メルカリ利用者がはまる"メルカリハイ"とは!?

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2018年のフリマアプリの推定市場規模は6,392億円、これは対前年比32.2%の急成長です。急成長の背景にはフリマアプリ利用の裾野の広がりとヘビーユーザーの存在があります。フリマアプリ利用者の意識・実態調査の結果と、その心理的背景をみていきましょう。

[100円以下の利益でフリマアプリに出品する利用者の意識と実態]

フリマアプリの大手、メルカリが運営するメルカリ総合研究所が実施した、フリマアプリ利用者を対象とした意識・実態調査の結果が発表されました。

この調査は、「100円以下の利益でフリマアプリに出品する利用者(少額取引利用者)」と「最低1,000円以上の利益を見込んで商品を出品するフリマアプリ利用者(高額取引利用者)」、それぞれ515名(合計1,030名)を対象とし、フリマアプリの利用目的などを明らかにすることを目的とした調査です。

フリマアプリ利用者の22.0%、つまり約4人に1人が、「3回に1回以上」の頻度で100円以下の利益で出品しています。少額取引利用者は、高額取引利用者と比較して、「捨てることがもったいない」という意識が高い傾向があります。フリマアプリ利用によって、「捨てることへの罪悪感」から、出品したものが売れることが「嬉しい・楽しい」へと変化していることがわかりました。

【出典】100円以下の利益で出品するフリマアプリ利用者」の意識・実態調査(メルカリ総合研究所)

[フリマアプリに「ハマる」心理と行動パターン]

全回答者の74.5%が、商品が売れたときに「嬉しい・楽しい」と回答しています。少額取引利用者の63.6%が「捨てる罪悪感がなくなる」をその理由と答えています。これは高額取引利用者と比較すると、2割強も高い数字です。少額取引では「利益は少額でいいから、捨てるのを避けたい」という動機が伺えます。

少額取引利用者の男女比は、男性36.7%、女性63.3%と圧倒的に女性が多く、少額取引利用者の59.8%がフリマアプリに「ハマっている」ことを自覚しています。また、男女別でみると、男性は「他者に評価されたと感じるから」の回答が多く、女性は「使えるモノを捨てる罪悪感がなくなるから」という回答が多くなっています。

また、回答者全体の70.3%は、出品した商品が売れることで「承認欲求が満たされる」と回答しており、これは「SNS投稿にコメントが入ること」の55.7%を上回る結果となっています。そして、53.3%が「身の回りの売れるモノを探すようになった」こともわかりました。不用品を出品するのではなく、出品できるものを探すというように、行為と目的とが逆転しています。これは、さらなる承認欲求へと結びつく行動と考えられます。

マーケティングライター、世代・トレンド評論家の牛窪恵氏は、利益は少額でも、利用者は出品による「捨てる罪悪感」からの解放と、購入されることで「自己承認」を得られ、それが「メルカリハイ」ともいえる快感につながっていると同調査に分析のコメントをしています。

(牛窪恵氏)

[「いいね!」と並ぶ承認欲求を満たす場に]

牛窪氏は「フリマアプリが環境への配慮だけでなく現代人のストレス緩和にも貢献する、重要なサービスに成長した」と述べており、調査結果からみても、フリマアプリはSNSの「いいね!」と並ぶ承認欲求の実現方法になっているといえます。

しかし、行き過ぎればSNS疲れのようなストレスを感じたり、依存してしまったりする人が出てくる可能性もあります。フリマアプリの過度の利用が、ストレスやトラブルに発展しないよう、適切な範囲でコントロールしていくことが大切です。

プロフィール

原稿:Misa

ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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