スマホの使い過ぎが脳を過労に追い込む<br>

スマホの使い過ぎが脳を過労に追い込む<br>"デジタル認知症"に注意!

「デジタル認知症」を知っていますか? デジタル認知症は、記憶力や思考力、判断力などの認知機能の低下、言語障害、意欲の減退などの症状を伴うもので、働き盛りの世代や若者にも急増しています。 (Misa)

デジタル認知症ってなに?

「デジタル認知症」は主に高齢者が発症する認知症と似た症状が見られますが、その原因は、スマートフォンなどのデジタル機器への過度の依存であるほか、スマートフォンなどへの依存によって、自分の頭で考えることや記憶する習慣が極度に減少した結果、認知機能が減退してしまう、またはスマートフォンから流入する膨大な情報を脳が処理しきれなくなる「脳過労」「オーバーフロー脳」が原因といわれています。

さらに、長時間にわたるスマートフォンの使用、SNSやメールによって、脳内で「ドーパミン」が過剰分泌され、脳内物質のバランスが崩壊し、神経細胞が死滅、回復困難なダメージを与えるという研究報告もあります。

たとえば、わからないこと、知りたいことが出てきたとき、自分の頭で考える前にスマートフォンで検索するのが習慣となっていませんか? 空き時間ができると、無意識にスマートフォンの画面を開いていませんか? 実はこれ、2つとも危険な兆候です。スマートフォンへの依存度が気になる方は以下をお試しください。

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デジタル認知症の予防とスマホ依存対策

デジタル認知症を予防するには何よりもまず、スマートフォンをはじめとするデジタル機器と一定の距離を保つことです。多少の自覚症状がある人も、デジタル機器の過度な使用を控え、接する時間を減らしていけば、症状が改善していく可能性があります。生活習慣病の初期段階に、食生活の改善や運動で治療するのと似ていますね。実際、過度のスマートフォン使用という生活習慣からはじまるデジタル認知症は、現代社会の生活習慣病といえるのかもしれません。

そこで、デジタル認知症のスマホ依存から抜け出すコツをご紹介します。自己管理で改善できるのがベストですが、どうしても難しい場合は、スマホ依存対策アプリを活用するのもよいでしょう。

  • ①スマートフォンの使用時間を把握する
  • ②目的がないときはスマートフォンを見ない
  • ③スマートフォンを使用しないタイミングを決める
  • ④必要ないアプリを削除する
  • ⑤緊急性が高くない通知機能(特にSNSなど)をオフにする

スマートフォンやSNSに限らず、何かに依存するライフスタイルが問題

メッセンジャーアプリを頻繁に使用する大学生の成績が著しく低いことや、メッセンジャーアプリを使用しながら読書をすると正確性が下がるということが報告された海外の論文や、スマホを使っている子どもたちは学力が低下し続けるという研究結果もあります。

インターネットやスマートフォンは、いまや欠かすことができない便利なツールですが、人間の認知機能を減退させたり、成長を阻害させたりする側面を持っていることは明らかです。

その一方で、デジタル機器やSNSが高齢者の認知症予防に効くという説もあります。アメリカのオレゴン健康科学大学のグループは、パソコンをよく使う高齢者ほど記憶中枢の海馬の容積が大きいという研究結果も発表しています。

つまり、その根本の原因はスマートフォンではなく、スマートフォンに依存するライフスタイルや依存してしまう私たち自身にあります。便利さに依存せず、自律的に考え、行動する習慣を身につけることが根本的な解決策といえるでしょう。

スマートフォンに限らず、「依存症」は現代社会で多くの人が抱える問題となっています。自己管理のスキルや自律的思考の力を伸ばすことは、何かに依存しないための予防にもなりますし、仕事の面でもおおいにプラスになるでしょう。

参考はこちら

原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。

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