働き方改革関連法の施行により、労働時間の削減は社会全体の動きになりつつあります。しかし、ある調査では、働き方改革の妨げの一因ともいえる「非効率な会議」に対するビジネスパーソンの問題意識が浮き彫りになりました。 (Misa)
非効率な会議に疑問を感じる人が3割強も
音声コミュニケーションプラットフォームを展開する株式会社BONXが、「"働き方改革"への企業の取り組み実態」に関する調査(対象:20代から40代のビジネスパーソン600人)を実施しました。この調査では業務効率化が進められるなかで、会議のあり方に疑問を感じたり、問題意識を持ったりしている人が35.8%もいることがわかりました。会議に関する問題として上位に挙がったのは以下の3つで、いずれも会議が無駄であると感じられているようです。
- 1位 目的が曖昧で雑談ばかり
- 2位 些末な議題で打ち合わせが頻繁に設定される
- 3位 発言機会もなく無駄に感じる
【出典】「新時代を生きるビジネスパーソンのライフスタイル」に関する調査(株式会社BONX)
会議はどうすれば改善されるか
3割強のビジネスパーソンが会議を無駄と感じている一方で、会議を効率化する対策をとっている企業は19.3%に留まっています。具体的には、「参加者の限定」(44.0%)、「MTGルールの設定(最長1時間までなど)」(42.2%)、「テレワーク推奨」(38.8%)などの対策がとられています。それに対して改善できない理由として、ルールが曖昧、改善の意思がない、課題解決する手段(製品・サービス)が身近にない、などが挙がっています。
この調査結果を参考に、会議を無駄と感じてしまう理由とその対策を考えてみます。
<会議を無駄と感じる理由>
①会議参加者を広げすぎている。
【事例】 部署内の情報伝達のために参加者を増やしたがる。
<対策> 参加人数を限定する。情報伝達の責任者以外は除外する。
情報伝達のパートのみの参加者を分け、参加時間を短くする。
②協議する必要性がなくても会議を行っている。
【事例】 定例会議などで必要性がなくても習慣的に招集される。
<対策> 直近の議題がない場合のルールを設ける。
報告・連絡のみの場合は会議を別の手段に振り替える。
③会議の目的や役割が明確でない、または逸脱してしまう。
【事例】 協議よりも説明が長い。緊急性のない議題周辺の話が持ち出される。
<対策> 終了時間を決める。経過時間を確認する。
短時間化のため説明は資料などで事前に共有する。
会議の効率化は永遠のテーマ
今回とり上げさせていただいたのは、働き方改革を機に行われた調査ですが、非効率な会議についての疑問や不満は、バブル期以前からいわれ続けてきました。効率よく、生産性の高い会議は、参加者全員が意識して取り組まないと実現できないのだと思います。
そもそもビジネスでの会議の役割は「協議」による合意形成と「意思決定」、そして「認識の共有」ですが、会議が定例化されるとマンネリ化してしまう場合も多いです。また、ビジネスにおける会議の役割や目的を理解できていない参加者がいることも問題です。
効率よく、生産性の高い会議を行うためには、目的の明確化と事前準備がマストです。会議前に質の良い情報共有ができれば、短時間化や効率化は容易になります。
原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。