マクロミルは、全国の20~69歳の男女1,000名を対象に実施した「災害や防災に関する定点調査(第5回)」の結果を発表しました。
西日本豪雨後に急上昇した「豪雨、洪水」への警戒、高まりは継続
まず、どのような災害に対して恐怖を抱いているのか聞いたところ、最も恐れられている災害は「地震」で96%。過去の調査と同様に、ほぼ全員が選択しました。2位は「豪雨、洪水」で66%でした。西日本豪雨が発生した後の2018年7月調査でその前の調査よりも13ポイントも上昇し、その後ほぼ横ばいで推移しています。さらに居住エリア別に見てみたところ、「豪雨、洪水」のスコアは中国・四国・九州エリアでは74%にのぼりました。「西日本豪雨をきっかけに、特に被害が大きかったエリアでの豪雨、洪水への恐怖心が上昇していることがわかります」(マクロミル)。
(※1:上記設問は2017年7月よりデータ取得を開始)
「避難場所の確認」や「備蓄」、過半数がやっていない
次に、大災害に対して行っている"備え"について聞いたところ、最多が「避難場所や避難所の確認」で48%。最多とはいえ、半数は避難する場所を把握していないという状況でした。2位は「日用品・水・食料品などの備蓄」で47%。国や自治体は大規模災害時の物流の混乱や避難生活に備え、"最低でも3日分、出来れば1週間分程度の家庭用食料品の備蓄を推奨"としていますが、半数の人は備蓄自体を行なっていないという実態が明らかになりました。
災害時の情報元として「ラジオ」への注目が高まる
また、大災害時注目すると思う情報源について聞いたところ、特徴的だったのは、「ラジオ」が急上昇している点です。2017年2月の調査開始時から下降が続き、2018年7月が最低の39%でしたが、今回2019年2月は47%と回復し、前回調査からは8ポイント増となりました。他の情報源と比較しても上昇率は顕著です。ラジオは手動発電やソーラー発電など、停電していても使用でき製品が数多く発売されています。「スマートフォンが広く普及し様々な情報を得られるようになりましたが、"スマホの電源が切れたらアウト"という怖さが背景にあるのかもしれません」(マクロミル)。
なお、今回の調査で注目すると思うと回答された情報源を全体で見ると、多い順に「テレビ」72%、「ニュースサイト」55%、「災害伝言サービス」51%、「ラジオ」47%、「家族からの情報」44%でした。
これらの結果を年代別にも見ていくと、「テレビ」と「ニュースサイト」は、若い年代よりも上の年代に選ばれる傾向がありました。近年、"若者のテレビ離れ"などとも言われていますが、20代の半数以上が「テレビ」に注目すると回答しており、大災害発生時にテレビの情報を必要とする若者は少なくありません。
また、総務省などが活用を呼びかけている「災害伝言サービス」は全年代で5割前後に選ばれており、年代に偏りなく一定数に浸透している様子です。なお若い世代は、上の年代に比べて「家族からの情報」や「SNS上の情報」に注目するというスコアが高い傾向にあります。