あなたが働いているオフィス、床の清掃はどうされていますか? 専門の清掃業者は入っていても、毎日は掃除機をかけないオフィスもあります。オフィスの床の汚れを調査したら、目には見えない汚れの実態がわかりました。(Misa)
[オフィスの床に潜む「隠れダスト」]
「隠れダスト」とは、ソフトバンクロボティクスが環境アレルゲンinfo and careと共同で行った調査をもとに独自に定義された言葉で、「チリ、花粉、カビ、細菌等、肉眼では見えにくく、床に存在し、空気中に舞い上がりやすい人の手では取り残してしまうゴミの総称」です。東京都内の6ヵ所のオフィスを対象とした調査により「隠れダスト」の実態が明らかになりました。この調査ではタイルカーペットが敷かれたオフィスの執務室床から、掃除機を用いて1平方メートルあたり2分間吸引してダストを回収しています。この方法でオフィス内の「隠れダスト」の調査と同時に一般家庭の住居を調査し、オフィスとの比較を行っています。これにより汚れの程度だけでなく、オフィスと住居では汚れ方が異なることがわかりました。
【出典】花粉・アレルギー最新研究]オフィスに潜む「隠れダスト」の実態と課題とは( 環境アレルゲンinfo and care株式会社)
[住宅よりも多いカビや、意外なアレルゲンも検出]
すべてのオフィスからアオカビ、クロカビの他に、呼吸器に健康被害を起こすおそれのあるコウジカビ(アスペルギルス属)が多くの種類、検出されました。そのカビ数は今回調査した住宅に比べ最大で10倍以上という結果が出ています。そのほかにも、ダニ、カビ、細菌、各種アレルゲンや、準揮発性有機化合物(SVOC)として、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル(DEHP)などが検出されました。細菌、ダニとダニアレルゲンは住居と比べると平均的に少ない傾向でしたが、同じオフィス内でも掃除しきれていない場所ほど、ダニとダニアレルゲンが多く残留していることがわかりました。
また、調査が実施されたのが12月だったにもかかわらず1ヵ所のオフィスからスギ花粉アレルゲンが発見されたり、すべてのオフィスからネコアレルゲンが検出されたりという驚きの結果も出ています。これはスギ花粉の季節に持ちこまれてオフィス内に残留していた、自宅でネコを飼っている人が日常的にオフィスに持ちこんでいた、と推測されます。
このように、公共スペースであるオフィスには多くの人や物の出入りに伴い、チリ、花粉、カビ、細菌などが持ち込まれ、それが掃除しきれずに「隠れダスト」となっている実態がわかりました。
[オフィスの清掃について考え直そう]
この調査では人間による掃除の効果を調べる実験も行っています。その結果、目視に頼る掃除は"ムラ"が多く、目に見えない「隠れダスト」を取り残しやすいことがわかっています。また、掃除機の使い方で掃除中にダスト粒子が舞い上がりやすく、汚れをとりきれない原因にもなっているそうです。
この調査では人間による掃除の効果を調べる実験も行っています。その結果、目視に頼る掃除は"ムラ"が多く、目に見えない「隠れダスト」を取り残しやすいことがわかっています。また、掃除機の使い方で掃除中にダスト粒子が舞い上がりやすく、汚れをとりきれない原因にもなっているそうです。
健康増進法の施行を受け、オフィスの禁煙など従業員の健康に留意する企業が増えていますが、オフィス内の清掃にも目を向ける必要があるのではないでしょうか。
プロフィール
原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。