クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」など新型コロナウイルス(COVID-19)関連の災害派遣で感染者がゼロという自衛隊の感染予防が公開されています。今回は、マスクの付け外し方や手洗いの方法、ドアノブなどの除菌の方法など、自分でできる感染しないための行動をいくつかご紹介します。
まずは、感染から自分の体を守ることが大切!
新型コロナウイルスの対策でもっとも重要なことは「感染しないように自分の身を守ること」。一人一人がそのことを守ることで、この事態を終息させる行動につながります。具体的には、どうしたらいいのでしょうか? 自衛隊の感染マニュアルでは以下のことを提唱しています。
(手や指の消毒や人との接触をなるべく控えることが大切!)
(防衛省 統合幕僚監部 災害派遣特設コーナー 新型コロナウイルスから皆さんの安全を守るために資料より)
手指の消毒で有効なことは、帰宅時、調理前の前後、食事前などこまめに手洗いをすることです。ただ手を洗えばいいという事ではなく、正しい方法で洗うようにして。指の間や手首はもちろん、特に指先・爪の間は念入りにこするように。流水で流すときは、しっかり時間をかけて洗いながすようにします。また、外出先から戻ったら手洗いと同時に、うがいもするように習慣づけてください。
(ただ洗うだけではダメ。指先や爪の間もしっかり洗います)
日常生活ではマスク、咳エチケット、3密を避けることを意識
日常の行動で感染予防をしていくことも大切です。特に意識したいのが、マスク、咳エチケット、3密を避けること。マスク、咳エチケットとは、感染症を他の人へうつさないための対策で、咳やくしゃみをする場合、マスクやティッシュ、ハンカチ、袖、ひじの内側を使って口や鼻をおさえるようにします。
自衛隊のマニュアルでは、不要になったマスクや感染予防に使った手袋の廃棄方法も紹介しています。マスクや手袋の外側に付着したウイルスが手や顔についてしまう危険があるからです。マスクを外すときには、耳にかけているゴムのみを触ってはずすように。手袋は、ウイルスが付着している外面をもって、内側部分に触れないように気を付けながら片方をひっくり返して外します。脱いだ手袋の内側をもって、もう一方を脱ぐことで外面に直接手を触れずにはずすことができます。
(自衛隊のマニュアルではマスクや手袋の外し方を画像で解説)
(防衛省 統合幕僚監部 災害派遣特設コーナー 新型コロナウイルスから皆さんの安全を守るために資料より)
近距離で一定時間以上多くの人と対面で過ごすと感染する率が高まります。それを防ぐためには、不要不急の外出を避け、特に3密と呼ばれる感染しやすい条件がそろった場所へは行かないようにします。ただし、食料品の買い出しや、仕事でやむを得ない場合など、人との接触を避けられないこともあるでしょう。その場合は、人と人との距離を2m以上保つように心がけること。たとえば、対面式で会議をしなくてはならないなら、最低限の人数に減らすことや、席を1つずつ飛ばして座る、互い違いに座るなど一定距離を保つ工夫をします。
家の中の家具やドアノブなど生活用品の消毒はどうしたらいいの?
感染対策で大切な消毒には、日用品などのモノに対する消毒もあります。特に、自分以外の人と共有しているものは、しっかり消毒しておくこと。オフィスや店舗など公共の場所では、管理会社が衛生管理の徹底をしているはずなので、自分の身の回りの消毒は自分で対応するようにします。たとえば、家族と同居しているなら、ドアノブや水道の蛇口など共有で使う場所を中心に。一人暮らしでも食事をするテーブルは、食事前に必ず消毒すると安心です。
自衛隊の感染対策マニュアルでは、日用品を消毒する方法も紹介されています。その方法は、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウムを使って消毒していくものです。消毒用エタノールが利用できる主な場所は、以下の通り。無水エタノールと水を、8対2の割合で混ぜ合わせた液体を使うことで、消毒ができます。消毒用エタノールの場合は、手指など体の消毒にもできるので、主に食卓やキッチン周りなど食事をする場所で利用するといいかもしれません。
(手指など体に使える消毒用エタノールでも傷口は避けること)
(防衛省 統合幕僚監部 災害派遣特設コーナー 新型コロナウイルスから皆さんの安全を守るために資料より)
次亜塩素酸ナトリウムで、消毒できる場所は物全般や壁や床など。ドアノブやパソコン、手すりなどの消毒に向いています。次亜塩素酸ナトリウム濃度5%の製品の場合は、5㏄あたり500㏄の水で薄めて消毒液(次亜塩素酸ナトリウム濃度0.05%)を作ります。容器はペットボトルをきれいに洗って利用するといいそう。ただし、強い薬なので、必ず手袋をすること、喚起をすること、水以外の液体と混ぜないことを徹底するように。素材が傷んでしまう場合もあるので、拭いた後に水拭きをすることも忘れずにしてください。
まとめ
新型コロナウイルスの対策は、一人一人が自覚をもって対策をとっていくことが重要です。目に見えないウイルスへの対策を長く続けていくことは、難しいかもしれません。ですが、私たちの命や生活を守るために、今やるべきことなのです。また、適切な方法で手を洗う習慣や身の回りのものを消毒して清潔に保つということは、普段の風邪予防やインフルエンザ対策にも対応できる方法と言えます。いままで、正しい手洗いやうがい、消毒などには全く関心がなかったという人もこれを機に、当たり前にやることの一つに加えてみてはどうでしょうか。
プロフィール
回遊舎(かいゆうしゃ)
"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。
近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、
「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点1
0」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。