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DAY 2019.11.13 ライフ

自然災害で被災したらどうしたらいい?
受けられる支援まとめ

大雨に台風、地震など、ここ数年で大規模災害が増えていて、今まで被災したことがない地域でも起こってしまうことが増えているように感じます。

万が一被災してしまったら、生活を立て直していくうえで必要になってくるのはお金ですが、被災した直後の大変な時に、どういった支援を受けられるのか確認することは困難になってしまう可能性があります。

防災対策の一環としてそういった支援についての知識を備えておいてはどうでしょうか。今回は被災した時に受けられるお金の支援についてまとめました。

目次

1.まずは、「罹災(りさい)証明書」を取得することから

1-1.(1)被害を届け出て、被害状況の確認作業をする

1-2.(2)自治体へ証明書を申請する

1-3.(3)り災証明書の交付

2.災害時に受けられる公的支援制度を確認する

2-1.(1)被災者生活再建支援制度

2-2.(2)国税の特別措置

2-2-1. 申告などの期限の延長

2-2-2. 給与所得者の源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予など

2-2-3. 所得税の軽減

3.預金通帳・印鑑を紛失したらどうする?

4.焦らずにまずは現状の確認をして

1.まずは、「罹災(りさい)証明書」を取得することから

罹災(りさい)証明書とは、災害によってどのくらいの被害を受けたか、証明する書類のこと。被災者が自治体に対して申請をすると、被害状況の調査が行われ、証明書が交付されます。この証明書は、水害、地震等の自然災害や火災に遭ってしまった時に必要な届出や申請などに必要なものになります。申請の流れは次のとおり。

(1)被害を届け出て、被害状況の確認作業をする

電話または役所窓口に被害届を提出すると、各自治体から委嘱を受けた調査員が被災者の家を回り、国により定められた方法で被害の認定調査を行います。自然災害となると調査が必要な住宅の数も多いため、素早く公平な調査をするために2段階の調査を行います。

まず、調査員が建物の外観を目視して損傷の度合いを判定。さらに、り災者からの申し出があり、かつ家屋倒壊の危険がない場合には、第2段階として内部調査も実施します。こうした調査に基づいて、自治体により損害割合が算出されます。

調査が完了すると、調査日・調査番号を記した「調査済証」を受け取ることができるので、これをもとに申請をします。この調査結果によって、支援が受けられる程度が決まります。ですから、認定内容が不服なら、再調査の依頼や弁護士を立てることもできます。

(2)自治体へ証明書を申請する

申請は、被災した家の所有者か、住んでいる人がするのが基本。ただし、委任状を作ることによって、第三者が代理申請することも可能です。また委任状がなくても、関係性を示すものがあれば、り災者の親族や法定代理人が申請することもできます。

り災証明書の申請を行うのに必要な書類は、各自治体のホームページや、役所窓口から取得できます。申請者の個人情報・り災状況について記入し、写真など被害の状況がわかるものや、被災の位置図などの書類と共に提出します。

申請をする前の、できるだけ早いうちに被害を確認できる写真を撮っておくこと。証明書の発行や調査には時間がかかりますので、片付ける前に被害状況を示せるように記録をしておくことが大切です。

原則、申請期限は災害の発生した日から6カ月後まで。ただし、被害規模が大きい場合には、申請期限の延長や無期限となることもあります。また申請の手数料はかかりません。

(3)罹災(りさい)証明書の交付

罹災(りさい)証明書は現地調査が終了したあとに、郵送または役所窓口で交付されます。ただし、大型災害の場合は、インフラ整備や救援活動に人手を割かれてしまったり、役所が被害を受けて行政機能が失われてしまったりすることから、交付までに長い時間がかかることがあります。そのため、り災証明が迅速に必要な場合には、り「災届出証明書」という書類を即日発行することが可能です。これは、公的な支援を受ける時などに、り災証明書の代わりとして利用することができるもの。申請時に交付までの期間を確認すると同時に、り災届出証明書の発行についても問い合わせるようにしましょう。

2.災害時に受けられる公的支援制度を確認する

災害時に受けられる支援制度については、給付型から減免型まで多くの制度があります。その中からいくつかをピックアップしてご紹介します。

(1)被災者生活再建支援制度

自然災害によって住宅が全壊するなど、生活がままならないような大きな被害を受けた世帯に、支援金が支給される制度です。住宅の被害程度に応じて支給される支援金(基礎支援金)と、住宅の再建方法に応じて支給される支援金(加算支援金)の2種の支援金の合計を受け取れます。基礎支援金は、全壊等で100万円、大規模半壊で50万円支給されます。加算支援金は、新たに住宅を建築・購入をする場合には200万円、補修する場合には100万円、賃貸の場合は50万円が支給されます。いずれも、独身世帯は、規定額の4分の3の金額になります。

この支援金は、被害の大きさに応じて支給されますが、お金の使い道に関して縛りはないので、あらゆるものの資金に当てることができます。住宅が全壊したり、長期的に居住困難だったりする場合で支給など、支給基準は高く設定されていますが、貸与ではなく給付なので大きな被害にあった場合には是非自治体に相談してみるとよいでしょう。

(2)国税の特別措置

各種税金に対して、払い込みまでの期間を延長したり、支払うべき金額を軽減させたりできる措置のこと。

・申告などの期限の延長

災害などが原因で申告、納付など期限までにできない場合、災害のおそれがなくなり、復旧できる状態になった日から2カ月まで期限が延長されます。国税庁によって延長をする地域が指定される場合と、個別に申請し承認を受ける場合があります。個別に行う場合、期限延長の申請は期限が過ぎても可能です。

・給与所得者の源泉所得税及び復興特別所得税の徴収猶予など

災害によって住宅や家財などに損害を受けた場合、所得金額の見積額に応じて源泉所得税や復興特別所得税の徴収猶予や還付を受けることができます。

・所得税の軽減

災害によって住宅や家財などに損害を受けた場合、確定申告の際に、雑損控除によって所得控除を受けるか、災害減免法を適用して所得税を軽減・免除するか選択することができるように。2つの方法からより軽減される方を選択できます。

そのほか、国税に対する特別措置以外にも、公共料金や放送料金なども減免や猶予ができる制度もあります。それぞれ適用条件が異なるので、内閣府「防災情報のページ」から「被災者支援に関する各種制度の概要」をチェックしてみてください。

詳細はこちら

3.預金通帳・印鑑を紛失したらどうする?

災害によって預金通帳や印鑑を紛失した場合でも、金融庁等の要請を受けた金融機関では、被災状況に応じて預金の引き出し等をすることができます。身分証明をするための運転免許証や健康保険証など、代替となる書類があれば一定金額まで引き出し可能です。印鑑が必要な届出等に関しても、印鑑の代わりに拇印での届出が可能です。

また例外的に、本人確認書類がない場合にも引き出しに応じてくれることもあります。また、もし被災先に普段利用している金融機関がない場合でも、金融機関によっては引き出しが可能なことがあります。まずは金融機関の窓口に相談してみてください。

4.焦らずにまずは現状の確認をして

被災が原因となってすべき手続きができない状況でも、ほとんどの場合猶予されるなど、融通が利くことがあります。まずは焦らずに、身の安全を確保しながら必要な情報集めていくことが大切。ですが、大規模災害にあってしまったら、生活していくのもやっとという事態に陥るかもしれません。事前にこうした手続きについて、防災知識と一緒に頭にいれておくと安心ですね。

プロフィール

回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。
近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。