会社員として成長するために必要な、<br>縦でも横でもない『斜めの関係』とは!?

ビジネススキル・マナー

会社の規模の大小に関わらず、伸びる社員が行っている共通点があります。それは、マンネリ化をしないための努力をしているということです。マンネリ化が進むことで、社内にはアタリマエとフツウという凝り固まった考え方が増えていきます。そして、今、やっていることがベストだと思い込み、外部に情報を求めに行かなくなります。いざ、良い情報が入ったとしても、マンネリ化した人間の動きは遅く、行動するまでに多くの時間がかかることが特徴です。ですから、常日頃から、マンネリ化を防ぐための取り組みを定期的にすることが重要になります。

ここではマンネリ化を防ぐための取り組みの1つ『斜めの関係』について紹介したいと思います。

「慣れ」には社外の刺激を上手く使え

社内には上司と部下の『縦の関係』と同僚や同期などの『横の関係』が存在します。この関係は会社だけに限ったことではなく、家庭にもあります。この縦と横の関係だけでは、人の成長はなかなか加速しません。なぜなら、いつも一緒にいることもあり、お互いの存在価値が低くなってしまっていることが原因のひとつ。『身内の評価は低い』という言葉があるのもそのためです。存在価値が低くなることで、成長を促進してくれるはずの言葉や感謝が相手に届かないことが多くなり、その環境に成長を促すような刺激が少なくなっていきます。

そこで、お互いの言葉がしっかり伝わり、成長を促すような刺激を増やしてくれるのが『斜めの関係』なのです。そもそも斜めの関係とは、利害関係が存在しない第3者こと。つまり、社外の人であり、世代を超えた先輩や後輩、他社の社長や他部署の上司や仲間なども斜めの関係にあたります。利害関係が存在していなく、さらに、日常的に会うことも少ない斜めの関係の存在価値は、考えているよりも大きなもので、そこで刺激される言葉や考え方が自分の価値観を広げてくれます。

誰に相談するかで自分の成長が変わる

斜めの関係で忘れてはいけない大切なことがあります。それは、斜めの関係の人が、前向きで建設的な未来志向の考え方であることです。悩みや質問の回答とは、誰に相談するかで変わってしまいます。自分を成長させたいと思っているなら、自分を成長させてくれるような前向きで、建設的な考え方ができる人である必要があります。決して、誰でも良いわけではありません。ですから、自分の相談ごとを理解してくれるだけではなく、時には耳が痛いこともしっかり言ってくれる人とも言えます。

個人的な理想を言えば、自分よりも経験が豊富で、ある程度の成果を残している人が理想的です。ですから、利害関係のない先輩や上司などが理想的と言えます。それらの人と話をすることで、組織で活躍でき、仕事ができる社員と存在を認めてもらうためには、どうすればいいのか、あなたを評価している先輩や上司の気持ちを理解することができるからです。これが利害関係はないものの、同期や後輩に斜めの関係を求めていたのでは、あなたを評価している人の気持ちを理解することはできません。

マンネリには組織の外の風を吹き込め

縦と横と斜めの関係。社会人はこの3つの関係性に支えられながら生かされています。日常で何も考えずに仕事をしているとどうしても縦と横の関係だけで落ち着いてしまいます。縦と横の関係とは、積極的に行動しなくても手に入る関係性だからです。しかし、斜めの関係だけは、自らが『成長したい!』『さらに良くなりたい!』というような成長意欲からくる積極的な行動からその関係性が生まれます。あなたの成長することを諦めたくないという意志の力と行動によって手に入れられる関係とも言えます。

このように考えると、斜めの関係は会社の規模の大小に関係ないことがわかります。大企業で働く人でも、中小企業で働く人でも、あなたが積極的に求めることで手に入れることができるのが斜めの関係だからです。そして、その斜めの関係を見つけたことで、あなたの仕事や日常の生活はこれまでからは想像もできないほど変わり、自分自身の成長を以前よりも感じることができるでしょう。

プロフィール

金村秀一

ウィルウェイグループ代表取締役社長。成功し続ける社長のための経営塾『100年塾』塾長。1973年東京生まれ。東京国際大学卒。1995年弱冠21歳の時に創業。企業のWEB制作や顧客管理、マーケティングサポート、飲食業界、人材派遣業界など会社の成長ステージに合わせて事業を展開し、労働生産性は中小企業の 3 倍と高い生産性を実現。これまで四半世紀の経営経験から得たノウハウと、右肩上がりの高収益企業を創造する経営計画書による経営の仕組みを、社員 30 人未満の小さな会社の社長を対象とした経営塾『100年塾 』で2012年から主宰。著書は累計3万部を超える。
最新刊に『右肩上がりの会社が必ずやっている現場ルール(自由国民社)』

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