成果に直結する重要な役割です。
今回は、理想の上司に必要な6つのポイントを一例として紹介しましたが、これらを実践する際は、必要以上に部下に迎合するのではなく、前向きな姿勢で部下の成長を促すことを心がけましょう。
部下の信頼と尊敬を得ることを意識して「理想の上司」を目指しましょう。
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