今年60歳になる人の貯蓄額に格差ー<br>

今年60歳になる人の貯蓄額に格差ー<br>"平均"は2,956万円だが、4人に1人は「100万円未満」

今年還暦を迎える1959年生まれの男女は、152万人にのぼります。そんな中PGF生命は、2019年4月19日~4月22日の4日間、今年還暦を迎える1959年生まれの男女(以下、還暦人「かんれきびと」と呼称)を対象に「2019年の還暦人(かんれきびと)に関する調査」をインターネットリサーチで実施し、2,000名の有効サンプルの集計結果を公開しました。(調査協力会社:ネットエイジア)

PGF生命では、「還暦を迎えることへの意識やライフスタイル、そして今後の人生への期待や不安を聞いたところ、多様な人生観や生活実態が垣間見える結果となりました」としています。

気持ちは40代!還暦人の精神年齢は平均47歳、肉体年齢は平均55歳

今年還暦を迎える「還暦人」2,000名(全回答者)に、自分の心や体の年齢が何歳くらいに相当すると考えているのかを聞きました。

全回答者(2,000名)に、自身の精神年齢(精神的な若々しさ)が何歳相当だと実感しているか聞いたところ、「50~54歳相当」(29.8%)や「40~44歳相当」(16.3%)に回答が集まり、平均年齢は46.6歳となりました。

同様に、肉体年齢(身体的な若々しさ)について聞いたところ、「50~54歳相当」(32.2%)や「55~59歳相当」(26.5%)、「60~64歳相当」(19.3%)に回答が集まり、平均年齢は54.5歳となりました。

回答時の実年齢の平均である59.3歳と比較すると、精神年齢は12.7歳、肉体年齢は4.8歳若いという結果でした。「精神的な若々しさを実感している還暦人が多いようです」(PGF生命)。

喜ばれる還暦祝い!「一緒に旅行」や「食事会」、「旅行券」など

全回答者(2,000名)に、嬉しいと感じる還暦祝いを聞きました。嬉しいと感じるイベントごとや行為についてみると、1位「一緒に旅行に行く」(35.0%)、2位「食事会を開く」(29.5%)、3位「プレゼントをもらう」(24.6%)となりました。還暦人には、一緒に楽しめる旅行や食事会が人気のようです。

また、嬉しいと感じるプレゼントについてみると、1位「旅行券」(25.3%)、2位「おしゃれな洋服・小物(バッグ・腕時計など)」(16.9%)、3位「花束」(12.2%)となりました。
男女別にみると、人気度で男女差が顕著だったのは「花束」(男性3.5%、女性20.9%)でした。

反対に、嫌だ・遠慮したいと感じる還暦祝いを聞いたところ、イベントごとや行為では「赤いちゃんちゃんこを着る」(70.4%)がダントツとなりました。赤いちゃんちゃんこは魔除けなどの意味がある縁起物として、古くから還暦祝いに使用されていますが、イマドキの還暦人には敬遠されるようです。

また、嫌だ・遠慮したいと感じるプレゼントでは、1位「夫婦ペアグッズ(ペア財布・ペア腕時計など)」(26.9%)、2位「記念品(似顔絵・メッセージ入り置き時計・フォトフレームなど)」(24.5%)、3位「花束」(16.0%)となりました。

男女別にみると、「記念品(似顔絵・メッセージ入り置き時計・フォトフレームなど)」は女性では30.6%、男性では18.3%と、男女差がありました。「女性には、オリジナルの記念品よりも、自分の好みや趣味に合ったものを使いたいと考える人が多いのではないでしょうか」(PGF生命)。

"アラセブ"まで現役!「還暦を過ぎても働きたい」還暦人が8割半

今年の還暦人は、仕事に対してどのような意識を持っているのでしょうか。

59歳時点で就労をしている・していた人(1,426名)に、還暦(60歳)以降、何歳まで働いていたいか聞いたところ、「60歳まで(=60歳以降働きたいと思わない)」は15.3%となり、61歳以上の年齢を回答した人の合計は84.7%となりました。なかでも「65~69歳まで」(39.8%)や「70~74歳まで」(24.2%)に回答が集まり、平均は67.2歳になりました。70歳前後の"アラセブ"(around 70)まで現役で働いていたいとする還暦人が多いようです。

還暦人の貯蓄額は平均2,956万円!一方、4人に1人が「100万円未満」

全回答者(2,000名)に、現段階の貯蓄金額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)を聞いたところ、「100万円未満」(24.7%)が4人に1人の割合となりました。そのほか、「100~300万円未満」(11.3%)、「500~1,000万円未満」(11.1%)、「1,000~1,500万円未満」(10.4%)という回答が多く、「3,000~5,000万円未満」(8.7%)や「1億円以上」(8.1%)という回答が1割近くあり、平均額は2,956万円となりました。

昨年の調査結果と比較すると、「100万円未満」は2018年20.6%→2019年24.7%と、4.1ポイント上昇しました。一方で、平均額は2018年2,725万円→2019年2,956万円と、231万円上昇し、今年の還暦人は貯蓄の格差が開く結果となりました。

