なんで10連休になるの!?<br>

なんで10連休になるの!?<br> "2019年限定"の祝日、きちんと把握できてますか!?

今年のゴールデンウィーク(G.W.)は10連休だというのは皆さん既にご存知ですよね。
でも、実際に

「今年の何月何日」が、

「なんという祝日」になって、

10連休になるのかをご存知でしょうか?

古い手帳やカレンダーなどには書いてありません。10連休だから、4月の30日から5月2日までが新しい祝日?と思った方、それは間違いです。

正解は、5月1日が天皇の即位の日として祝日になるのです。これは2018年12月14日に公布されたばかりのものです。

このカレンダーを見て、
「おや?4/30と5/2は平日。この日が祝日になっただけでは10連休にならないんじゃない?」

そう思った人も多いかもしれませんね。なのにどうして10連休なのでしょう。
それには、法律が関係しているのです。

国民の祝日は法律で決められている

国民の祝日は、「国民の祝日に関する法律(昭和23年法律第178号)」で決められており、新しく祝日を決めたり、祝日の名称を変更したり、祝日の日付を変えたりする場合、法律の改定や特例によって定められ、公布されます。

第1条で、祝日の意義が

「自由と平和を求めてやまない日本国民は、美しい風習を育てつつ、よりよき社会、より豊かな生活を築きあげるために、ここに国民こぞって祝い、感謝し、又は記念する日を定め、これを「国民の祝日」と名づける。」

と掲げられています。

さらに、

第2条で実際の祝日の日付と、名称、どんな祝日かが定義されています。

例えば、4月29日の昭和の日は、

「激動の日々を経て、復興を遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす。」

という風に書かれています。

では、次に国民の祝日に関する法律の第3条を確認してみましょう。

「第3条 「国民の祝日」は、休日とする。
2 「国民の祝日」が日曜日に当たるときは、その日後においてその日に最も近い「国民の祝日」でない日を休日とする。
3 その前日及び翌日が「国民の祝日」である日(「国民の祝日」でない日に限る。)は、休日とする。」

これを2019年のG.W.にあてはめて考えていきましょう。

まず、国民の祝日は休日になるので、天皇の即位の日である5月1日はお休みになります。国民の祝日である5月5日(こどもの日)が日曜日なので、その次の平日である5月6日は振替休日に当てられます。

ここまでは前のカレンダーに既に反映されています。

さて、ここからです!

第3条の3番目に、国民の祝日にサンドイッチされた平日を休日にすると書かれていますね。ということは、必然的に、昭和の日と即位の日の間である4月30日、そして即位の日と憲法記念日の間である5月2日が休日になるのです!

まとめると以下になります。

ちなみに、来年の5月1日は祝日ではありません。2019年の5月1日だけが、天皇の即位の日として祝日になっています。なのでこの10連休は今年限定のスペシャルな連休となります。

しかも、もう1日祝日が増えています!

そして実は10連休の陰に隠れて、こっそりともう1日、2019年限定の祝日が増えているのをご存知でしょうか?

それは、2019年10月22日、「即位礼正殿の儀の行われる日」です。火曜日なので、残念ながら連休にはなりません。

でも2019年には消えた祝日も...

「やったー休みが増えた!」と喜んでいる方に残念なお知らせがあります。

実は2019年に限っては、天皇誕生日のお休み日はありません。というのも、新天皇の誕生日が皇室典範特例法の施行の日(平成31年4月30日)よりも前に終わっているからです。今まで、長きに渡り「イブイブ」として愛されてきた12月23日は、今年から平日に格下げ(?)されます。そして2020年の2月23日が新たな天皇誕生日となり、祝日になります。

来年の祝日もなんだかややこしいことに!

そして、ちょっと先の話になりますが、オリンピックイヤーとなる2020年には、3つの祝日が変更になります。

例年、7月の第3月曜である「海の日」は、7月23日に後ろ倒し(本当なら7月20日が第3月曜)になります。そして「体育の日」は「スポーツの日」として7月24日に繰り上がります。これによって、2020年の7月は、23(木)~26(日)が4連休に。そして、毎年8月11日であった「山の日」は、2020年限定で8月10日に変更になり、8月8日(土)~10日(月)が3連休になります。

この2つの連休、東京オリンピック2020大会の開会式と閉会式の日程を配慮して変更されたものです。開会式は2020年7月24日(金)(一部競技は7月22日から始まっていますが...)、そして閉会式は8月9日(日)なのです。

夜更かしして開会式や競技や閉会式を見ても、また地方から開会式や競技や閉会式を見るために上京しても大丈夫ということです。

2020年以降、「体育の日」は「スポーツの日」と名称が変更されるので、覚えておきましょう。なお、2021年の「スポーツの日」は、7月ではなく、10月の第2月曜日である10月11日に戻される予定です。

2019年の祝日・休日の数は22日。2020年の祝日・休日の数は18日です。

以前に購入した手帳やカレンダー、10年日記などを使っている人は、今すぐ変更になった祝日・休日に赤丸をつけておき、旅行や有休消化のスケジュールを立てるときにうっかりしないようにしておきましょう!

プロフィール

回遊舎(かいゆうしゃ)

"金融"を専門とする編集・制作プロダクション。お金に関する記事を企画・取材から執筆、制作まで一手に引き受ける。マネー誌以外にも、育児雑誌や女性誌健康関連記事などのライフスタイル分野も幅広く手掛ける。近著に「貯められない人のための手取り『10分の1』貯金術」、「J-REIT金メダル投資術」(株式会社秀和システム 著者酒井富士子)、「NISA120%活用術」(日本経済出版社)、「めちゃくちゃ売れてるマネー誌ZAiが作った世界で一番わかりやすいニッポンの論点10」(株式会社ダイヤモンド社)、「子育てで破産しないためのお金の本」(株式会社廣済堂出版)など。

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