ウェルネスライフサポート研究所では、女性の「健やかに、自分らしく、幸せに生きる」を応援するWOMANウェルネスプロジェクトの活動として「働く母1000人実態調査~健康×子育て×働き方~」を行い、調査結果をこのたび発表しました。同調査全体を通して、心身の不調を感じている人は妊娠中~復帰後、現在も多く「罪悪感」や「不安感」などマイナス感情を抱え、悩みながら働いている母親が多い現状が明らかになりました。また、社会、職場、夫(パートナー)への理解と協力を求めている現状も確認できました。
同調査は、働く母親の心身の不調とその対処の実態を明らかにし、母親の働き方やパートナーの働き方に対する満足度と母親の不調との関連を明らかにし、今後の健康支援や企業での両立支援体制の方法を検討する基礎資料として活用してもらう目的で、日本全国の働く母親を対象に実施したということです。
妊娠、復帰後、現在と仕事をする上で心身の不調を感じている母親は8割以上
妊娠中、育休復帰後、現在のそれぞれで心身の不調を感じている(いた)女性は妊娠中には93.3%、育休復帰後は86.4%、現在でも82.2%であり、多くの働く女性はどの段階でも心身に何かしらの不調を抱えていることが明らかになりました。
体の不調を感じた時は受診をするが、心の不調は受診をせず
不調を感じた時の対処として、体の不調より心の不調への対処は「何もしていない」割合が37.9%で、さらに内容も家族に相談等にとどまっており、専門家の相談などの対処は行われていないのが現状です。
職場復帰後(授乳継続者のうち)乳房トラブルは半数以上
職場復帰後、母乳育児をしている人は半数以上であり、その中でも半数以上が乳房トラブルを経験していることが明らかになりました。
「罪悪感」「不安感」を抱えながら働く母は6割以上、仕事をしながら子育てをする現状に「つらさ」を感じる母は7割以上
仕事と育児を両立していく中で、職場や家族に対して何らかの罪悪感を抱えている割合は63.4%、何らかの不安を感じている割合は65.7%、さらに現状をつらいと感じている割合は73.1%と、多くの働く母親が、精神的に何らかの問題を抱えている状況にあることが確認できました。
「仕事を辞めたい、または働き方を変えたい」と思ったことがある母親は7割以上
出産後に仕事をやめたい、または働き方を変えたいと思ったことがある働く母親は70.4%と、仕事の継続が難しいと思う働く母親が多いことが確認できました。
パートナーの働き方への満足度が低いほど、働く母親は「罪悪感」「劣等感」「不安」「つらさ」を感じる割合が高い傾向
夫またはパートナーの職場環境・勤務形態に不満がある人ほど、「罪悪感」「劣等感」「不安」「つらさ」を感じる割合が高い傾向にあることがわかりました。また母親自身の職場制度に不満のある人ほど、妊娠中も、現在も心身の不調を抱えている結果であり、職場の理解への満足度も心身の不調の数が多いほど、満足度は低く不満の割合が高い結果でした。
調査結果からは、働く女性が増え共働きが増える傾向になりつつも、心身の不調を感じている人は妊娠中、復帰後、現在とそれぞれの状況において多く存在していることがわかりました。特に、罪悪感や不安感などのマイナス感情、仕事を辞めることなども悩みながら働いている母親が多い中で、なかなか具体的な対処がなされず、社会や職場、夫(パートナー)への理解と協力を求めている実態も明らかになっています。
このような状況下においては、心身不調でパフォーマンスが落ち、仕事の継続が困難になり最終的には離職率の上昇など、企業にとっても望まない結果となる可能性が充分にあります。
調査結果をうけ、ウェルネスライフサポート研究所では、働く母親が心身共に健康で幸せな活躍をするために、以下の3つの取組みを実施することを提言しています。
- 働く女性への健康支援を促進
- 男女共に学ぶ教育研修の実施
- 子育て社員を支援する働き方制度の見直し