自分が居住する個室の他に共有スペースを入居者全員でシェアする賃貸物件、シェアハウスが若い世代を中心に人気を集めています。従来の賃貸物件とは異なる、シェアハウスの魅力と起こりえるトラブルについて考えます。 (Misa)
シェアハウスが人気を集めている
シェアハウスは、入居者が個室以外の居住空間をシェアして暮らすタイプの賃貸物件です。当初は居住空間としてのクオリティより、敷金、礼金が不要だったり、賃料が格安であることを売りにした物件が中心でした。
しかし、最近ではスポーツジムやスタジオなどの付帯設備の充実や特定のコンセプトで整えられたオシャレな内装など、物件としての魅力や利便性で評価されるシェアハウスが増えています。シェアハウス専門の紹介サイトや不動産会社もあり、賃貸市場の1つの分野として活況を呈しています。つまり、安かろう、悪かろうで我慢しながら住むのではなく、入居者のライフスタイルに影響を与える付加価値をもった居住空間として、あえてシェアハウスを選ぶ人が増えているのです。そこで知り合える人脈を目当てに、定期的にシェアハウスからシェアハウスへと移り住む人もいるそうです。
シェアハウスのトラブル事例
入居者同士で交流できることが特長であるシェアハウスですが、もっとも多く発生するトラブルもやはり人間関係です。特にこじれやすいのが恋愛のトラブルです。シェアハウスで知り合って結婚に至るという幸福なケースばかりであるはずがないのは、あらためて説明するまでもないでしょう。
また、共有部分の使い方や、清掃を分担する場合での清掃の仕方、騒音など、生活面でのトラブルもあります。生活習慣や価値観の違いからくるトラブルは、人を不快に思わせるものです。それが原因で口論になったりすると、その後の住み心地にも影響します。
もう少し、深刻な事例では盗難があります。冷蔵庫に入れた食料品程度なら、うっかりといった笑い話で済むこともあるかもしれませんが、そうではなく、金銭や貴重品が盗難にあう被害も実際にあるそうです。
さらに、宗教や物販などに勧誘されるというトラブルもあるようです。そういった行為は運営会社が知るところになれば、多くの場合は退去勧告などの措置がとられるそうですが、そもそも、勧誘目的で入居している人がいるかもしれないと考えると少し怖いですね。
人との出会いや交流がシェアハウスの魅力
仕事や学校では接点がない人と知り合い、交流できるのがシェアハウスの魅力のひとつですが、その一方、他人同士がスペースを共有するのですから、トラブルが起こる可能性は否定できません。シェアハウスの醍醐味である人との交流は、入居者の間に垣根を設けないからこそ生まれるものです。交流を楽しみながらも、節度ある距離感を保つことが自己責任になってきます。何より、多少のトラブルならば人生経験と楽しめるくらいの度量がある人にこそ、シェアハウス暮らしに向いているのかもしれません。
最近では女性限定やクリエイターなどの職種、趣味などのコンセプトで入居者を集める物件もあるようです。シェアハウスに興味がある方は、そういった視点で探してみるのもよいかもしれませんね。
原稿:Misa
ITベンチャーで企画、人材開発、広報などを経て独立。現在はコンサルタント、ときどきライター。ライターとしては、IT系以外、アニメ・マンガ、車から美容・健康まで何でもチャレンジ中。