平均額をエリア別にみると、一都三県では3,363万円と、全体平均より407万円高くなりました。

また、平均額を世帯構成別にみると、おひとりさま世帯2,663万円、夫婦2人世帯3,223万円、子育て期世帯2,354万円、子どもと同居世帯3,129万円となっており、夫婦2人世帯の平均額が最も高くなりました。

還暦人の月ごとの消費...「健康維持」に平均1万3千円、「趣味」には平均1万4千円

全回答者(2,000名)に、健康維持のためにお金を使っているか聞いたところ、「健康維持にお金を使っている」という人は61.8%となりました。

健康維持にお金を使っている人(1,237名)に、ひと月あたり(自身1人分で)どのくらいの金額を使っているか聞いたところ、「10,000円~20,000円未満」(31.9%)や「5,000円~10,000円未満」(26.7%)に回答が集まり、平均額は12,809円となりました。平均額を男女別にみると、男性14,364円、女性11,359円となり、男性のほうが3,005円高くなりました。

次に、趣味のためにお金を使っているか聞いたところ、「趣味にお金を使っている」という人は68.6%となりました。

趣味にお金を使っている人(1,373名)に、ひと月あたり(自身1人分で)どのくらいの金額を使っているか聞いたところ、「10,000円~20,000円未満」(29.4%)や「5,000円~10,000円未満」(22.6%)に回答が集まり、平均額は14,435円となりました。

平均額を男女別にみると、男性17,405円、女性11,062円となり、男性のほうが6,343円高くなりました。

「やりたいこと(叶えたい夢や目標)がある」還暦人の約7割

還暦人は、今後の人生についてどのような展望を持っているのでしょうか。

全回答者(2,000名)に、まだまだやりたいこと(叶えたい夢や目標)があるか聞いたところ、「あてはまる」(「非常に」と「やや」の合計、以下同様)が68.1%となりました。還暦人の7割近くが、今後の人生に対する夢や目標を持っていることがわかりました。

また、第二の人生について考える機会が増えたかどうか聞いたところ、「あてはまる」が64.1%となりました。「老後の新たな生き方について、考えるようになった人が多いようです」(PGF生命)。

還暦を機にやりたいこと...1位は「不用品処分」、還暦男性の8人に1人が「資産運用」を選択

全回答者(2,000名)に、還暦を機にやりたい・チャレンジしたいと思っていることや、計画していることを聞いたところ、1位「不用品を処分する」(39.4%)、2位「新しい趣味を始める」(21.6%)、3位「家のリフォームをする」(10.7%)となりました。

男女別にみると、「不用品を処分する」は女性では49.8%、男性では29.0%と、女性のほうが20.8ポイント高くなりました。還暦女性の多くが、断捨離に取り組みたいと思っているようです。

また、男性では8人に1人(12.5%)が「資産運用をする」を選択しました。還暦男性には、資産運用で、老後の生活に備えたいと考えている人が少なくないようです。

還暦人が抱える不安...1位「収入の減少」2位「身体能力の低下」3位「年金制度崩壊」

還暦人は、どのようなことに不安を感じているのでしょうか。

全回答者(2,000名)に、還暦以降(60歳以降)の人生で不安に思うことを聞いたところ、1位「収入の減少(60歳以降の雇用形態の変更など)」(58.5%)、2位「身体能力の低下(体の病気や寝たきりなど)」(52.6%)、3位「年金制度の崩壊」(48.2%)となりました。収入の減少や年金問題といったお金に関する不安や、健康に関する不安を抱えている人が多いようです。

男女別にみると、「身体能力の低下(体の病気や寝たきりなど)」(男性47.0%、女性58.2%)、「判断能力の低下(認知症等脳の病気や車の運転など)」(男性34.4%、女性49.1%)、「自分の介護」(男性30.1%、女性44.0%)、「容姿の老化」(男性16.2%、女性32.2%)では、男性と比べて女性のほうが10ポイント以上高くなりました。還暦女性には、老化で体の状態が変化することや、介護の問題に対して、不安を感じている人が多いようです。

還暦人が行っている老後の準備...1位は「貯蓄・資産運用」、「運転免許の自主返納」は2%

全回答者(2,000名)に、老後の準備として行っていることを聞いたところ、1位「貯蓄・資産運用」(47.7%)、2位「体力づくり」(33.9%)、3位「健康診断の受診」(31.5%)となりました。不安に思うことで上位となったお金や健康の問題に関して、具体的な準備を行っている人が多い結果となりました。「エンディングノート・遺言書の作成」(7.4%)や「遺産相続対策」(6.3%)、「デジタル遺品の整理」(3.5%)といった"終活"に関する準備はいずれも1割以下でした。また、「運転免許証の自主返納」(2.2%)はわずかでしたが、近年高齢者の重大事故が大きく報道されているためか、既に運転免許証の自主返納を済ませた還暦人がいるようです。

男女別にみると、「友人との交流」は女性では22.0%、男性では10.9%と、女性のほうが高くなりました。還暦女性は、老後の友人関係を重視する傾向が高いようです。

PGF生命では、「老後の生活に対して前向きな夢や目標を持つ還暦人の姿や、不安を抱えながらも、具体的な準備を行って老後に備えている還暦人の姿が垣間見られる結果となりました」としています。

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