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DAY 2019.03.20 トレンド

外国人労働者の教育、
指導経験者の7割が「日本人の1.5倍以上の時間がかかる」

サービス産業の生産性を動画で改善するクラウドOJTシステム「ClipLine(クリップライン)」を提供するClipLineは、2019年4月1日の改正出入国管理法(入管法)施行を前に、外国人労働者の指導経験者を対象とした「外国人労働者の教育に関する実態調査」を実施し、その結果と考察を発表しました。調査の結果、指導経験者の7割が「日本人の1.5倍以上の時間がかかる」と回答したことが分かりました。

同調査は、外国人労働者と受け入れ企業が互いに何を期待し、何が課題であるのかを認識することで、受け入れに必要な準備や心構えの手がかりを得ることを目的としています。人材不足に直面しているサービス業の現場では、人材確保に対処すべく、外国人雇用を進めていますが、「顧客ニーズの多様性、商品やサービスの入れ替えサイクルの短縮化などによるオペレーション複雑化のため、教育難易度は上がる一方です」(同社)。

Cliplineでは、「今後、日本企業は人手不足解消のためだけでなく、外国人労働者がより働きやすい環境を整備することで生産性を高めていく必要があります。また、日本で習得した考え方やスキルを母国でも活かし、日本企業や製品への愛着を持った外国人労働者を増やしていくことで、将来のビジネスや経済発展の機会に繋げていくことが期待されます」として同調査を実施しました。

外国人労働者の受け入れ、アジア圏を中心に多国籍化が進行

まず、「現在人手は充足していますか?」と質問したところ、体感として人手が足りないと回答した指導経験者が65%いました。特に、離職率が高く、非正規雇用が多いサービス業においては人手不足の影響が大きいものとなっています。

次に、在籍中の外国人の国籍を教えてくださいと質問した結果、中国、韓国に加え、小学校で学ぶ第一外国語が日本語に指定されるなど、親日で知られるベトナムの人材も近年では増えています。それぞれの国籍に合わせて言語や文化、宗教など外国人従業員のバックグラウンドが多様化することが想定されます。

新人外国人労働者への教育、62%が不十分と回答

また、外国人への教育・指導結果についての効果についてどう感じているか聞いた結果、思うような指導結果にまで至っていないという回答が57%もあり、「もともと教育ができていない」という回答を含めると、62%が新人教育で十分な教育を行えていないと回答しました。

サービス業は、サービス自体が無形であることに加え、顧客ニーズや商品、機器の多様化などによるオペレーションの変化が大きく、たとえ日本人同士であっても教育難易度が高いことで知られています。一方で外国人従業員の場合は、言語や習慣などの影響によって、コミュニケーションの難易度も向上することが予想されているので、「指導はより難しいものになってくるでしょう」(ClipLine)。

さらに、外国人にどのような内容の指導をしているのか聞きました。日本人も外国人も同じ内容で指導しているという回答が71%にのぼり、日本人とは別の内容で指導している企業は少数にとどまりました。一方、外国人材の多様なバックグラウンドによる認識や習慣のずれを踏まえて日本の商習慣や心構え、文化などについても指導を行っているという回答も40%ありました。

68%が外国人教育には日本人の1.5倍以上の時間がかかると体感

また、外国人が独り立ちするまでの指導時間は日本人と比較してどの程度の違いがありますか?と質問したところ、独り立ちまでに必要な指導時間は、体感で日本人よりも長くかかるとの回答が68%にのぼりました。日本人と同じ内容を教えていても、前述でお伝えしたように、コミュニケーションの難しさや前提となる価値観や文化の相違などにより、指導者だけでなく指導される側も苦労していると考えられます。

外国人への指導で苦労していることはありますかと質問すると、「苦労していることは特にない」という回答が10%にとどまり、ほとんどの指導者が何らかの苦労をしていると回答しました。

日本語が流暢でない場合は細かい指示が伝わらないという問題が考えられます。しかしながら、日本独自のサービス業の品質の高さを外国人に再現してもらうためには指示が細かくなる傾向もありそうです。「習慣や文化の違いによる問題がある」という回答は45%ありましたが、それを教育しているとの回答は20%にとどまったことから、本来すべき教育が実施できていないのが現状です。また、「コミュニケーションが円滑ではない」という回答も34%あり、現場での人間関係にも影響が出ると考えられ、働きづらさの要因にもなりかねないでしょう。

外国人労働者の教育で、単純な人手不足の解消以上の効果

多店舗展開企業の現場では、教育難易度の高さから外国人教育に苦労している現状が浮き彫りになりました。外国人の教育には日本人よりも時間がかかり、1対1のOJTを実施すれば、人件費の高騰による利益の圧迫にもつながりかねません。「日本全体で見た場合、外国人の指導時間をひとり当たり25万円とし、72万人に1対1のOJTを実施すると1,800億円の人件費が発生することになるのです」(同社)。

それでも受け入れ企業の外国人に対する期待は高く、訪日外国人対応や外国人マニュアル改善に代表されるような、「外国人ならではの発想と積極的な姿勢による業務改善の可能性も秘めており、単純な人手不足の解消以上の効果が見込める」(同社)。

Cliplineでは、「1対1のOJTを実施する感覚で1対多人数の教育が可能です。教育の均質化、効率化に加え、指導者の拘束時間を短縮でき、現場に眠る暗黙知を形式知化し、多店舗に水平展開できるのです。これから入国してくる多数の外国人労働者の忌憚ないアイデアや意見を吸い上げ、形式知として展開していく機会を拡大することにより、企業だけでなく、日本全体の生産性向上に貢献します」と話しています。