新型コロナウイルスの感染拡大防止で、テレワークでの勤務になった方もいらっしゃるかと思います。本連載では、会社の方針でテレワークをすることになった筆者のテレワーク体験をつづっていきたいと思います。
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テレワーク3日目の朝。初日、2日目と同様、緊張感はあるが、遠隔で会社PCを使ってのリモートワークにもだんだんと慣れ、ドア・ツー・ドアで1時間半、往復で3時間もかかる通勤がなく、ほぼ会社にいる時と同じ仕事ができるとあって、便利さが次第に分かるようになった。
朝のミーティングでも、画面を通して同僚の顔を見ることにも違和感はほとんどなく、「人間の適応力ってすごいなぁ」とあらためて感じることに。
テレワークについては、かなり以前から日経新聞の紙面で、その利便性を進める記事が掲載されているのを見てきたのだが、正直、他人事だった。それが今回の新型コロナウイルス防止のためという緊急事態で、図らずもテレワークの有効性が社会に広がる大きなきっかけになるだろうと、企業も個人も考えるようになったのは、間違いないだろう。
そうしたことも考えながら、自宅PCの前で、粛々と業務をこなしていく。ただし、前回書いた「即レス」は、どうしても止まらない。たまたま見たテレビ番組でDNA検査でいろんなことが分かるということである俳優が分析され、「外部の刺激に敏感である」という分析結果に、その俳優は「自分はMってことなんですよね」と感想を述べていたが、「即レス」を止められないということは、そういう要素もあるのかと実感したのだった。
即レスと原稿処理などを重ねながら、今日もあっという間に時間がすぎていく。
もう13時か、と思って、Slackのステータスを「ランチ」にして、昼食を食べにリビングへ。
会社ではいつは一人で食べる昼食が、妻と休校中の子供たちがいる食卓は、何かに似ていると感じていたら、妻が、「社員食堂でえーす」と笑いながら話すのを聞いて、「なるほど、社員食堂か、確かにそんな感じだ」と妙に納得。
健康によさそうで、カロリーも少ない食事と、打ち解けた仲間と食堂に設置してあるテレビを見ながらの食事。「あー、新聞社時代の社員食堂か」と、故郷にある新聞社を思い出したのだった。
メーカーの経理から転職して憧れの新聞社に入り、ワケもわからないまま街を駆けずりまわっていたあの時代。「そうか、それから東京に出てきて、もう相当なるなぁ」と思い、郊外の自宅でテレワークをしている自分をふと振り返るのだった。
(イラスト:ConChan)
筆者プロフィール
thatcher
福岡県出身。メーカーの経理部員、新聞記者、雑誌編集者などを経て、現在はWEBサイトの編集者。話好きだが声が大きすぎ、ひんしゅくを買うことがしばしば。周りからはうるさいおじさんと思われている。
趣味は血液型占い、星座占いと、ちょっとした予言。意外と当たり、周囲を当惑させている。